ブエルタ・ア・エスパーニャ2019第4ステージはオランダチャンピオンのヤコブセンが区間初優勝
目次
スペインで開催中の第74回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、2019年8月27日にクリェラからエル・プイグまでの175.5kmで第4ステージを競い、集団ゴールスプリントでオランダチャンピオンのファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ)が、アイルランドチャンピオンのサム・ベネット(ボーラ・ハンスグローエ)を僅差で下し、グランツールでの初優勝となる区間初優勝を果たした。
区間3位にはドイツのマクシミリアム・ヴァルシャイド(チームサンウェブ)が入ったが、後に降格処分を受け、コロンビアのフェルナンド・ガビリア(UAEチーム・エミレーツ)が繰り上げで3位になった。
総合リーダージャージのラ・ロハは、アイルランドのニコラ・ロッシュ(チームサンウェブ)が守った。
優勝候補のクラウスウェイクが途中リタイア
第4ステージは175選手が出走。オフィシャルスタートの合図と共にイェーレ・ワライス(ロット・スーダル)とホルヘ・クベロ(ブルゴス・BH)がアタックし、集団から逃げ出した。2人はすぐにタイム差を広げ、20km地点で6分差にまで開いた。
集団はチームサンウェブがコントロールしていたが、30km地点でタイム差が7分近くになるとボーラ・ハンスグローエが先頭で仕事を開始し、64km地点5分を切った。
集団では初日のチームタイムトライアルで転倒して膝を痛めていたオランダのスティーフェン・クラウスウェイク(チームユンボ・ビスマ)がレースを途中リタイアした。彼は7月のツール・ド・フランスで総合3位になり、優勝候補の1人だった。
残り距離が100kmを切り、集団の先頭ではドゥクーニンク・クイックステップも仕事を始めた。残り57kmでリゴベルト・ウラン(EFエデュケーションファースト)が落車したが、チームメートの助けを借りてすぐ集団に復帰できた。
ゴールまで残り53.2kmのスプリント地点はワライスが1位で通過。集団はピエール・ラトゥール(AG2R・ラモンディアル)が先頭で通過し、1秒のボーナスタイムを獲得した。
5.8km続くカテゴリー3のプエルト・デル・オロネットの登坂が始まると、雨が降り出した。集団はチームユンボ・ビスマとモビスターが引き、丘の中盤で逃げのタイム差は1分半にまで縮まっていた。山頂はワライスが先頭で通過。集団は白地に青い水玉の山岳賞ジャージを着たアンヘル・マドラソ(ブルゴス・BH)が先頭で通過し、1ポイントを獲得した。
集団は下りで加速して一時分断したが、すぐに1つになった。ゴールまで残り31kmでクベロは機材トラブルに見舞われて遅れてしまい、先頭はワライス1人になった。クベロは間もなくしてドゥクーニンク・クイックステップとボーラ・ハンスグローエが引く集団に吸収されたが、この日の敢闘賞を獲得できた。
ワライスは単独で逃げ続けたが、残り18.4kmで集団に飲み込まれた。ゴールスプリントに向けて加速する集団は風の影響で分断したが、主要選手は含まれていなかった。ゴールまで残り5kmで、集団からレミ・カヴァニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ)がアタックし、フラムルージュの手前まで先頭を逃げ続けた。
カバニャを吸収した集団はズデニェック・シュティバル(ドゥクーニンク・クイックステップ)が引いた後、アルゼンチンチャンピオンのマクシミリアーノ・リチェセ(ドゥクーニンク・クイックステップ)がヤコブセンをゴールまでリードアウトした。最後にスパートしたヤコブセンは、彼の後方から飛び出したベネットとフィニッシュラインで競い、写真判定の結果、ヤコブセンが区間初優勝した。
アイルランドチャンピオンのベネットは区間連勝を逃したが、ポイント賞で総合首位に立ち、緑のリーダージャージを獲得している。
■ブエルタで区間初優勝した22歳のヤコブセンのコメント
「グランツールで勝つのはスプリンターとして夢見ることの1つだ。ボクは学ぶ為に、そして勝つことにトライする為に22歳でブエルタに来た。頭の中ではできると思っていたが、実際にどうなるかはわからないものだ。自分の国の色を着てブエルタで区間優勝するのは素晴らしいよ」
■第4ステージ結果[8月27日/クリェラ~エル・プイグ/175.5km]
1. FABIO JAKOBSEN (DECEUNINCK – QUICK – STEP / NED) 04H 04′ 16”
2. SAM BENNETT (BORA – HANSGROHE / IRL)
3. FERNANDO GAVIRIA RENDON (UAE TEAM EMIRATES / COL)
4. LUKA MEZGEC (MITCHELTON – SCOTT / SLO)
5. MARC SARREAU (GROUPAMA – FDJ / FRA)
6. SZYMON SAJNOK (CCC TEAM / POL)
7. EDVALD BOASSON HAGEN (TEAM DIMENSION DATA / NOR)
8. JON ABERASTURI IZAGA (CAJA RURAL – SEGUROS RGA / ESP)
9. CLEMENT VENTURINI (AG2R LA MONDIALE / FRA)
10. MAXIMILIANO ARIEL RICHEZE (DECEUNINCK – QUICK – STEP / ARG)
63. YUKIYA ARASHIRO (BAHRAIN – MERIDA / JPN)
■第4ステージまでの総合成績(ラ・ロハ)
1. NICOLAS ROCHE (TEAM SUNWEB / IRL) 13H 55′ 30”
2. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) +02”
3. RIGOBERTO URAN (EF EDUCATION FIRST / COL) +08’’
4. MIKEL NIEVE ITURRALDE (MITCHELTON – SCOTT / ESP) +22”
5. MIGUEL ANGEL LOPEZ MORENO (ASTANA PRO TEAM / COL) + 33’’
6. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) + 35’’
7. SERGIO ANDRES HIGUITA GARCIA (EF EDUCATION FIRST / COL) + 37’’
8. WILCO KELDERMAN (TEAM SUNWEB / NED) + 38’’
9. DAVIDE FORMOLO (BORA – HANSGROHE / ITA) + 46’’
10. RAFAL MAJKA (BORA – HANSGROHE / POL) + 46’’
98. YUKIYA ARASHIRO (BAHRAIN – MERIDA / JPN) +11’ 17’’
[各賞]
■ポイント賞 : SAM BENNETT (BORA – HANSGROHE / IRL)
■山岳賞 : ANGEL MADRAZO RUIZ (BURGOS BH / ESP)
■新人賞 : MIGUEL ANGEL LOPEZ MORENO (ASTANA PRO TEAM / COL)
■チーム成績 : TEAM SUNWEB
■敢闘賞 : JORGE CUBERO GALVEZ (BURGOS BH / ESP)
第5ステージはカテゴリー1の頂上ゴール
8月28日はレリアナをスタートし、ハバランブレ天体物理天文台がある標高1950mでカテゴリー1のハバランブレ山頂にゴールする170.7kmの第5ステージが行われる。コースは序盤からカテゴリー2の峠を上らなければならない。ゴールがあるハバランブレ山は全長11.1kmの上り坂で、平均勾配は7.8%だ。