2020 エンデューロ・ナショナルシリーズ開幕! AAクラスは永田隼也が圧勝
新型コロナウイルスによる自粛や規制により、ワンデイイベントのENSライツ3戦を消化した時点で中断を余儀なくされていたエンデューロ・ナショナルシリーズ(ENS)が2020年9月5日(土)〜6日(日)、白馬岩岳MTBパークにて開催された。
1人ずつ走行するタイムトライアル形式として「密」にはなりにくいエンデューロ競技ではあるものの、クップ・ドュ・ジャポンMTBをはじめとする公式戦やフェスティバル形式のイベントの多くが中止となるなか、主催者であるENS実行委員会では「ソーシャルディスタンス」と「感染防止対策」を徹底。
受付前に非接触の検温を実施 → 各自によるビブナンバー確認 → エントリーキット受け取りという流れを設け、またゴンドラ乗車時やスタート前の待機時にはマスク着用が義務づけられた。
台風10号の接近により天候の悪化も懸念された週末だったが、この日は強い陽射しのもと厳しい残暑に見舞われ、DHコースを使用するステージ2と3は、砂埃が舞うほどのドライコンディション。一方AAおよびAクラスによるタイムドセッションが行なわれるステージ1は、金曜の夕立によりかなり滑りやすくなっている上に、試走の繰り返しでいくつもの轍ができていた。
午後3時から始まったタイムドセッションでは、1年ぶりのENS参戦となった井手川直樹(KONA RACING TEAM)が1分47秒57でトップタイム。約2秒遅れで九島勇気(玄武/ Mondraker)。さらに宇津孝太郎が最終コーナーでコースアウトしかけながらも、九島に遅れること0.03秒で続いた。
土曜深夜に再び激しい雨が降ったものの、朝9時のAAクラススタート時の天候は曇り。途中、小雨がパラついたものの大勢に影響はなく、スターティングリストに名を連ねた165名が出走。
前日以上にウエット路面となったステージ1は、前年の優勝者、内嶋亮(Mondraker/IRC)が 1分57秒で首位。コースセッターを務めた昨年のシリーズチャンピオン、佐々木博(重力技研 /urge/drop8/SUBARU)も転倒するなど、序盤からやや荒れた展開となった。
ゴンドラで山頂に移動。アルプスダウンヒルコースを使ったステージ2は、永田隼也(KONA RACING TEAM)が 2分01秒76をマーク。わずか0.1秒遅れで九島、さらに0.1秒で井手川の順。また今年から年間タイトルがかけられたハードテールクラスに出場したAクラスの増田直樹(DTC)が、2分03秒66と総合4位のタイムをたたき出した。
迎えた最終のステージ3は、山頂からカミカゼとアルプスを組み合わせ全長約4.4km、高低差370mというロングステージ。雨の影響が残るシングルトラックもあるため、スキルと高い集中力が要求された。ここでも永田の勢いは止まらず、ただ一人10分30秒台でフィニッシュ。3ステージの合計タイム14分34秒12として九島に12秒差をつけ、開幕戦を勝利で飾った。
昨年から独立した表彰対象となっているEバイククラスは、ENS初代シリーズチャンピオンの黒沢大介(SDL/m2tb)が、リジッドのYPJ-XCで総合26位となり優勝。
今季からアウトドアブランドのモノラルが年間スポンサーとなったハードテールクラスは、増田がステージ3で痛恨のパンク。総合20位でフィニッシュした市原和展(MONORAL)が優勝となった。
ロックダウン中は、ズイフトでバーチャルレースやトレーニングをしていたという永田は「長いオフシーズンでしたが、しっかり体を作れたので自信を持って走ることができましたし、やはり山でマウンテンバイクを走らせるのは最高です。また今回、新しいコナ・プロセス Xのデビュー戦となりましたが、勝つことができて良かったです。予定していた海外遠征は難しい状況ですので、今できることをして日本のエンデューロシーンを盛り上げていきたいですね」と語った。
AAクラス結果
1. 永田 隼也(KONA RACING TEAM) 14:34.12
2. 九島 勇気(玄武/ Mondraker) 14:46.60
3. 宇津 孝太郎 14:47.06