スペシャライズド「ルーべ」がモデルチェンジ

2019.04.11
トピックス

ヴェンジより「軽量」に、ターマックより「空力性能」を向上させ、そしてフューチャーショック2.0を搭載したことで前作以上の「滑らかさ」を手に入れた新型ルーベは、スペシャライズド史上もっともハイテクな1台となった。

パリ〜ルーベで6度の優勝

スペシャライズドの「Smoother is Faster（スムースさ=速さ）」という概念は、MTBのFSRサスペンションで初めて適用され、ルーベを通してすぐさまロードカテゴリーにも採用された。それはすなわち、F1に採用されているサスペンションシステムのように、動力を路面に対し的確に伝えることで、より｢速く｣進むことができるというものだ。
そこから15年。結果としてパリ〜ルーベで6度の優勝を獲得したこの概念は、石畳の上を最速で走るマシンを設計するための原動力となっている。モデルチェンジを重ねるたび速さ、操作性といった性能を向上させてきた。新型ルーベは、パリ〜ルーベの石畳から近所のお気に入りのルートまでのあらゆるライドを最速かつもっとも快適に走ることができる。

バイクではなくライダーを浮かす

前作ルーベから搭載されていた、フレーム上部のトップキャップ内に取り付けられたフューチャーショック。すなわちサスペンションシステムは、ライダーに路面の凹凸を感じさせない。どんな路面環境でもハンドリング性や効率性を損なわずに、振動吸収性の高さを体感しながら走れることがる。

そして新しいフューチャーショック2.0は新たに油圧ダンパー搭載の20mmトラベルサスペンションへと進化。もちろん前作同様に垂直方向に動き路面振動を吸収しつつ、コンプレッション（圧縮時）とリバウンド（伸長時）をコントロールできるダンパー機構を採用した。さらに、ダイアルを手の届きやすいトップキャップ部分に配置し、走行中でもダンピングを簡単に調整できるようになった。
これによって、スプリント時など上体の力をハンドルに伝え推力へ変えるというタイミングにおいても、ダイレクトさを損なうことが減少したのだ。

一切の妥協をなくし、快適に

また、新しいパヴェシートポストは、高い快適性だけでなく優れたエアロ性能も発揮する。これはターマックに搭載されているD型シートポストと同じ形状で、それでいて上部をよりしなるよう素材の配置を調整。
さらに、クランプ位置を下げ支点への距離を伸ばすことで、シートポストのしなり量を向上させるドロップクランプデザインを新たに開発した。

こうしてリヤの乗り心地がさらに高まり、上記フロントのフューチャーショックとのバランスは最高の状態に保たれているということから、路面がどんなに荒れていようとスムースに走ることができる。

さらに北の地獄のような過酷なレースも視野に入れ、最大で700×33Cのタイヤを履くことができる。

軽く、速く、よりエアロに

グラフ内の全てのバイクは、それぞれ独自のフレーム、フォーク、シートポスト、コックピットでテストを実施。ホイール、コンポーネント、ポジションは、全てのバイクで共通

それでいて新型ルーベのフレームは、エアロ性能、軽量性、乗り心地が完璧にバランスされている。これはヴェンジを開発した時に使用したソフトウェアから得たチューブ形状を採用したというのが大きい。ルーベをスペシャライズドの風洞実験施設「ウィントンネル」で実証したところ、エアロ性能はターマックSL6よりも高いという結果となった。
また、ライダーファーストエンジニアードという同社の設計哲学はもちろん取り込んでおり、全てのフレームサイズにおいて変わらない剛性感と乗り心地を実現。それでいてSワークスルーベのフレーム重量はサイズ56cm、ブラックカラーで900gを切っている。

男性／女性モデルという境をなくす

スペシャライズドが計測してきたぼう大なフィッティングデータを改めて検討したところ、興味深いデータを得ることができた。男女の身体差よりも同じ性別内での身体差の方が大きいというものだ。
それはつまり、性別を根拠に独自のモデルを作るほどの統計上のデータの違いがないということ。したがって、性別を分けてバイクを展開するのに根拠はなく、時代遅れになってしまったのだ。それによりこれまでのようなメンズ／ウィメンズモデルというものをラインナップする必要がなくなったのである。