東海エリア最大級の自転車イベント「名古屋サイクルスポーツデイズ2025」レポート
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名古屋のド真ん中にあるイオンモール熱田の特設会場には、バイクブランドからウェア、パーツ、旅&カルチャーなど、83ものブースが集結。今年で6回目を迎えた「名古屋サイクルスポーツデイズ」は、今回も「見る! 乗る! 買う! 楽しむ!」がテーマ。最新バイクの試乗はもちろん、豪華ゲストを迎えたステージイベントが、2日間にわたりにぎやかに開催された。
2025年3月15日(土)と16日(日)、愛知県名古屋市内にあるイオンモール熱田で『名古屋サイクルスポーツデイズ2025』が開催された。今年は、両日ともに午後から雨に見舞われたが、開場前から多くの来場者が集まった。雨などものともしない、東海エリアのサイクリストのパワーを感じる活気ある2日間となった
気になるブランドのブースを「見る」

開場前には、長い待機列ができていた
ロードバイク、マウンテンバイク(MTB)、フォールディングバイク、ミニベロ、Eバイク、キッズバイクなどの完成車ブランドをはじめ、シューズ、ウェア、ヘルメットなどのアクセサリー、そして、ホイールやコンポーネントなどのパーツまで、さまざまな自転車関連ブランドのテントが並んだ。さらに、鉄道会社や自治体、サプリメント、ケミカル品などのブースも登場し、楽しく自転車に乗ることはもちろん、自転車に乗って豊かな時間を過ごすための幅広い提案も行なわれた。
各ブースでは、どのモデルが自分のライディングに最適なのかを熱心に質問する来場者の姿も見られた。気になるブランド、大好きなブランドのブースを訪ねて、実車を見ながら担当者に直接質問できることも、このイベンとの大きな楽しみのひとつ。
シューズ、ヘルメット、アイウェアなどのブースでは、実際にサンプルを身に付け、フィット感を確かめることもできた。特に全サイズを持ち込んだシューズ・ブランドのブースでは積極的に試着する人が多く、ネットでは確認できないシューズのフィット感を試しながら、最適サイズを確認することができた。ヘルメットやアイウェアは、現物を見て質感をチェックできることはもちろん、自分に似合うかまでしっかり確認できた。
125%延伸された試乗コースで最新モデルに「乗る」
広大な駐車場に特設された会場の外周には、最新バイクの性能を思う存分試せる試乗コースが出現。今年は、スタート&フィニッシュ位置を変更することで、何と昨年比125%ものコース延伸を実現した。スタートからの直線が伸びることで、「ペダルを踏み出してからの加速感をしっかりと試すことができました」という声が多く聞かれた。中にはパワフルなeバイクの加速を体感して、思わず顔がほころぶ人も。
コースの折り返し地点には、タイトなコーナーがある。そこでは、ハンドリング性能やカーブからの立ち上がり、前後で加減速することで、ブレーキや変速機の性能のチェックまでできた。
愛知県みよし市からやって来た中学生の二人に試乗の感想を聞いてみた。

ロードニキさん(左)と横山煌太さん(右)
「自分では絶対に手が出せないような高級自転車に乗れて、とてもうれしいです。まだ1回しかレースに出ていませんが、もっと速く走れるように、いろいろな自転車に試乗して、自分に合ったものを探したいです」(ロードニキさん)。
「友達に誘われてきました。僕はまだロードバイクは持っていませんが、今回いろいろなロードバイクを試乗してみて、速いし楽しかったので、何とか手に入れて友達と一緒に走りたいです。朝から6台ぐらい試乗しましたが、まだ時間があるのでもっともっと乗っていきます」(横山煌太さん)。
二人に話を聞いたときには、ハイスペックのロードバイクを中心に次々と試乗をしたと話していた。その後、クロモリロードやマウンテンバイク、eバイクまで、さまざまなジャンルにターゲットを広げ、たっぷりと楽しんでいた。
続いて小雨が降るなか、熱心にロードバイクを乗り比べていた小池さんに話を聞いた。

トライアスリートの小池さん
「今まで5台に試乗しましたが、値段に比例するように、どんどん走りが良くなるんですね。今は、エントリーモデルのロードバイクを所有していますが、買い替えを考えています。実はトライアスロンをしていて、今年はハワイ島のアイアンマンレースに挑戦する予定です。それまでに買い替えられればと思って悩んでいます。この機会にいろいろと試乗できてよかったです」。
各社のブースでは、さまざまなサイズの試乗車を用意。自分の走りにあったバイク、体格にフィットするバイクを実際に乗って試せることもこのイベントの大きな魅力だ。
会場だけのお値打ち品や気になる最新グッズを「買う」

アウトレット価格の商品が並ぶ物販ブースは大賑わい
地元のサイクルショップほか、パーツやウェアなどのブースでは、会場限定のセールを実施。気になっていたアパレルが超特価で買えたり、あまり店頭では見かけないようなレアな商品が並んでいたり。中には中古パーツを販売するブースもあり、「どれでも1個500円」なんていう表示も。宝探し感覚で、楽しそうに箱の中を物色する来場者が目立った。
サプリメントを扱うブースでは、人気商品を袋に入れて特価で販売するお試しセットも登場。その値ごろ感から、ふだんから愛用している人も購入していったという。

ゲストの東城咲耶子さん
またサイクルスポーツブースには、ゲストの東城咲耶子さんが登場し、自身が表紙を飾った数々の書籍を販売。購入した人の本にサインをするサプライズもあり。
スペシャルゲストによるステージイベントやハンバーガーを「楽しむ」
恒例のステージイベントは、両日ともに5回を実施した。

もえぞーさんが丁寧に選手テクニックを教えてくれた
「もえぞーがレクチャー! 自転車の簡単な洗車術 supported by SurLuster」では、ロードバイク女子のもえぞーさんが登壇し、簡単かつしっかりと愛車をきれいにするテクニックを紹介。手や床を汚さないポイントや、便利で効果の高いケミカルなど、使う順番や、使い方などを丁寧に教えてくれた。

トークショーで話す筧五郎さん
地元愛知県在住で、シクロクロスやヒルクライムのスペシャリストとして知られる筧五郎さんによる、「アラフィフおじさんが手術してゼロから強くなった件」では、大きなケガから復帰した経験談や、復帰後のトレーニングなど、歳を重ねても自転車を楽しむためのコンディション作りなどを紹介してくれた。
「サイクルジャージのレイヤリング術 presented by ASOSS」は、初日のみ開催。2024年に鹿児島から北海道まで日本縦断ギネスに挑戦した篠さんと、ほぼ1年中サイクルジャージ姿でライドしているという筧五郎さんがスタイリッシュで快適なレイヤリングノウハウについて熱く語った。

ギネスに挑戦した経緯などを話す篠さん(写真右側)
2024年5月に自転車による日本縦断ギネス世界記録にチャレンジし、見事記録を達成した篠さんは、「教えて篠さん! ギネス挑戦のこと・MTBのこと」と題したトークを披露。なぜギネスに挑戦したか、どのようなペース配分で走ったのかなど、記録樹立の走りをひもといた。また、MTBの魅力に取り憑かれているという篠さんに、その魅力についても聞いた。

チェーンキャッチャー選手権の様子
「チェーンキャッチャー選手権 with 東城咲耶子さん・ゆみやみチャンネルさん・けんたさん」は、2日間にわたりステージイベントの締めくくりとして実施。外れたチェーンを手を汚さず簡単にはめ直す、サイクルスポーツ2025年3月号付録の「チェーンレスキュー」を使って、作業時間を競う来場者参加型イベントが「チェーンキャッチャー選手権」。その日、チャレンジした一般参加者のランキング上位3人が登壇して、ステージ上で決戦! 豪華ゲストが見守るなか、2日間とも驚くような好タイムが飛び出した。1~2位の入賞者には、豪華景品のプレゼントもあり。初日の決戦直前には、ゲストの東城咲耶子さん、ゆみやみちゃんねるさんも挑戦。その後、飛び出す優勝タイムが、いかに速いかを力説していた。2日目は、動画クリエーターのけんたさんも加わり、前日同様に白熱した戦いを笑顔で見守っていた。

トークショーで話すけんたさん(写真奥)
2日目の午後のステージには、前述のけんたさんが登場。「けんたさんマル秘トークショー」では、サイクルスポーツ2025年5月号で、自身が編集長を務めるに至った経緯や撮影秘話を、誌面作りをサポートした江里口恭平副編集長と二人で語ってくれた。この号から3号連続でけんたんさんが編集長となり、独自のアイデアによるページを企画していることも発表。ぜひ、誌面を手に取って確かめてほしい。

キッチンカーの様子
また、名古屋バーガーフェスタには、大阪の「高槻バーガー」と、静岡の「牛タン100%バーガー ハンバーガー普及の会」がやってきた。ハンバーガーコンテストで優勝したこともある個性豊かな2つの店の味を多くの人が堪能していた。
冷たい雨も吹き飛ばす、熱気に包まれた、あっという間の2日間。多くの人が最新の自転車とそれを取り巻く楽しいコンテンツを体感した。

また来年お会いしましょう!