琵琶湖一周! 話題のサイクルボール「ビワイチ」コースの難易度は?
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日本一の面積を誇る湖、琵琶湖。この周りをぐるりと自転車で一周しよう、そう聞いたらどう思うだろうか。すごく難易度が高そうに聞こえる? 確かに距離は約150km(北湖1周)とそこそこあるが、ほぼ平坦ゆえに日本一の名前から想像するほどの難易度はない。サイクリストの間ではビワイチとよばれ、しまなみ海道、霞ヶ浦一周と並んでナショナルサイクルルートの一つにも認定されている。筆者自身、東京住まいということもあり、ビワイチは未経験。そんな私がこの度ビワイチを訪れることになったのには、あるイベントが理由にある。
日本各地に設定された7つの”一周”をめぐるスタンプラリーイベント「サイクルボール」がそれだ。
https://tour-de-nippon.jp/cycle-ball/
それぞれの1周コースには指定のスタートゴール地点があり、現地では専用のアプリ「ツール・ド」をつかってチェックポイントをまわる。各チェックポイントではアプリで”チェック”を獲得し、全てのポイントをまわってゴール地点に戻ってくると1周が認定されるというルールだ。ビワイチは難易度3(5段階中)。普通レベルってことですね!
アンバサダーは自転車ユーチューバーけんたさん!
朝7時にスタート地点であるジャイアントストアびわ湖守山に集合した。1日かけて琵琶湖大橋よりも北側を一周する北湖一周がサイクルボールの指定コースだ。今回はその取材ツアーで実際に1周してみようという企画だ。当日は雨予報なれど、午後に向けて天気は回復する見込み。ならばと、初めてのビワイチに意気込み出発する。スタートする時にアプリの起動を忘れずに。サイクルボールでは、スマートフォンアプリ内でスタンプを押していき、コンプリートして初めてビワイチを完走したと認定を受けられるのだ。
小雨ぱらつく中、ジャイアントストアびわ湖守山をゆるゆると出発。道を渡ってすぐのところにある「琵琶湖サイクリストの聖地碑」でまずは記念撮影。みんなこのポーズのマネするけど、ま、できないよね……。股関節が柔らかくなったところで走り出す。
いざ、ビワイチ
1つ目のチェックポイントはいきなり46km先の「道の駅近江母の里」。湖岸道路をどんどん行くと次第に雨脚が強くなってきた。取材用にカメラを背負っているサイスポ取材チーム、そして自転車ユーチューバーのけんたさんらは携行しているカメラが壊れないかひやひや。いよいよ本降りになってきたところで、マヴィックカーが登場! そうこの取材ツアーには、ロードレースでおなじみのマヴィックカーが帯同しているという素晴らしいホスピタリティ。無事、カメラを預かってもらい、実走取材を再開。
走り出してから約20km地点にあるコンビニで小休止。このころには雨脚も落ち着いてきた。短時間の休憩を経て、湖畔沿いの幹線道路をひた走る。車の交通量はそこそこあるので、注意して走るべし。そのうち彦根市へと取材ツアーは入ってく。ひこにゃん元気かな? 30kmほど走ったところで、琵琶湖のビュースポットのひとつとつとして知られる「あのベンチ」に立ち寄る。その名の通り、湖岸に生える木の下にベンチがひとつ。これが”映える”ということで有名なんだとか。近くの広場に公衆トイレあり。
「あのベンチ」ってどのベンチ?
しかと”映え”をとらえ、ビワイチは進んでいく。右手のかなたに彦根城が見えるが今回はビワイチすることを優先。ようやく最初に立ち寄り地である「道の駅近江母の郷」に到着。すかさずアプリを立ち上げてチェックポイントをタップ! 道の駅という名前だが、宿泊可能な研修施設やスポーツ施設も備える。軽食や飲み物を買い求めるなら、敷地内にある物産交流館さざなみへ。
この次の立ち寄りスポットは76km地点にある道の駅塩津海道あぢかまの里だ。ようやく走るペースもつかめてきて、天気も回復してきた。朝の雨雲はどこへやら、さんさんと太陽光が降り注ぐ。道の駅塩津海道あぢかまの里の前にはビワイチのなかで唯一と言っていい上りが登場する。といっても2kmほどの上りなので初心者でも気負わず行こう。上りの頂上にある旧賤ヶ岳トンネルを超えたら琵琶湖を一望できるビュースポットが現れる。上った後には必ずご褒美があるのだ、これ大切。
名物「鮒ずし」に挑戦!?
スイっと下って4kmほど行けば、あぢかまの里だ。ここで昼食を兼ねた大休止をとることにする。パン屋さんや、魚料理が楽しめる食堂が併設されている。アプリでのスタンプもお忘れなく。サイスポ取材班がチョイスしたのは名物「鮒ずし」のお茶漬け定食。塩漬けにした鮒を炊いたご飯とともに漬けて発酵させたもので、その匂いは独特だ。関西圏の人でも「苦手!」と言ってはばからない食べ物だが、お茶漬けとして食べることで、自分はおいしくいただくことができた。口の中のふわりと広がる、酸味と香り、いい塩気はサイクリングの途中にペロリと食べられる。
ここまでで、全行程の半分を消化した。琵琶湖の北の端まで走ってきたので、ここからは湖西を南下していく。湖西エリアは東側とはまた異なる趣を持っている。個人的には湖西の落ち着いた街並みが気に入った。道は細いが、車の通行量は一気に少なくなり自転車にとっては好都合。木々の間から湖面のきらめきを感じつつ走っていく。
バカンス気分を味わえるビーチで休憩
95km地点のマキノサニービーチ高木浜で、今日何度目かの休憩を取る。まるで海のような広大な琵琶湖を望む砂浜には、梅雨明け前だったが湖水浴や釣りを楽しむ人たちの姿がみられた。ここで今回の取材ツアーを企画した守山市のスタッフさんから冷えた果物の差し入れをいただく。すっかり気温も上がって、疲れた体に甘さが心地よい。
日暮れ時間を考えると、あまりゆっくりはしていられない。先を急ごう。次の立ち寄りスポットは、高島市にあるステージクス高島。BBQやグランピングを楽しめるレジャー施設で、カフェも併設。最近人気の高まりをみせているレモネードを注文。すぐ近くにある針江は、きれいな湧水で有名で、使われている氷は針江の水で作られているという。レモネードの酸味が疲れを吹き飛ばしてくれるかのようだ。ここまでで110km走ってきた。
もうすぐゴールだ!
いよいよビワイチも終盤、一気に最後の立ち寄りスポットである琵琶湖大橋を目指す。この区間は急な上りこそないものの、ゆるやかなアップダウンが続く。100km以上走ってきた脚には、ボディブローのようにダメージを受ける。一部161号琵琶湖西縦貫道路という交通量の多い道路を走るので、気を引き締めていこう。少しミスコースの不安もありつつ、無事に琵琶湖大橋に到着。立ち寄りスポットは橋の頂点にある展望スペースだ。この日、走ってきた琵琶湖の北湖を一望できる。そして、右手にはゴール地点であるジャイアントストアびわ湖守山を擁するマリオットホテルの建物が見える。
無事、日没前にゴール地点に到着し、最後のスタンプをアプリで押す。無事にビワイチを達成だ!
サイクルボールはビワイチ以外にフクイチ(福島一周)、カスイチ(霞ヶ浦一周)、イズイチ(伊豆半島一周)、アワイチ(淡路島)、フジイチ(富士山一周)、ハマイチ(浜名湖一周)の7つが用意されている。すべてのコースを達成した参加者には”サイクリストの願い”を叶える権利を得ることができる。一人で達成するもよし、仲間と連れだって走りに出かけるもよしだ。ふるって参加してみよう。