富山湾岸サイクリング 10周年、北陸を盛り上げるきっかけに
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4月21日、今年で10年目を迎えた富山湾岸サイクリングが開催された。能登半島地震以降、北陸で行われる大規模なサイクリングイベントということもあり、「復興」がテーマとして掲げられての開催となった。
全国から集まった参加者は1139人。180km、120km、80km、エンジョイコース(33.9km)の中からコースを選んで出走した。当日は、天気が心配されたが、スタートしてみればほぼ雨は降らず、参加者からは「1週間前から天気予報をチェックしていたけど、天気がもってくれてよかった」と、安堵の声が聞かれた。
富山湾沿いを行く、ほぼ平坦な海沿いのコース
コースは、氷見市の比美乃江公園をスタートして、ナショナルサイクルルートにも指定されている富山湾岸サイクリングコースをトレースする。名前の通り、富山湾をすぐ近くに感じながら、最長180kmコースは朝日町のヒスイテラスで折り返して、同じコースを帰ってくる。フィニッシュ地点は氷見市の漁業文化交流センターだ。
筆者は実際に120kmコースを走ってみた。景勝地として名高い、雨晴海岸や、高岡の工業地域を抜けて、雲の向こうに霞んではいたが、立山連峰の姿も僅かに確認することができた。
参加者のみなさん
北陸復興のきっかけに
途中悪天候やコロナ禍などでの中止もあったが、10年続いてきた富山湾岸サイクリングについて、主催者を代表して富山県地方創成局観光振興室コンベンション・賑わい創出課齊木弘子課長に話を聞いた。
「今回は1月1日に震災があり、現地の道路状況を確認する必要と、それに伴ってルートを変更する必要がありました。そのため、募集開始が例年より1か月遅くなってしまいましたけれど、地元は”こういうときこそ開催しよう!”と意気込みました。結果、1200人以上のエントリーを募ることができて安心しています。しかも、半数以上が県外からの参加。震災の影響で観光客が減ってしまっていたので、この結果はありがたい。北陸割りがあるとはいえ、観光への影響はまだ残っています。こういったイベントでサイクリングに戻ってきてくれるきっかけになってくれたらなによりです。地域としても、観光が盛りあがって欲しいという思いがあるので、それにつながっていって欲しい」と語った。
※この記事は5月20日発売のサイクルスポーツ7月号にも掲載予定
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同日には、有志が集まって能登方面をサイクリングするイベント「がんばろう北陸!つながる富山と石川 復興応援ライド」も開催された。