上野発! 輪行袋なしでそのまま乗車できる“いばらきサイクルトレイン”に乗ってきた!
目次
上野発→岩瀬行きの臨時列車“いばらきサイクルトレイン”を利用してりんりんロードの起点から終点までのおいしい区間を楽しむ贅沢な大人のサイクリング。こんな休日もアリ!!
いばらきサイクルトレインとは?
JR東日本と茨城県が連携し、10月1日から12月5日まで開催していた、いばらき秋季観光キャンペーンの一環で、今回は「鉄道×自転車」をテーマにしたサイクルトレイン(臨時列車)に乗車し、ナショナルサイクルルートの一つ「つくば霞ケ浦りんりんロード」を走ってきた。発着駅の組み合わせにより5つのコースが用意され、サイクリングするルートに合わせて選ぶことができる。
今回は、サイクルショップよしだ 吉田ルーム&サムライスポーツ主催のツアー「歴史探索りんりんツアー岩瀬~土浦(約55km)に参加したので、上野発~岩瀬着の臨時列車に乗ることとなった。
<行程>
上野駅8:13発~岩瀬駅10:32着。ライドスタート11:00→雨引観音→真壁の古い町並み→筑波山神社→小田城跡→亀城公園→土浦駅16:51発→上野駅17:56着(解散)
上野駅構内にたくさんのサイクリストが集結
当日の朝、上野駅に到着したところ、すでに駅構内には臨設のサイクルラックに自転車を掛け、談笑するたくさんのサイクリストが大勢いてびっくり!! JR東日本のスタッフに聞くと、今回の臨時列車の乗客は何と118人! その後、受付を済ませ中央改札の改札機のない通路から入っていく。引率の係員が一般利用客と接触しないようにかなり気を遣っているのが分かる。改札を抜けてからホームに降りる階段以外は、全てフラットで押し歩きできるので楽チンだ。ホームに降りると、ほどなく臨時列車が到着し、それぞれの指定された車両に乗り込み「ワンタッチ荷締ベルト」で手渡されたマニュルアルを見ながら、自転車を固定し出発。参加者の表情からもワクワク感が伝わってくる。いよいよ旅の始まりだ。車内では、初対面同士、日頃はどこを走っているのか? とか、どんな自転車に乗っているか? とサイクリスト同士、道中での会話が弾む。なかには日経新聞を読む意識高いサイクリストの姿も……。そうこうしているうちに、他のコースで下車する土浦駅、友部駅のホームでは駅員さんがウェルカムボードを掲げていた。何だかこそばゆい感じもするが、自転車が歓迎されているのが何だか嬉しい。また、車内では、「いばらきのおもてなしイベント」が開催され、サイクルトレイン運行記念タオルや補給食用に地元銘菓が提供されたり、突如ひょっとこが現れるなど、終点の岩瀬駅まで居眠りもできないほどの演出で十分楽しませてもらった。
岩瀬駅からりんりんロードへ
岩瀬駅で圧倒されるほどの熱い歓迎を受け、いよいよりんりんロードへ入る。当初の天気予報より気温は高く、安心してスタートした。ほどなくして、雨引観音への上りへ。走行レベルの違いはあれど、何とか参加者全員が登頂し、全員で記念撮影。そこにはまさかの(天然の?)孔雀がいてびっくり……。その後、真壁の古い町並みで昼食をとり、午後は紅葉で真っ盛りの筑波山をヒルクライム。下山後、小田城跡近くにある「TAMARIBAR(タマリバ)」でコーヒー、甘酒、ぜんざい、甘味等をいただき、ゴールの土浦駅へと向かった。この日は、真壁を過ぎたあたりで、向かい風となったが途中からは追い風基調となり、何かふだんより早くなったんじゃないかと思えるほど(笑)、ゴールまで軽快に走ることができたので、参加者は皆、幸せな気持ちでライドを終えたと思う。そしてゴールの土浦駅でも、祭りでもやってるのかと思うほどの盛大なお出迎えを受け、茨城はええとこやなあ~と筆者的には魅力度ランキングが急上昇した1日であった。
こんなライドもありだと気づかされた一日……
今回のツアーに参加して思ったのは、サイクリングの楽しみ方は十人十色ということだ。都内から輪行で行き、おいしいところだけを走るのもありだし、自走で行って帰りは輪行で帰るのもありだと思う。サイクルトレインは、家族と行ったり、ビギナーを誘うことでサイクリングの楽しさを知る機会が増えると思う。それで同行者の笑顔を見られるのであれば、それも幸せな時間だということ! ぜえぜえ、はあはあするのが当たり前などと考えず、優しくエスコートし、みんなを笑顔にさせれるような、ソウイウサイクリストニワタシハナリタイ……。また、JR東日本が通常列車を使ったサイクルトレインを実施したのは、すごく意義のあることだと思う。若手社員からの発案だったと小耳にはさんだが、出発の上野駅は、アクセスもよく、駅構内に十分な数のサイクルラックも設置され、フラットで押し歩きも楽だった。JR西日本和歌山支社や西武多摩川線でもサイクルトレインがスタートしたが、今後この流れが少しでも広がることを祈ると同時にサイクリストもピチピチレーパンで乗車しない、利用させてもらっているという穏やかな気持ちで、周りへの配慮を忘れないように心がけていく必要がある。そう「輪害」とならないために。