埼玉の隠れスポット加須でサイクリングツアーを開催 今後の定期化に期待
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埼玉県北東部の加須(かぞ)市には、実はサイクリングに適したフィールドが多く広がっている。その加須を舞台に、これからサイクリングを始めてみたい人や初心者・女性に向けたサイクリングモニターツアー「KAZOVENTURE(カゾベンチャー)」が2021年12月4日に開催された。
「KAZOVENTURE」とは?
埼玉県加須市は都心から車で約1時間30分、電車で約1時間15分とアクセスしやすく、交通量が少なく走りやすい道が多いなど、サイクリングに適したフィールドが広がっている。
加須市は市内を巡るサイクリングガイドツアー「KAZOVENTURE(カゾベンチャー)」の打ち出しを計画しており、本件はそのためのモニターツアーとして開催された。
10月〜11月に関係者や識者を対象に事前検証ツアーを2回開催し、そのときの反省点や参加者からの意見を取り入れたうえで、12月4日のツアーでは一般参加者を募集。募集開始から1日で定員の10人を上回る応募があり、急遽参加枠を増やしたほどだった。
スタート&ゴールは東武伊勢崎線・加須駅で、コース距離約30kmのミステリーツアー形式。コースは“東京から近い田舎”が感じられるもので、走りやすい農道などをつなぎつつ、地元の名物スポットや食事処をめぐることができる内容だ。
ガイド役として、地元にゆかりのあるヨガインストラクターのおおやようこさん、ツアー協力企業のブリヂストンサイクル・飯島誠さんが参加した。
ベテランサイクリストも大満足「まだ知らない埼玉を発見できた」
ツアー当日は晴天で穏やかな天候に恵まれた。一般募集から集まった15人が参加し、5チームに分かれてサイクリング。女性やサイクリング未経験者、初心者向けのツアーではあるが、本格的なサイクリングウェアに身を包み、ロードバイクで参加する人が意外と多い。中には県外から自走して参加した人も。
和気あいあいとした雰囲気でゴール。ゴール後は任意参加の意見交換会が開かれ、参加者から忌憚のない声を集めた。
ロードバイク経験者の参加が多かったのだが、そうした人から多く聞かれたのは「自分の知らないコースやこれまでサイクリングするスポットとして見ていなかった加須の魅力が知れて楽しかった」という声だ。
「加須というと“通過する場所”というイメージが強かったが、今回で新しい埼玉のサイクリングスポットを発見した」「自転車で訪れたことがあるけど、今回のようにのどかな裏道をつないで良いコースが取れることは知らなかった」「普段はできない地元スポットならではの体験がツアーだからこそできた」など、サイクリング経験者から見ても良い体験ができたようだ。
一方で今回で初めて本格的なサイクリングをしたという参加者からは「eバイクを借りたので、体力的にはそんなにつらくなかった」「スタート前の講習をもう少し充実すればより良くなると思う」「また加須に来たいと思った」といった意見が出た。
今後の定期ツアー化に期待
加須市ではこのモニターツアーを受けて、「KAZOVENTURE」の2022年以降での定期ツアー化を検討中だ。現地に精通したサイクリングツアーガイドの養成や発掘にも力を入れていきたいという。
埼玉県内ではサイクリングガイドツアーを開催している例は既にあるが、新たな県内のツアーの誕生をぜひ期待したいところだ。都心から近いエリアで気軽にサイクリングの魅力を体験したり、地元の魅力を発見できるツアーの開催は非常に貴重な存在になるだろう。