雨のブエルタ・ア・エスパーニャ2019第8ステージはアルントが区間優勝/エデが総合首位

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雨のブエルタ・ア・エスパーニャ2019第8ステージはアルントが区間優勝/エデが総合首位

(©Bettiniphoto)

スペインで開催中の第74回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、2019年8月31日に北東部カタルーニャ地方のバルスからイガラダまでの166.9kmで第8ステージを競い、雨の中を21選手が逃げ切った。最後は小集団でのゴールスプリントになり、ドイツのニキアス・アルント(チームサンウェブ)が区間初優勝した。

集団は9分24秒遅れでゴール。逃げ集団の中で総合成績が最も上位だったフランスのニコラ・エデ(コフィディス)が総合首位に立ち、真紅のラ・ロハを獲得した。

雨のブエルタ・ア・エスパーニャ2019第8ステージはアルントが区間優勝/エデが総合首位

(photo : Unipublic / Luis Ángel Gómez)

雨の中を21選手が逃げ切った

雨のブエルタ・ア・エスパーニャ2019第8ステージはアルントが区間優勝/エデが総合首位

第8ステージのコースプロフィール(MAP : UNIPUBLIC)

バレンシア地方を離れ、舞台を北東部へと移した第8ステージは167選手が出走。スタートからアタックと吸収が続いた後、19km地点で21選手が逃げ出した。その中で総合成績が最も上位だったのはフランスのエデで、6分24秒遅れの16位だった。

21人の逃げ集団は61km地点で4分以上のタイム差を付けた。この日は中盤から雨が降り始めた。112.1kmの中間スプリント地点はズデニェック・シュティバル(ドゥクーニンク・クイックステップ)が先頭で通過。ゴールまで残り40kmで、タイム差は5分47秒にまで開いていた。

残り35kmでこの日唯一の峠だったカテゴリー2のプエルト・デ・モンセラットの登坂がスタート。逃げ集団とメイン集団のタイム差はふもとで5分22秒だった。32km地点で逃げからピーター・ステティナ(トレック・セガフレード)がアタックし、単独で峠を上った。彼は2km先で追走集団に27秒差を付けた。

山頂でステーティナにフェルナンド・バルセロ(エウスカディバスクカントリー・ムリアス)が合流し、さらにヘスス・エラダ(コフィディス)も追いついて先頭は3人になった。しかし、ゴールまで残り26kmを切った所で後続に捕まり、先頭は再び21人になった。

逃げは土砂降りの峠道を下り続け、ルーベン・ゲレイロ(チームカチューシャ・アルペシン)とバルセロが先行し、さらにマルティン・トゥースフェルト(チームサンウェブ)も追いついた。3人はゴールまで残り15kmで、後続の18人に10秒差を付けていた。

ここで集団は6分54秒遅れになり、エデがバーチャル・リーダーになった。ゴールまで残り10kmで、先行する3人にアレクサンダー・アランブル(カハルラル・セグロスRGA)が追いついた。しかし、後続とのタイム差は数秒だった。

ゴールまで残り4kmのラウンドアバウトでトゥースフェルトがアタックしたが、雨で滑って転倒してしまった。ここで先行していた4人は後続に吸収され、先頭は18人になっていた。残り2kmでシュティバルがロングスパートを試みたが成功せず、最後は小集団でのゴールスプリントになり、アルントが競り勝った。彼は2016年のジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)で区間優勝していて、グランツールでの区間優勝は2度目だった。

エデはアルントと同タイムの区間11位でゴールし、総合首位の座を獲得した。この日のゴール地点だったイガラダは、奇しくも41年前の1978年に、フランスの英雄ベルナール・イノーが総合リーダージャージを獲得した場所だった。イノーはその年、ブエルタで総合初優勝している。

■区間初優勝したアルントのコメント
「素晴らしい。昨日ボクはもう休みたいと言っていた。勝利を得られたなんて信じられない。このステージの間、ボクはトゥースフェルトから多大なサポートを受けた。彼は前方にいて、全ての動きをフォローしてくれたから、ボクは座って、上りもスムーズにこなし、待つことができた。

トゥースフェルトが落車した時、ボクは自分が全てのアタックを追い、みんなをまとめなければならないと思った。スプリントになれば勝てるとわかっていたからだ。これはボクのキャリアで最高の一日だ。いつも全てのグランツールで勝ちたいと言っているが、これはその目標に向けた第一歩だ」

■ラ・ロハを獲得したエデのコメント
「ベルナール・イノーもイガラダでリーダージャージを取ったと聞いた。彼は非常に多くの記録を持っているから、彼とそれを共有できて嬉しい。素晴らしい話だ。ラ・ロハを持つのは、区間優勝や2013年に獲得した山岳賞ジャージとは全く異なる。マドリードで表彰台に上がることは、区間優勝以上の意味がある。

ここではリーダージャージを獲得する一生に一度のチャンスがあったから、そのチャンスをつかまなければならなかった。このブエルタが始まってからずっと、ボクはラ・ロハのことを考えていた。今日は休むつもりはなかった。監督がそれを怒らないことを願っている。

表彰台に上がることは、ボクの家族にとってのご褒美だ。選手というものは多くを犠牲にする。両親も、妻も、子どもたちも顧みないものだ。ボクの娘はしばしばツール・ド・フランスのライオンを欲しがる。彼女はスペインの牛のぬいぐるみをもらうだろう。それも素晴らしい。この瞬間を最大限に楽しみ、持てる全てを出し尽くさなければならない。明日のクイーンステージでは、後悔はしたくないよ」

雨のブエルタ・ア・エスパーニャ2019第8ステージはアルントが区間優勝/エデが総合首位

(photo : Unipublic / Luis Ángel Gómez)

■第8ステージ結果[8月31日/バルス~イガラダ/166.9km]
1. NIKIAS ARNDT (TEAM SUNWEB / GER) 03H 50′ 48”
2. ALEXANDER ARANBURU DEBA (CAJA RURAL – SEGUROS RGA / ESP)
3. TOSH VAN DER SANDE (LOTTO SOUDAL / BEL)
4. RUBEN GUERREIRO (TEAM KATUSHA ALPECIN / POR)
5. JONAS KOCH (CCC TEAM / GER)
6. DYLAN TEUNS (BAHRAIN – MERIDA / BEL)
7. JONATHAN LASTRA MARTINEZ (CAJA RURAL – SEGUROS RGA / ESP)
8. TOBIAS LUDVIGSSON (GROUPAMA – FDJ / SWE)
9. FERNANDO BARCELO ARAGON (EUSKADI BASQUE COUNTRY – MURIAS / ESP)
10. SERGIO LUIS HENAO MONTOYA (UAE TEAM EMIRATES / COL)

11. NICOLAS EDET (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / FRA)
161. YUKIYA ARASHIRO (BAHRAIN – MERIDA / JPN) + 18’ 05’’

■第8ステージまでの総合成績(ラ・ロハ)
1. NICOLAS EDET (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / FRA) 32H 16′ 24”
2. DYLAN TEUNS (BAHRAIN – MERIDA / BEL) + 02′ 21”
3. MIGUEL ANGEL LOPEZ MORENO (ASTANA PRO TEAM / COL) + 03’ 01”
4. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) + 03’ 07’’
5. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP)  + 03’ 17’’
6. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL)  + 03’ 28’’
7. CARL FREDRIK HAGEN (LOTTO SOUDAL / NOR)  + 03’ 45’’
8. RAFAL MAJKA (BORA – HANSGROHE / POL)  + 04’ 59’’
9. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)  + 05’ 37’’
10. JHOAN ESTEBAN CHAVES RUBIO (MITCHELTON – SCOTT / COL)  + 05’ 53’’

142. YUKIYA ARASHIRO (BAHRAIN – MERIDA / JPN) + 01H 19’ 14’’

[各賞]
■ポイント賞 : NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) 
■山岳賞 : ANGEL MADRAZO RUIZ (BURGOS BH / ESP)
■新人賞 : MIGUEL ANGEL LOPEZ MORENO (ASTANA PRO TEAM / COL) 
■チーム成績 : MOVISTAR TEAM
■敢闘賞 : DAVID DE LA CRUZ MELGAREJO (TEAM INEOS / ESP) 

ブエルタ公式サイト

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(photo : Unipublic / Luis Ángel Gómez)

日曜日はアンドラの過酷な山岳ステージ

9月1日はピレネー山脈へと舞台が移り、アンドラ・ラ・ベリャから標高2095mでカテゴリー1のコルタルス・デンカンプ頂上までの94.4kmで山岳区間の第9ステージが行われる。

距離は短いが、スタートからカテゴリー1のオルディーノ峠(標高1985m)の登坂が始まり、中盤にはカテゴリー超級のコル・デ・ラ・ガリナ(標高1910m)も越えなければならない。そして最後はカテゴリー2の峠を2つ上った後、ゴールへと向かうコルタルス・デンカンプの坂に挑む。カテゴリー1のコルタルス・デンカンプは全長5.7kmで平均勾配は8.3%だ。

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第9ステージのコースプロフィール(MAP : UNIPUBLIC)

雨のブエルタ・ア・エスパーニャ2019第8ステージはアルントが区間優勝/エデが総合首位

コルタルス・デンカンプ山

第8ステージのハイライト映像

ciclissimo no61 ツール・ド・フランス 21日間の神話