頂上ゴールのツール・ド・フランス2019第6ステージはトゥーンスが区間初優勝/チッコーネが総合首位
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第106回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月11日にミュールーズからカテゴリー1のラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ頂上までの160.5kmで、今年最初の頂上ゴールだった第6ステージを競い、序盤から逃げ切ったベルギーのディラン・トゥーンス(バーレーン・メリダ)が、イタリアのジューリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)とのゴール勝負を制し、初出場で区間初優勝を果たした。
チッコーネはゴール手前100mで遅れて11秒遅れの区間2位になったが、6秒のボーナスタイムを獲得した。彼はこの日、ボーナスタイムがかけられた終盤のシェブレール峠を先頭で通過し、8秒獲得していたため、合計14秒のボーナスタイムがあった。前日までの成績で、彼は1分43秒遅れの総合42位だった。
地元フランスのジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)は、マイヨ・ジョーヌを守るためにゴール手前でアタックし、チッコーネよりも1分35秒遅れてゴールしたが、14秒のボーナスタイムがあったため、たった6秒差で総合首位の座を失ってしまった。
ツール初出場でマイヨ・ジョーヌに初めて袖を通した24歳のチッコーネは、今年のジロで区間1勝し、山岳賞のマリア・アッズーラを獲得した選手だ。彼はこの日、新人賞のマイヨ・ブランも獲得している。
ウェレンスとチッコーネが山岳賞争いを開始
第6ステージは前日の落車で肋骨を2本骨折したパトリック・ベヴィン(CCCチーム)が出走せず、今年最初のリタイア選手になった。175選手が雨のミュールーズからスタート。ナトナエル・ベルハネ(コフィデス)が最初にアタックし、14人の逃げ集団が形成された。
逃げのメンバーはブノワ・コスヌフロワ(AG2R・ラモンディアル)、ディラン・トゥーンス(バーレーン・メリダ)、セルジュ・パウエルス(CCCチーム)、ジュリアン・ベラールとジューリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)、ニキアス・アルント(チームサンウェブ)、トマス・デヘントとティム・ウェレンス(ロット・スーダル)、ファビアン・グルリエ(トタル・ディレクトエネルジー)、ニルス・ポリッツ(チームカチューシャ・アルペシン)、クサンドロ・ムーリッセとアンドレーア・パスクアロン(ワンティ・ゴベール)、アンドレ・グライペル(チームアルケア・サムシック)だった。
14人の中で総合成績が最も上位だったのは総合42位のチッコーネで1分43秒遅れだった。10km地点で集団とのタイム差が1分45秒になり、彼がバーチャルリーダーになった。タイム差は25km地点で5分半になった。29km地点の中間スプリント地点はパスカロンが先頭で通過した。
この日最初に越えたカテゴリー1のマルクスタイン山頂は、マイヨ・アポワを着たウェレンスが1位、チッコーネが2位で通過した。今年のジロ・デ・イタリアで山岳賞のマリア・アッズーラを獲得しているチッコーネは、ツールでも山岳賞を狙っているようだった。43.5kmのマルクスタイン山頂で、14人の逃げと集団のタイム差は7分半だった。
続くカテゴリー3のグラン・バロン峠は山頂間近でデヘントがアタックし、チッコーネを出し抜いて先頭通過した。集団ではグラン・バロン峠でフランスチャンピオンのワレン・バルギル(チームアルケア・サムシック)が落車したが、自転車を交換してすぐ集団に復帰した。
74km地点のユンスリュック峠(カテゴリー2)はベルハネが先頭で通過し、マイヨ・アポワのウェレンスが2位、チッコーネが3位だった。集団では今朝病気だったフランスのニコラ・エデ(コフィディス)が大幅に遅れた後、レースを棄権した。
中盤に入り、カテゴリー1のバロン・ダルザス峠で逃げ集団ではグライペルが脱落し、13人になった。ドゥクーニンク・クイックステップが引く集団は56km地点でまた8分後方を走っていた。バロン・ダルザス峠の頂上も、ウェレンスが先頭で通過。この日も山岳賞総合首位の座を守ることが確定した。
続くカテゴリー3のクロワ峠の頂上が近づくと、先頭の逃げからデヘントがアタック。独走で頂上を通過し、そのまま逃げ続けた。集団ではモビスターチームが仕事を開始し、タイム差は6分に縮まった。ゴールまで残り25kmで、デヘントは追走に15秒、集団にまだ5分20秒差を付けていた。
ボーナスタイムがかけられたカテゴリー2のシェブレール峠が始まると、追走グループはベルナールがチッコーネの為に先頭を引き、8人になった。山頂まで残り1.5kmで追走グループは逃げていたデヘントを捉えて再び先頭になった。残り20kmで、先頭はトゥーンス、チッコーネ、ウェレンス、ムーリッセの4人に絞られた。
ゴールまで残り19kmのシェブレール峠は、山頂間近でトゥーンスを追い抜いてチッコーネが先頭で通過し、8秒のボーナスタイムを獲得した。集団はアルカンシエルのアレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)が引き、残り10kmでタイム差は4分10秒になっていた。
トゥーンスとチッコーネが逃げ切ってゴール勝負
残り7kmからカテゴリー1のラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユの登坂がスタート。残り4.4kmでマイヨ・アポワのウェレンス、ムーリッセが遅れ、先頭はトゥーンスとチッコーネの2人になった。集団はチームイネオスが引き、残り4kmでタイム差は3分を切っていた。残り3.5kmでフランスチャンピオンのバルギルが集団からアタックしたが、500m先でアタックしたミケル・ランダ(モビスターチーム)に追い抜かれてしまった。
残り2kmでメイン集団はグルパマ・FDJのダヴィド・ゴデュが先頭を引き、エースのティボ・ピノーがその後ろに付いていた。ゴデュの加速でメイン集団は20人ほどになってしまったが、マイヨ・ジョーヌを着たアラフィリップは残っていた。しかし、トゥーンスとチッコーネが残り1kmのフラムルージュを通過した時、タイム差はまだ2分あった。
最後は20%を超える厳しい坂でトゥーンスが力強い走りを見せ、残り100mでチッコーネを蹴落とし、先頭でフィニッシュラインを通過した。後方では集団からマイヨ・ジョーヌのアラフィリップがアタックし、地元の大歓声に後押しされてゴールを目指したが、総合首位の座を防衛するにはわずかに届かなかった。
総合争いの選手たちもラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユのゴールでライバルに少しでもタイム差を付けようと攻撃し、ディフェンディングチャンピオンのゲラント・トーマス(チームイネオス)は1分44秒遅れの区間4位でゴール。ピノーは1分46秒遅れの区間5位でゴールした。しかし、フランスのロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル)は集団の後方でゴールし、2分53秒遅れの区間27位だった。
今年最初の頂上ゴールを終えて、総合首位のマイヨ・ジョーヌはイタリアのチッコーネになり、地元フランスのアラフィリップは6秒遅れの2位に後退した。
■区間初優勝したトゥーンスのコメント
「信じられない。ドーフィネ以来、自分の調子が良いのはわかっていたが、今週もうツール・ド・フランスで勝つなんて凄いことだ。今日は逃げが決まるチャンスがあるとは思っていたけど、自分がここで勝てるとは期待していなかった。ボクは自分のチャンスをつかんだ。
最後から2番目の上りで、逃げから最強の4人が出てきた。チッコーネが主役だとわかっていた。ボクはこれをやり遂げられて嬉しいよ。ふもとでママとパパとガールフレンドを見て、すごく感動した」
■マイヨ・ジョーヌを初めて着用したチッコーネのコメント
「マイヨ・ジョーヌは子供の頃の夢だった。今日、ボクはそれを実現させることができた。素晴らしい成果だ。信じられないよ。ボクの目標とチームの目標は区間で勝つことだった。区間優勝を失ってムカついたが、自分がマイヨ・ジョーヌだと気づいた時、怒りの感情はすぐに消え去った。素晴らしいよ。
ジロはボクの今年の最初のゴールだったが、素晴らしいコンディションで終わったから、ツールも同様に走ることをチームと一緒に決めたんだ。でもまだ24歳だから、経験を積むためだった。ボクは想像していた以上に良いスタートを切ることができた。ツール・ド・フランスの平坦区間もハードだが、ボクたちはこのマイヨを守る強いチームを持っている」
■第6ステージ結果[7月11日/ミュールーズ~ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ/160.5 km]
1. DYLAN TEUNS (BAHRAIN – MERIDA / BEL) 04H 29′ 03”
2. GIULIO CICCONE (TREK – SEGAFREDO / ITA) + 11”
3. XANDRO MEURISSE (WANTY – GOBERT CYCLING TEAM / BEL) + 01′ 05”
4. GERAINT THOMAS (TEAM INEOS / GBR) + 01′ 44”
5. THIBAUT PINOT (GROUPAMA – FDJ / FRA) + 01′ 46”
6. JULIAN ALAPHILIPPE (DECEUNINCK – QUICK – STEP / FRA) + 01′ 46”
7. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 01′ 51”
8. EMANUEL BUCHMANN (BORA – HANSGROHE / GER) + 01′ 51”
9. JAKOB FUGLSANG (ASTANA PRO TEAM /DEN) + 01′ 53”
10. MIKEL LANDA MEANA (MOVISTAR TEAM / ESP) + 01′ 53”
11. RICHIE PORTE (TREK – SEGAFREDO / AUS) + 01′ 53”
12. EGAN BERNALL (TEAM INEOS / COL) + 01′ 53”
13. ADAM YATES (MITCHELTON – SCOTT / GBR) + 01′ 58”
15. RIGOBERTO URAN (EF EDUCATION FIRST / COL) + 02′ 02”
20. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM JUMBO – VISMA / NED) +02′ 19”
21. WARREN BARGUIL (TEAM ARKEA – SAMSIC / FRA) + 02′ 27”
22. VINCENZO NIBALI (BAHRAIN – MERIDA / ITA) + 02′ 35”
25. FABIO ARU (UAE TEAM EMIRATES / ITA) + 02′ 46”
27. ROMAIN BARDET (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 02′ 53”
29. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 03′ 05”
■第6ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. GIULIO CICCONE (TREK – SEGAFREDO / ITA) 23H 14’ 55’’
2. JULIAN ALAPHILIPPE (DECEUNINCK – QUICK – STEP / FRA) +6’’
3. DYLAN TEUNS (BAHRAIN – MERIDA / BEL) +32’’
4. GEORGE BENNETT (TEAM JUMBO – VISMA / NZL) +47’’
5. GERAINT THOMAS (TEAM INEOS / GBR) +49’’
6. EGAN BERNAL (TEAM INEOS / COL) +53’’
7. THIBAUT PINOT (GROUPAMA – FDJ / FRA) + 58’’
8. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM JUMBO – VISMA / NED) + 01′ 04’’
9. MICHAEL WOODS (EF EDUCATION FIRST / CAN) + 01′ 13’’
10. RIGOBERTO URAN(EF EDUCATION FIRST / COL) + 01’ 15’’
11. JAKOB FUGLSANG (ASTANA PRO TEAM /DEN) + 01′ 19’’
14. ADAM YATES (MITCHELTON – SCOTT / GBR) + 01′ 24’’
16. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 01′ 41”
17. MIKEL LANDA MEANA (MOVISTAR TEAM / ESP) + 01′ 43”
20. VINCENZO NIBALI (BAHRAIN – MERIDA / ITA) + 01’ 56’’
21. RICHIE PORTE (TREK – SEGAFREDO / AUS) + 01′ 56’’
25. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 02’ 55”
26. ROMAIN BARDET (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 02′ 57’’
29. FABIO ARU (UAE TEAM EMIRATES / ITA) + 03’ 25’’
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):PETER SAGAN (BORA – HANSGROHE / SVK)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):TIM WELLENS (LOTTO SOUDAL / BEL)
■新人賞(マイヨ・ブラン):GIULIO CICCONE (TREK – SEGAFREDO / ITA)
※第7ステージはEGAN BERNAL (TEAM INEOS / COL) が着用
■チーム成績(黄色ゼッケン):TREK – SEGAFREDO (USA)
■敢闘賞(赤ゼッケン): TIM WELLENS (LOTTO SOUDAL / BEL)
#TDF2019
So much love for the TDF mascot!!
His first 🦁 but not his last. pic.twitter.com/RxRdlkuwYL— Lidl-Trek (@LidlTrek) July 11, 2019