ツール・ド・フランス2019第3ステージはアラフィリップが独走で逃げ勝ってマイヨ・ジョーヌ初獲得!
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ベルギーの首都ブリュッセルで開幕した第106回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、2019年7月8日にベルギーのバンシュからフランスのエペルネまでの215kmで第3ステージを競い、地元フランスのジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が、ゴールまで残り16kmの最後の丘でアタックし、そのまま独走で逃げ切って区間優勝した。
メイン集団は26秒遅れてゴールし、オーストラリアのマイケル・マシューズ(チームサンウェブ)が、ベルギーのヤスペル・ストゥイヴェン(トレック・セガフレード)をスプリントで下して2位になった。
この日マイヨ・ジョーヌを着ていたオランダのマイク・トゥニセン(チームユンボ・ビスマ)は、最後の丘で集団から遅れ、4分54秒遅れでゴール。27歳のアラフィリップが3度目のツール参加で初めてマイヨ・ジョーヌに袖を通した。開催国フランスの選手がマイヨ・ジョーヌを着るのは、2014年のトニー・ガロパン以来だった。
ウェレンスが山岳賞を獲得
今年のツールはまだリタイアした選手がなく、第3ステージは176選手が出走。オフィシャルスタートとともにアタックしたのは、地元ベルギーのUCIプロコンチネンタルチーム、ワンティ・ゴベールに所属するフランスのヨアン・オフレドだった。
オフレドは一度捕まったが再びアタックし、第1ステージで敢闘賞を獲得して赤ゼッケンを付けているステファヌ・ロセット(コフィディス)、ティム・ウェレンス(ロット・スーダル)、ポール・ウルスラン(トタル・ディレクトエネルジー)、アントニー・ドゥラプラス(アルケア・サムシック)も加わってこの日の逃げになった。
25km地点でタイム差は2分35秒になり、ベルギーのウェレンスがバーチャルリーダーになった。集団はトニー・マルティン(チームユンボ・ビスマ)が先頭を引いてコントロールしたが、追い風に乗った逃げは35km地点で3分20秒差を付けていた。最初の1時間の平均時速は46.9km/hだった。
75km地点でタイム差は6分になったが、先頭はマルティンのままだった。しかし、タイム差が更に開き出すと、ドゥクーニンク・クイックステップが仕事を開始。カスパ・アスグレーンが集団を引き始め、タイム差は縮まり始めた。
102km地点の中間スプリント地点はウルスランが先頭で通過。集団は4分後にエリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が先頭で通過したが、その後方で9ポイントを獲得したスロバキアのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)は、トゥニセンのポイントを上回り、ポイント賞総合の首位に立った。
終盤の丘越えが始まる直前の残り48.6km地点で、先頭の逃げからウェレンスがアタックして独走を開始。42km地点のカテゴリー4の丘のトップを先頭で通過した。彼は追走グループに1分、集団に2分25秒差を付けて逃げ続けた。
続くカテゴリー3の丘も先頭で通過したウェレンスは山岳賞総合で首位に立った。集団ではケイレブ・ユアン(ロット・スーダル)やアレクサンダー・クリストフ(UAEチーム・エミレーツ)が遅れ始めていた。集団はアスタナが引き始め、タイム差は残り20kmで1分10秒にまで縮まった。
この日最後の丘越えだったカテゴリー3のコート・ド・ミュティニーの登坂が始まると、マイヨ・ジョーヌのトゥニセンも遅れ始めた。そして頂上近くでアラフィリップがアタックし、先頭のワロンスを追いかけた。ウェレンスはコート・ド・ミュティニーの頂上も先頭で通過し、この日の山岳ポイントを全て1位で通過したが、不運にもパンクに見舞われてしまい、頂上で追いついたアラフィリップに付いていくことはできなかった。しかし、彼はこの日の敢闘賞を獲得した。
ゴールまで残り10kmで、アラフィリップはメイン集団に35秒、マイヨ・ジョーヌのトゥニセンに1分15秒差を付けて逃げ続けた。ゴールまで残り5kmでタイム差はまだ40秒あった。集団ではファビオ・アール(UAEチーム・エミレーツ)がパンクに見舞われてしまった。
この日は残り2kmからアップヒルのゴールで、アラフィリップは集団に捕まることなくそのまま逃げ切り、ガッツポーズでフィニッシュラインを通過した。彼は昨年区間2勝していて、これが通算3勝目だった。
ロシアのイルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン)は3分51秒遅れでゴール。総合優勝は早くも難しくなってしまった。
■独走で区間優勝してマイヨ・ジョーヌを獲得したアラフィリップのコメント
「言葉にならない。自分に何が起きたのか理解できないよ。このステージが自分に合っているのは知っていた。ボクはいかなる危険も落車も避けることができた。調子が良いと感じて、ミュティニーの上りで加速した。でも、一人になるとは思わなかった。ボクは30秒か40秒先行していると聞いた。優勝候補として期待に応えるのは難しい。でもボクはやり遂げた。嬉しいよ」
■第3ステージ結果[7月8日/バンシュ〜エペルネ/215 km]
1. JULIAN ALAPHILIPPE (DECEUNINCK – QUICK – STEP / FRA) 04H 40′ 29”
2. MICHAEL MATTHEWS (TEAM SUNWEB / AUS) +26”
3. JASPER STUYVEN (TREK – SEGAFREDO / BEL) +26”
4. GREG VAN AVERMAET (CCC TEAM / BEL) +26”
5. PETER SAGAN (BORA – HANSGROHE / SVK) +26”
6. MATTEO TRENTIN (MITCHELTON – SCOTT / ITA) +26”
7. SONNY COLBRELLI (BAHRAIN – MERIDA / ITA) +26”
8. XANDRO MEURISSE (WANTY – GOBERT CYCLING TEAM / BEL) +26”
9. WOUT VAN AERT (TEAM JUMBO – VISMA / BEL) +26”
10. THIBAUT PINOT (GROUPAMA – FDJ / FRA) +26”
12. BERNAL GOMEZ Egan Arley (TEAM INEOS / COL) +26”
13. THOMAS Geraint (TEAM INEOS / GBR) +31”
14. FUGLSANG Jakob (ASTANA PRO TEAM / DEN) +31”
16. BARDET Romain (AG2R LA MONDIALE / FRA) +31”
17. KRUIJSWIJK Steven (TEAM JUMBO – VISMA / NED) +31”
21. URAN Rigoberto (EF EDUCATION FIRST / COL) +31”
23. NIBALI Vincenzo (BAHRAIN – MERIDA / ITA) +31”
25. YATES Adam (MITCHELTON – SCOTT / GBR) +31”
29. LANDA MEANA Mikel (MOVISTAR TEAM / ESP) +31”
30. VALVERDE Alejandro (MOVISTAR TEAM / ESP) +31”
35. QUINTANA Nairo (MOVISTAR TEAM / COL) +31”
37. PORTE Richie (TREK – SEGAFREDO / AUS)+31”
61. ARU Fabio (UAE TEAM EMIRATES / ITA) +01′ 22”
71. ZAKARIN Ilnur (TEAM KATUSHA ALPECIN / RUS) +03′ 51”
80. TEUNISSEN Mike (TEAM JUMBO – VISMA / NED) +04′ 54”
■第3ステージまでの総合成績
1. JULIAN ALAPHILIPPE (DECEUNINCK – QUICK – STEP / FRA) 09H 32′ 19”
2. WOUT VAN AERT (TEAM JUMBO – VISMA / BEL) +20’’
3. KRUIJSWIJK Steven (TEAM JUMBO – VISMA / NED) +25’’
4. BENNETT George (TEAM JUMBO – VISMA / NZL) +25’’
5. MICHAEL MATTHEWS (TEAM SUNWEB / AUS) +40’’
6. BERNAL GOMEZ Egan Arley (TEAM INEOS / COL) +40’’
7. THOMAS Geraint (TEAM INEOS / GBR) +45’’
8. ENRIC MAS (DECEUNINCK – QUICK – STEP / ESP) +45’’
9. GREG VAN AVERMAET (CCC TEAM / BEL) +51’’
10. WILCO KELDERMAN (TEAM SUNWEB / NED) +51’’
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):PETER SAGAN (BORA – HANSGROHE / SVK)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):TIM WELLENS (LOTTO SOUDAL / BEL)
■新人賞(マイヨ・ブラン):VAN AERT Wout (TEAM JUMBO – VISMA / BEL)
■チーム成績(黄色ゼッケン):TEAM JUMBO – VISMA (NED)
■敢闘賞(赤ゼッケン): TIM WELLENS (LOTTO SOUDAL / BEL)