Cover Story

「ポール・スミス」。あまりファッションに興味がなかったとしても、この名前を知らない人はいないだろう。イギリスを代表するファッションデザイナー。彼の偉大さは、エリザベス女王からその功績を認められ、ナイトの称号を与えられたほど。そんな彼が、日本の自転車雑誌史上初めて表紙モデルとして登場してくれたのだ！　なぜなら、現在開催中であるジロ・デ・イタリアの４賞ジャージをデザインしたということと、なにより彼が大の自転車ファンだから！　４月に来日した際には、本誌のインタビュー（26ページ）を受けてくれた。自分の自転車への思いや、選手とのエピソードなどを熱く語ってくれた。表紙の撮影でも、こちらがお願いしたポーズ以外に、みずからポーズを多数披露してくれるほど気さくな紳士であった。手にしている自転車はイギリスの「マーシャン」という工房のフレームで、グラフィックをポールが担当した限定モデル。鋭い読者は気づいていると思うが、リヤブレーキが付いていない。インタビューを担当したナカジは、その場で恐れ多くも「日本で走るときは前後ともブレーキを付けてくださいね！」と進言。紳士な彼は、静かに一度うなずいてくれた。