ツール・ド・フランス2019第13ステージ個人TTはマイヨ・ジョーヌのアラフィリップがサプライズ優勝!
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第106回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、マイヨ・ジョーヌ誕生100年記念日の2019年7月19日に、南仏のポーで27.2kmの個人タイムトライアル(第13ステージ)を競い、マイヨ・ジョーヌを着た地元フランスのジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が、英国のゲラント・トーマス(チームイネオス)に14秒差を付けてサプライズな区間優勝を成し遂げた。
フランスの選手がツールの個人タイムトライアル(プロローグは除く)で優勝したのは、1987年のジャンフランソワ・ベルナール以来、32年ぶりだった。
区間3位には36秒差でベルギーのトマス・デヘント(ロット・スーダル)が入った。
ヴァンアールトが落車で棄権
前日まで総合3位で新人賞のマイヨ・ブランを着て個人タイムトライアルを走ったコロンビアのエガン・ベルナル(チームイネオス)は1分36秒遅れの区間22位でレースを終え、総合5位に後退した。
ベルナルに代わってオランダのスティーフェン・クラウスウェイク(チームユンボ・ビスマ)が順位を1つ上げ、総合3位になった。スペインのエンリク・マス(ドゥクーニンク・クイックステップ)は総合4位になり、新人賞のマイヨ・ブランを獲得した。
ベルギーTTチャンピオンのウァウト・ヴァンアールト(チームユンボ・ビスマ)は、残り1km手前のカーブでフェンスにぶつかって転倒し、そのまま病院へ搬送されてレースを棄権した。彼は意識はあったが、右脚を負傷していた。
ドイツのエマヌエル・ブフマン(ボーラ・ハンスグローエ)も終盤に落車して左手首と右膝を負傷したが、何とかゴールにたどり着くことができた。
今年最初で最後の個人タイムトライアルを終え、週末は頂上ゴールのピレネー山岳2連戦が行われる。
■マイヨ・ジョーヌを着て個人TTで優勝したアラフィリップのコメント
「信じられない。本当に幸せだ。自惚れではないが、こうしたコースなら良いパフォーマンスができるとわかっていた。だから今朝ボクは従兄弟のフランク(アラフィリップのコーチ)に、何か良いことができるだろうと話していたが、区間優勝できるとは思わなかった。とりわけトーマスにこんなタイム差を付けられるとはね。前半はボクに向いていたが、レースの後半で自分自身に驚いた。ボクは限界を突破した。観客の助けを借りて、フィニッシュラインまで全力を出し尽くした。チームカーにいる皆も全員泣いていたのを聞いたよ」
■第13ステージ結果[7月19日/ポー〜ポー/27.2 km]
1. JULIAN ALAPHILIPPE (DECEUNINCK – QUICK – STEP / FRA) 35′ 00”
2. GERAINT THOMAS (TEAM INEOS / GBR) + 14”
3. THOMAS DE GENDT (LOTTO SOUDAL / BEL) + 36”
4. RIGOBERTO URAN (EF EDUCATION FIRST / COL) + 36”
5. RICHIE PORTE (TREK – SEGAFREDO / AUS) + 45”
6. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM JUMBO – VISMA / NED) + 45”
7. THIBAUT PINOT (GROUPAMA – FDJ / FRA) + 49”
8. KASPER ASGREEN (DECEUNINCK – QUICK – STEP / DEN) + 52”
9. ENRIC MAS (DECEUNINCK – QUICK – STEP / ESP) + 58”
10. JOSEPH ROSSKOPF (CCC TEAM / USA) + 01′ 01”
14. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 01′ 11”
15. EMANUEL BUCHMANN (BORA – HANSGROHE / GER) + 01′ 19”
22. EGAN BERNAL (TEAM INEOS / COL) + 01′ 36”
24. MIKEL LANDA (MOVISTAR TEAM / ESP) + 01′ 45”
28. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 01′ 51”
33. DANIEL MARTIN (UAE TEAM EMIRATES / IRL) + 02’ 06’’
34. ADAM YATES (MITCHELTON – SCOTT / GBR)+ 02′ 08”
39. ROMAIN BARDET (AG2R LA MONDIALE / FRA)+ 02′ 26”
■第13ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. JULIAN ALAPHILIPPE (DECEUNINCK – QUICK – STEP / FRA) 53H 01’ 09’’
2. GERAINT THOMAS (TEAM INEOS / GBR) + 01′ 26’’
3. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM JUMBO – VISMA / NED) + 02’ 12’’
4. ENRIC MAS (DECEUNINCK – QUICK – STEP / ESP) + 02’ 44’’
5. EGAN BERNAL (TEAM INEOS / COL) + 02’ 52’’
6. EMANUEL BUCHMANN (BORA – HANSGROHE / GER) + 01′ 45’’
7. THIBAUT PINOT (GROUPAMA – FDJ / FRA) + 03’ 22’’
8. RIGOBERTO URAN (EF EDUCATION FIRST / COL) + 03’ 54’’
9. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 03’ 55’’
10. ADAM YATES (MITCHELTON – SCOTT / GBR) + 03’ 55’
11. DANIEL MARTIN (UAE TEAM EMIRATES / IRL) + 04’ 15’’
15. RICHIE PORTE (TREK – SEGAFREDO / AUS) + 04’ 44’’
17. ROMAIN BARDET (AG2R LA MONDIALE / FRA)+ 05’ 46”
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):PETER SAGAN (BORA – HANSGROHE / SVK)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):TIM WELLENS (LOTTO SOUDAL / BEL)
■新人賞(マイヨ・ブラン):ENRIC MAS (DECEUNINCK – QUICK – STEP / ESP)
■チーム成績(黄色ゼッケン):TREK – SEGAFREDO (USA)
マイヨ・ジョーヌ誕生記念日をマイヨ・ジョーヌを着た元選手たちが祝福!
1919年に開催された第13回ツール・ド・フランスで「集団の中で誰が総合1位なのかわからない」という要望に応え、7月19日の第11ステージから導入された黄色いリーダージャージのマイヨ・ジョーヌ。今年のツールは、その誕生から100年目を祝う大会であり、誕生記念日の7月19日には、個人タイムトライアルが行われたポーに歴代のマイヨ・ジョーヌ着用者が顔を揃え、セレモニーを行った。
集まったのは、エディ・メルクス(ベルギー)やベルナール・イノー(フランス)のようにツールで総合優勝した選手だけでなく、競技キャリアの中で1日でもマイヨ・ジョーヌに袖を通したことのある懐かしい顔ぶれだった。
個人タイムトライアル終了後には、区間優勝してマイヨ・ジョーヌを守った地元フランスのジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)と一緒に全員が表彰台へ上がり、巨大なマイヨ・ジョーヌを掲げて記念撮影を行った。