第3回自転車甲子園 栄冠を勝ち取ったのは初出場の土居(どい)高校!
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全国の高校生を対象とした「第3回自転車甲子園」が愛媛県松山市で12月3日(日)に開催された。
開催日:2023年12月3日(日)
主催:愛媛県自転車新文化推進協会
後援:経済産業省、警察庁、国土交通省自転車活用推進本部
協賛:株式会社オージーケーカブト、株式会社ウエイブワン、イケウチオーガニック株式会社、一般財団法人自転車新文化基金會
協力:株式会社ジャイアント、本州四国連絡高速道路株式会社、株式会社まちづくり松山
会場:ANAクラウンプラザホテル松山
自転車甲子園とは?
高校生が自転車に関する正しい知識や技術を身に付けると共に、 地域の自然環境や文化への理解を深め、サイクリングを通じて、地域の魅力を 発見・発信できる人材として活躍することを応援するイベントだ。
また、地域課題に向き合う活動により、学生・学校が社会的に影響の高い活動をしていることをお互いに認識しあい、 県内外へ発信していくことを目的としている。
予選はクイズ、実技、スピーチの3種目
予選種目は以下のとおり。
1.道路交通法を基準としたクイズ
2.実技
3.スピーチ
道路交通法やマナーに関するクイズは10問で、シンキングタイムはわずか30秒しかない。しかも年々難しくなっていると感じるのは、筆者だけではないと思う……。
30点満点の高校はなかったが、恥ずかしながら、筆者は10問中5問しか正解できなかった(汗)。先日開催された超党派の国会議員でつくる自転車活用推進議員連盟の総会で、自転車の交通違反に対する青切符の導入が議題として取り上げられるなど、自転車の安全利用に関して注目されているだけに、大人も再度、学ぶ必要があると思われる。
実技は4種目(ヘルメットの装着、8の字スラローム、スタンディング2m、20cm×30mの一本橋)。ヘルメットの装着は3人中何人が正しい装着ができているかを競う。制限時間は1分30秒でオージーケーカブトのスタッフが厳正な審査を行う。
チェックポイントはヘルメットの淵が眉毛のラインの上にある。あご紐の長さは指2本入る。耳下のV字部分のアジャストロックがきっちりと耳元に収まる。の3か所だ。ほとんどの学校が耳下のところで、得点できていなかたったが、唯一、新居浜東高校だけが10点満点を獲得した。
実技種目の「8の字スラローム」「スタンディング2m」「20cm×30mの1本橋」は、会場近くの大街道の特設会場で行われた。地域最大規模の商店街でこのようなイベントが行われるのは、さすが“自転車先進県”の愛媛ならでは。実際に通りがかった方たちが足を止めて観戦するなど、ギャラリーも多かったので、高校生も楽しそうにやっていたのが印象的だった。
スピーチでは、自転車に関する地域の活動や取り組みを発表する(5分)。テーマは「地域課題」「交通安全」「地域活性化」「新たな価値づくり」のどれかを選択。ちなみにスピーチの順番はクイズと実技の合計点の低い高校から行われる。
各校のスピーチでは、地元の危険箇所の調査と事故防止の対策、サイクリングコースの発掘、クロスバイクでの通学提案、サイクリングガイドツアーの実施、観光誘客のためのサイクリングマップや動画の作成、自転車を使って世代をつなげる活動として、小中学生とのツアーや幼児向け自転車教室の実施、事故防止のためのオリジナルのピクトグラムをデザインするなど、高校生の独創的な視点やアイデアで今年もいっぱい楽しませてもらった。
決勝選出4校による討論バトルの末、最優秀賞に選ばれたのは……
決勝に進んだのは土居高校、白馬高校、松山北高校中島分校、弓削高校の4校。そして討論議題は「道路交通法を遵守するための方法は?」に決まった。「自転車の免許制度の導入」「学校教育のなかに道路交通法や実技講習を義務化」「幼児期からの自転車講習」などのアイデアに対し、お互いの問題点を指摘し、それに対応する討論バトルが行われた。正直なところ、今年の決勝は男子より弁が立つ女子不在のせいか、昨年より迫力に欠ける部分はあったが、聞かれたことに対し、分かりやすく回答していた土居高校が栄冠を勝ち取った。
来年は8月上旬開催予定。