【URL保存版】プロが教える!失敗しないタイヤ&チューブ交換のコツ
目次
- 1. タイヤを素手で外す方法/手順1 チューブの空気を全部抜く
- 2. タイヤを素手で外す方法/手順2 ビードをリム内側に落とす
- 3. タイヤを素手で外す方法/手順3 タイヤビードの片側をリムの外へ
- 4. タイヤを素手で外す方法/手順4 タイヤをチューブごと全部外す
- 5. タイヤを素手ではめる方法/手順1 タイビードの片側をはめる
- 6. タイヤを素手ではめる方法/手順2 チューブを入れる
- 7. タイヤを素手ではめる方法/手順3 タイヤを全部はめ込んでいく
- 8. タイヤがはまったら必ずやっておくべきこと!
- 9. チューブレス/チューブレスレディ対応ホイールの場合の注意点
- 10. 意外な盲点 ポンプを引き抜くときの注意点
- 11. 固くてどうしても素手で無理ならタイヤレバー!
- 12. タイヤレバーで安全にタイヤを外す方法
- 13. タイヤレバーで安全にタイヤをはめる方法
- 14. まとめ動画はこちら
ロードバイクに乗っている人は、ライド中のパンク修理のためにも、タイヤ&チューブをつけ外ししたり、交換する技術は必須だ。
ところが「1/2の確率でチューブに穴を空けてしまう!」「ホイール・タイヤ・チューブを傷つけにくいので、タイヤレバーを使わないで素手ではめた方が望ましいのは分かっているけど、どうしてもうまくいかない!」という人も結構いるのではないだろうか。
そこで、今回は専門学校でも教鞭を振るうプロメカニックに、失敗しないで行うコツを教えてもらおう。
この記事を読むのに掛かる時間:12分
動画も見ると:27分
タイヤを素手で外す方法/手順1 チューブの空気を全部抜く
今回レクチャーしてもらうのは、東京サイクルデザイン専門学校およびSBMの講師も務め、MTBプロライダー・池田祐樹選手のメカニックも務める、”プロの中のプロ”、自転車コーキ屋店長の濱中康輝(はまなか こうき)さんだ。
初めに、最も安全で確実な素手でタイヤ&チューブ交換する方法を教えてもらう。
まず、【A】の写真のようにしっかりと空気を全部抜く。抜いた後はバルブを締め(写真【B】)、チューブの中に空気が再度入ってしまわないようにする。空気が入るとタイヤがきつくなり、外しにくくなってしまう。
タイヤを素手で外す方法/手順2 ビードをリム内側に落とす
次にタイヤのビードをリムの内側に落としていく。10〜15cmずつの間隔で手で奥へ押すようにすると、バコッバコッと外れていく。一周全てやったら、今度は反対側も同じように一周外す。これをやっておかないと、いざタイヤを外すときに、きつくて外すことができない。
タイヤを素手で外す方法/手順3 タイヤビードの片側をリムの外へ
全体のビードを外したら、次にタイヤを外していく。左下写真のように、バルブの反対側から始めると外しやすい。
最初に、タイヤの側面を右下写真のように指でつまむ。
5〜7cm程度の幅で両手でしっかりとつまみ、そこからグッと上に引き上げてから手前に引き、ビードがリムをまたぐようにするとタイヤが外れてくれる。
タイヤの一部が外れたら、片方の手でしっかりと押さえておきつつ(押さえておかないとタイヤがまたはまってしまう)、もう片方の手で隣の外れていない部分を同じ要領で外す。これを繰り返していく。
1/4ほど外すと、後は写真のように指を入れて、外方向に引っ張るようにしてスライドさせれば一気に外れてくれる。
タイヤを素手で外す方法/手順4 タイヤをチューブごと全部外す
タイヤビードの片側が全部外れたら、その外れた方向に向かってタイヤをチューブごと丸ごとつまみ、下にグイッと引っ張るとタイヤとチューブが一発で全部外れる。
ここまでを動画でもチェック!
タイヤを素手ではめる方法/手順1 タイビードの片側をはめる
続いてタイヤをはめる方法だ。引き続き、最も安全で確実な素手での方法をまずレクチャーしてもらおう。
はじめに、タイヤの進行方向指定(ローテーション)の有無を確認しよう。ある場合は、溝のパターンか矢印が刻印されているので、それで判断できる。ホイールが回転する方向と合わせてはめるようにしよう。ないタイヤもあり、その場合ははめる向きは関係ない。
はめるときは、写真のようにバルブ口とタイヤのロゴマークがそろうようにすると、どんなタイヤとホイールの組み合わせでも見た目を整えることができる。必ずやるべきことではないが、参考にしょう。
次に、タイヤの片側をホイールにはめ込んでいく。ここまではすんなりといくはずだ。
タイヤを素手ではめる方法/手順2 チューブを入れる
その後、少しだけポヨッとなる程度に空気を入れた状態で、チューブをバルブ口へ入れる(下の写真【A】)。入れたら、タイヤをつまみ、チューブをまたがせるようにする(下の写真【B】)。
続いて、チューブをリムの内側に入れていく。注意するのは、全部入れ終わった後、下の✕の写真のように”チューブがタイヤの上に乗っかっているだけ”の状態になってしまわないようにすることだ。このままタイヤをはめ込もうとすると、チューブがかみ込んでパンクの原因となってしまう。
そうならないように、チューブをしっかりと”リムの内側”に入れるようにしよう。しっかりとチューブがリムの内側に入ると、下の◯の写真のように、チューブがリムから見えない状態になる。
タイヤを素手ではめる方法/手順3 タイヤを全部はめ込んでいく
ここまで来たら、いよいよ完全にタイヤをはめ込んでいく。
まず、はめる前にバルブを上に押し込み、バルブの根本がタイヤの中にすっぽりと入るように逃してやる(下の【A】の写真)。ここがタイヤとかみ込みやすいので、事前にこれをやっておくとトラブルがないのだ。
続いて、15cm程度の間隔で、タイヤをリムにはめていく。最初は少ない力ではめていけるはずだ。このときのコツは、右下の【B】写真のように片方の手で抑えつつ、もう一方の手でタイヤを上に押し上げるようにすることだ。
コツコツとはめ込んでいくと、最後の30〜40cm程度が固くなる。ここからもうひと工夫が必要だ。
タイヤの最後の部分をはめるために、既にはまっている部分を両側からつまみ中に押す。するとタイヤのビードがよりリムの内側に落ち、タイヤに余裕が生まれる。
ここまで来たら最後の関門だ。写真のように、今度は指だけでなく手の腹の部分も使い、より力を込めてグッと上に押し上げる。そこから、もう片方の指でビードをリムの内側に押し込む。これをじっくり繰り返して完全にタイヤをはめ込むのだ。
タイヤがはまったら必ずやっておくべきこと!
「やった! タイヤがはまったぞ! 空気を入れよう!」と気が焦りがちだが、ちょっと待ってほしい。必ず最後に点検すべきことがある。チューブがタイヤからはみ出している部分がないかどうかだ。
タイヤを両側からつまんでみて、チューブがはみ出していないかを確認しよう。○の写真のように全周両サイドがなっていればOKだ。一方、これは極端な例だが、×の写真のようにはみ出していると、空気を入れたときにチューブがかみ込み、バン!と破裂してしまう原因となる。
ここまでやったら、空気を規定値の範囲で入れ、タイヤ&チューブ交換は完了だ!
チューブレス/チューブレスレディ対応ホイールの場合の注意点
もう一つ注意点がある。もしあなたが使っているホイールが、チューブレス/チューブレスレディ対応の場合、空気を入れていくと「パン!パン!」という音が鳴る場合がある。これは、ビードがリムにしっかりとはまり込むときに出る音で、異常ではないので慌てないことだ。
逆に、(この音が必ずしも出るとは限らないのだが)この音が出ていないとタイヤが完全にはまり切っていない可能性があることを示す。
よって、①ビードが上がる音が出るまできちんと空気を入れる(ただし、タイヤの上限空気圧を必ず守ること!)、②入れたら、タイヤ全周にわたりきちんとビードが上がっているかを目視で確認する、の2つを実施しよう。
②については、写真のようにビード間際の線がきちんと見えていればOKだ。
意外な盲点 ポンプを引き抜くときの注意点
バルブからポンプヘッドを抜くとき、意外にも失敗することがあるという。空気を入れた後、無理に斜めに引き抜こうとしたりするとバルブの口金をポキッと折ってしまう、ということがあるのだ。やってしまわないよう要注意。ポンプヘッドはしっかりとまっすぐ下に引き抜くようにしよう。
タイヤを素手ではめるまでを動画でもチェック!
固くてどうしても素手で無理ならタイヤレバー!
タイヤとホイールとの組み合わせによっては、あまりにも固くて素手で着脱が不可能な場合がある。そんなときは、”最後の手段”としてタイヤレバーを使おう。
「あくまでも最後の手段です。今回は、タイヤ・チューブ・ホイールを傷つけにくい、1本だけ使ったやり方をお教えします。2本、3本と使った場合、ホイールのスポークに引っ掛けて使うので、そこまで傷つけてしまう可能性があるんです」と濱中さん。
タイヤレバーで安全にタイヤを外す方法
まず、空気を抜き、ビードをリムから落とす作業までは同じだ。
続いて、タイヤレバーでビードをリムから外すコツだが、ポイントはタイヤレバーの先端1/3程度だけを差し込むことだ。タイヤレバーを奥までグイッと差し込みがちだが、そうするとチューブを巻き込んでパンクさせやすくなってしまう。
そのまま、タイヤレバーをグッと手前に引き起こす。すると、ビードがリムを乗り越えてくれる。
タイヤレバーを引き起こしたら、上から親指で引き起こした部分のタイヤを押さえる(下の写真【A】)。すると、タイヤレバーが外れ、その部分のビードも外れた状態を保てる。
そこから、すぐ隣の外れていないビード部分を、先ほどと同じ要領でタイヤレバーを使って外していく(下の写真【B】)。こうすることで、タイヤレバー1本だけで、余計なトラブルを起こす心配なく外していくことができるのだ。
ある程度タイヤが外れると、あとはスルスルと外れる状態になるので、写真のようにしてタイヤレバーをスライドさせると、一気にタイヤ片側が外れる。
その後は、最初に説明したのと同じ方法でタイヤとチューブを外すことができる。
タイヤレバーで安全にタイヤをはめる方法
続いて、同じくタイヤの最後が固くてどうしても手ではまらないときに、タイヤレバーを使う方法だ。”タイヤの最後の固くてはまりにくくなる30〜
40cmまで”の手順は、先に紹介した流れと同じだ。
今度は、タイヤレバーを裏返しにして、左上写真の②の位置に差し込む。このとき、レバーの先端がリムにひっかかる程度だけ入れるのがポイントだ。やはり、レバーを奥までグッと差し込んでしまうとチューブまでかみ込んでしまい、穴を開けてしまう原因となってしまう。
次に、レバーを起こしてタイヤをはめ込む作業だ。先端を引っ掛けているリムを軸にして、グイッとレバーを引き上げる。このとき、もう片方の手を上に押し上げるようにすると、よりビードがリムを乗り越えやすくなる。
この要領で、3〜5cmずつはめていくと、タイヤが全てはまる。
なお、やりがちなのは、左の写真のようにタイヤがはまっていない部分の中央にレバーを差し入れて一気に上げてしまおうとすることだ。このようにすると、必要以上の力が掛かり、カーボンリムの場合はリムを破損したり、またタイヤそのものを破損させることにつながりかねない。3cm〜5cmの間隔をきちんと守ってはめるようにしたい。
タイヤレバーを使った方法を動画でもチェック!
ここまでで紹介したことを参考に、自分で何回かやってみて、スムーズに、失敗することなくタイヤ&チューブが交換できるように練習してみよう!
次回は、引き続き濱中さんを講師に迎え、「公道で迅速かつ安全にパンク修理する方法」を紹介しよう。お楽しみに。