iRC TIRE 白馬グラベルミーティング2024を走ったグラベルライダーをスナップ!

初開催にして盛況を博した白馬グラベルミーティング。極上のグラベルライドやアウトドア体験と共に、来場者同士の交流やバイクトークもお楽しみの1つであった。そこはまるでグラベルバイクの展覧会。会場で目にしたユニークなバイクを、オーナーの声と共に紹介する。愛車カスタムやグラベルバイク購入の参考となれば幸いだ。

 

NAME:もえぞーさん
BIKE:オルベア・テラ

ロードバイク歴2年を経て、2台目の愛車にグラベルバイクを選択したもえぞーさん。白馬での2日間で「グラベル遊びに目覚めてしまった」と笑顔で答えてくれた。ピンクベースのペイントは自らデザインし、唯一無二の1台に仕上げた。タイヤ交換によりオンロードとグラベルをこれ1台で楽しんでいる。
 

レーシンググラベルバイクであるテラは、オンロードでの走りも軽快だ。ロードバイク並みのスピード域に対応するため、機械式の12速GRXをベースに105のコンパクトクランクをミックス。クランク長は165mmだ

オルベアのカスタムサービス「MyO(マイオー)」を利用すれば、フォークの模様やロゴの色まで細かくオーダーできる。トップチューブにはネーム入れも可能で、3種類の文字色から選択できるほどの細やかさ

純正のフレアハンドルから、オンロードでも扱いやすいシマノ・プロのLTコンパクトアルミハンドルバーに交換。幅は380mm。GRXのSTIレバーはやや内向きに入れたセッティング

 
NAME:矢作祐樹さん
BIKE:フェルト・ブリード
 
 
埼玉県川口市の竹芝サイクルにてメカニックを担う矢作さん。ユーザー目線で自転車遊びを楽しむ実践者だ。ファンライド志向のイベントながら、生粋のレーシングバイクであるブリードを投入。白馬での体験は「こんなイベントを待っていた」と絶賛するほどお気に召した様子だった。
 

ハンドルとステムはデダで統一。グラベルモデルのジェラ アロイハンドルバーは計算された複雑なカーブを描く。トップキャップにはビール瓶のキャップをあしらう。綺麗にインストールするにはコツが必要とのこと

アンバウンドグラベルで上位を席巻したレーシングフレームらしく、エアロと積載性を兼ね備える。ダウンチューブには豊富なマウントポイントを持ち、ボトルケージを複数装着可能だ。ローターはKCNCの軽量モデル

アウトソールまでオールホワイトのシューズは、クランクブラザーズのキャンディグラベルXC。ペダルも同ブランドのキャンディ、それも赤と黒をニコイチにカスタム。ソックスには白馬(ユニコーン?)の姿もあり遊び心満点

 

NAME:田中統さん
BIKE:オールシティ・ネイチャークロス

東京都江東区の走輪舎BIKE&TECHに勤務する田中さん。シクロクロスやトライアスロンにも明るい同氏だが、グラベルライドには「競わない楽しさ」を見出す。バイクは塗り分けが印象的なオールシティのスチールCXフレーム。タイヤを履き替えてCXレースでも使用している。

オーリーのMTBグリップを輪切りにして下ハンドルに装着した、機能的かつユニークなカスタム。2色の使い分けやレターの配置にも注目。バーテープはスパカズのオイルスリックカラー

ホワイトインダストリーズのクランク+ウルフトゥースの44Tシングルギア。フレームカラーに合わせたボルトとペダルのアルマイト配色が見事。オイルスリックカラーのKMCチェーンも目を惹く

ポールのライトマウントを介してフォークエンドにライトを装着。ハンドル周りはバッグとコンピューターが占めるため、上手に住み分けしたカスタムだ。ライトは吊り下げ装着可能なキャットアイのボルト800ネオ

 

NAME:近藤義明さん
BIKE:ジェイミス・レネゲード

愛知からお越しの近藤さん。トレイルランを嗜む延長で、自転車で未舗装路を走る楽しみに出会ったという。イベントの雰囲気を「肩の力を抜いて参加できるのがいい」と表現していた。愛車のレネゲードは、細身のスチールフレームに惹かれて購入したそう。

純正ハンドルからリッチーのコンプコラリトスバーに交換。大胆なフレアと浅めのドロップに、緩やかなライズを持つグラベル専用バーだ。ステムとピラーもリッチーで統一

前タイヤはiRC ボウケン ダブルクロス 42c、後ろはボウケン 40cとあえての前後異型に。前輪はグリップを、後輪は軽い転がりを求めたセッティングだ。ホイールはマヴィックのキシリウムSディスク。アルミリムで耐久性と信頼性に優れた足回りだ

イベント初日に配布されたステッカーを早速シートポストに貼り付け。筆者観測では、グラベルバイクにはステッカーチューンを施すオーナーが多い印象がある。ステッカーを見返せば、楽しい思い出が蘇ることだろう

 

NAME:岩田諭さん
BIKE:メリダ・サイレックス

上記の近藤さんとペアで参加した岩田さん。「グラベルイベントに求めるのは、とにかく楽しいこと」と穏やかに語った。高いコストパフォーマンスで人気のサイレックスを相棒に、全国各地のグラベルを求めてイベントをハシゴしている。

携行品はカフェドシクリステのフレームバッグに収納。フレーム前三角がバッグで占有されるため、ミノウラのEMB-2Bボトルミュールを導入。ボトルケージをヘッドチューブ左右に増設できるアイディア商品だ

ペダルはクランクブラザーズのキャンディ1。樹脂ボディ採用でコストパフォーマンスに優れ、グラベル遊びには申し分ない性能を持つ。本稿では3台がクランクブラザーズのペダルを採用し、グラベル界での高いシェアが見てとれた

 

NAME:佐久間浩彰さん
BIKE:オッツォ・ワヒーラ カーボン

愛知から参加の佐久間さん。愛車のワヒーラカーボンは、50cタイヤを収めるタイヤクリアランスと豊富なマウントポイント、そして希少性が魅力。倒立サスフォークや手組みホイールを導入して「誰ともかぶらない1台を目指した」と話す通り、理想をどこまでも追求した珠玉の1台だ。

目を惹くフォークはケーンクリークのインヴァート。40mmトラベルとクラーマースイッチを備える超軽量グラベルサスペンションで、国内流通数はごく僅か。ブレーキローターはガルファー、TLバルブはピーティーズ

リッチーのコンプビーコンハンドルバーは、36度もの幅広フレアが特徴的。ブレーキレバーの大胆な角度に注目だ。組み合わせるバーテープはBTPのもの。コルク地そのままの風合いで、バイクの統一感を引き立てている

GRX Di2の拡張性を生かし、ドロップ内側にサテライトスイッチを忍ばせてある。トリガーを引くように、人差し指で操作できる絶妙な配置だ。この一工夫により、ブレーキレバーに指を伸ばさず変速できる

ホイールは手組み、その中心部にはホワイトインダストリーズのCLDハブが輝く。ローターのロックリングまでパープルアノダイズドで揃えるこだわりようだ。アースカラーのフレームとのコントラストが見事

ポリッシュシルバーが眩しいタコペダルは、シムワークスと三ヶ島製作所の共同開発品。同色に揃えたホワイトインダストリーズのクランクが、クラシカルな装いを際立たせる