頂上ゴールのブエルタ・ア・エスパーニャ2019第5ステージでマドラソが区間優勝/ロペスが総合首位
目次
スペインで開催中の第74回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、2019年8月28日にレリアナからハバランブレ天体物理天文台までの170.7kmで、カテゴリー1頂上ゴールの第5ステージを競い、白地に青い水玉の山岳賞ジャージを着た地元スペインのアンヘル・マドラソ(ブルゴス・BH)が逃げ切り、グランツール初優勝となる区間初優勝を成し遂げた。
区間2位はマドラソのチームメートであるオランダのイェツェ・ボル(ブルゴス・BH)、3位はスペインのホセ・エラダ(コフィディス)だった。
総合リーダージャージのラ・ロハを着たアイルランドのニコラ・ロッシュ(チームサンウェブ)は、2分17秒遅れの区間14位でゴール。47秒遅れの区間4位に入ったコロンビアのミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム)が、第5ステージで総合首位に復帰した。
今年最初の頂上ゴールで山岳賞ジャージを着たマドラソが逃げ切った
第5ステージは174選手が出走。オフィシャルスタートからアタックが続いた後、11km地点で山岳賞ジャージのマドラソが、チームメートのボルと一緒に集団から逃げ出すことができた。16km地点でエラダが追いつき、先頭の逃げは3人になった。21km地点で、集団とのタイム差は5分になっていた。
31.7km地点のカテゴリー2の峠はマドラソが先頭で通過。チームサンウェブがコントロールする集団は45km地点で10分遅れていたが、総合成績が最も上位のエラダでも13分以上遅れていたため、リラックスしていた。
98.6km地点のカテゴリー3の丘もマドラソが先頭で通過し、着実に山岳ポイントを稼いでいった。ゴールまで残り65kmでタイム差が11分になると、集団の先頭ではUAEチーム・エミレーツが仕事を開始した。残り35.7kmのスプリント地点はボルが先頭で通過した。
集団では落車が発生し、リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションファースト)が前日に続いて巻き込まれたが、すぐ集団に戻ることができた。ここでグレゴール・ミュールベルガー(ボーラ・ハンスグローエ)がレースを棄権した。
ゴールまで残り11.1kmで最後のハバランブレ山の登坂が始まった時、逃げる3人と集団のタイム差はまだ9分あった。しかし、集団はチームイネオスが引き始め、そのタイム差はみるみる縮まっていった。
残り7kmで先頭ではマドラソが遅れ始めたが、すぐに追いついた。彼は残り5.5kmでアタックして先行したが、またすぐ3人になった。残り4kmでタイム差は5分になっていた。
集団では残り4kmでアルカンシエルのアレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)が加速し、総合を争う選手たちのグループが形成されたが、ラ・ロハを着たロッシュは遅れ始めていた。そこから白い新人賞ジャージを着たロペスがアタックして独走を開始し、先頭の3人を追った。しかし、タイム差は残り1.2kmでまだ1分半以上あった。
フラム・ルージュを通過した時、先頭はボルとエラダの2人になっていたが、残り700メートルでマドラソが追いついた。彼はそのまま単独で先頭に立ち、区間初優勝を果たした。マドラソはカテゴリー1の頂上ゴールで山岳賞ポイントも10ポイント獲得した。
前日まで33秒遅れで総合5位につけていたロペスは、このステージでバルベルデとプリモシュ・ログリッチェ(チームユンボ・ビスマ)に12秒差、ナイロ・キンタナ(モビスターチーム)には54秒差を付けることができた。彼は2分17秒遅れたローチに代わり、総合首位に立って真紅のラ・ロハを獲得した。
■ブエルタで区間初優勝した31歳のマドラソのコメント
「ここで勝つことは自転車選手として最大の成果の1つであり、ボクにとっては夢が叶った。残り50kmの上りでエラダが加速し、ボクは脱落したが、ボルのお陰で戻ることができた。チームは明日の為に、山岳ポイントの為にエネルギーをセーブするように言ったが、ボクは彼らにこう言った。「いや、ボクたちはそのために行く必要がある。今日できることを明日まで延ばすことできない」ってね」
■総合首位に立ったロペスのコメント
「上り始めはちょっと速かったけれど、ボクはずっと調子が良いと感じていた。リーダーたちが自力でいた時、ボクはアタックを待った。ログリッチェとバルベルデだけの時にボクは行った。彼らがどう反応するかを見るためであり、ボクは自分に脚がある時は、みんなが楽しめるようにショーを見せるのが好きだからだ。
レースはまだたくさん残っているが、これまでのところは全てが順調に進んでいる。数日後には更に多くのタイム差が生じるだろう。今年のブエルタは益々困難になっている」
■第5ステージ結果[8月28日/レリアナ~オブセルバトリオ・アストロフィジコ・デ・ハバランブレ(ハバランブレ天体物理天文台)/170.7km]
1. ANGEL MADRAZO RUIZ (BURGOS BH / ESP) 04H 58′ 31”
2. JETSE BOL (BURGOS BH / NED) + 10”
3. JOSE HERRADA (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / ESP) + 22”
4. MIGUEL ANGEL LOPEZ MORENO (ASTANA PRO TEAM / COL) + 47’’
5. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 59”
6. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) + 59”
7. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 01′ 29”
8. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 01′ 41”
9. SEPP KUSS (TEAM JUMBO – VISMA / USA) + 01′ 41”
10. JHOAN ESTEBAN CHAVES RUBIO (MITCHELTON – SCOTT / COL) + 01′ 46’’
11. RAFAL MAJKA (BORA – HANSGROHE / POL) + 01′ 52’’
12. PIERRE LATOUR (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 02’ 05’’
13. RIGOBERTO URAN (EF EDUCATION FIRST / COL) + 02’ 11’’
14. NICOLAS ROCHE (TEAM SUNWEB / IRL) + 02′ 17”
20. WILCO KELDERMAN (TEAM SUNWEB / NED) + 02′ 32’’
25. FABIO ARU (UAE TEAM EMIRATES / ITA) + 02’ 59’’
49. JAKOB FUGLSANG (ASTANA PRO TEAM / DEN) + 05’ 31’’
90. YUKIYA ARASHIRO (BAHRAIN – MERIDA / JPN) + 11’ 47’’
■第5ステージまでの総合成績(ラ・ロハ)
1. MIGUEL ANGEL LOPEZ MORENO (ASTANA PRO TEAM / COL) 18H 55′ 21”
2. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) + 14’’
3. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 23’’
4. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 28’’
5. NICOLAS ROCHE (TEAM SUNWEB / IRL) + 57’’
6. RIGOBERTO URAN (EF EDUCATION FIRST / COL) + 59’’
7. JHOAN ESTEBAN CHAVES RUBIO (MITCHELTON – SCOTT / COL) + 01′ 17’’
8. RAFAL MAJKA (BORA – HANSGROHE / POL) + 01′ 18’’
9. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 01′ 49”
10. WILCO KELDERMAN (TEAM SUNWEB / NED) + 01’ 50’’
94. YUKIYA ARASHIRO (BAHRAIN – MERIDA / JPN) + 21’ 44’’
[各賞]
■ポイント賞 : SAM BENNETT (BORA – HANSGROHE / IRL)
■山岳賞 : ANGEL MADRAZO RUIZ (BURGOS BH / ESP)
■新人賞 : MIGUEL ANGEL LOPEZ MORENO (ASTANA PRO TEAM / COL)
※第6ステージはTADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)が着用
■チーム成績 : MOVISTAR TEAM
■敢闘賞 : JOSE HERRADA (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / ESP)
第6ステージはカテゴリー3の頂上ゴール
8月29日はモラ・デ・ルビエロスからアレス・デル・マエストラトまでの198.9kmで、カテゴリー3頂上ゴールの第6ステージが行われる。コースはスタートしてすぐにカテゴリー2と3の峠を越え、終盤にもカテゴリー3の丘を1つ越えた後、標高1195mでカテゴリー3のプエルト・デ・アレス山にゴールする。