“サイクルモード東京2022″会場で見つけた最新アイテムを紹介
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コロナ禍の影響により2年半ぶりの開催となった「サイクルモード」は、会場も幕張メッセから東京ビッグサイトへと移って初の東京開催に。アクセスはさらに容易となって、来場者にはビギナーの姿が目立った。肝心の試乗コースは会場の制約はありつつも工夫され、バイクの性能を試すには十分なものと思えた。
訪れた初日(4月2日)は天候に恵まれたこともあり、受付前には来場者の列が。健康志向や環境志向に支えられた自転車人気は、一時の勢いこそないもののすっかり定着したようで、デートを兼ねて訪れたかと思われる姿も多く見かけられた。
会場の制約からオフロードバイク試乗コースは短く、併催のレースイベントもナシ。ただし巧みに配置されたメインの試乗コースは距離が1kmあり、直線とカーブをうまく織り交ぜることで試乗するバイクの性能を試すには十分なものと思えた。
近年のeバイクブームを反映して関連のブース出展が目立ち、そのブースを訪れる来場者の数も際立っていた。詳しくはeバイク情報サイト「eバイクジャパン」(https://e-bikejapan.com/)に譲るが、もはやeバイクが脚力に不安を覚える人だけのものでなく、〝走る+α〟の楽しみを求める多くの人に注目される存在となっていることが強く印象づけられた。
もちろんハンドメイドバイシクルコレクションやヴィンテージバイクマーケットといった通好みのイベントも健在で、磁石のようにその場に引き寄せられる来場者の姿も、サイクルモードならではの光景だった。
Newバイク-ボーマ、アラヤ、カラクルの初公開モデルを発見
ボーマ・サイⅡ
トップチューブがホリゾンタルに近いのはカーボンフレームとしては珍しく、そのクラシカルな見た目に引かれるユーザーも多くいる。また〝緩い自転車″と思われそうだが、下部にオフセットしたシートステーと相まって剛性は十分。しかも軽いのが特徴で、昨年のJCL大田原ロードレースで阿曽圭佑(ヴィクトワール広島)が、このバイクで優勝を遂げるなど十分な戦闘力を秘めている。鮮やかなカラーリングも所有欲をかき立てる。
アラヤ・マイクロスワロー
1970年代後半からの数年間だけ生産され、今も中古車市場で高い人気を誇るツバメ自転車(現アラヤ)の「マイクロハリー16」をベースに、現代的なテイストを取り入れた。現行で流通するパーツの採用に加えてホイールベースが延長され、グッと乗りやすくなってはいるものの、当時を知る者にとって感涙モノの仕上がりとなっている。試作品ということで販売は未定ながら、10万円切る価格での提供を目指している。
カラクル・コージーDB
フレームのみならずハンドルやステム、サドルベース、シートポストに至るまでカーボンパーツでそろえ、折り畳み機構を有しつつも7㎏を切る軽量を実現したコージーに、油圧式ディスクブレーキと12速の無線電動コンポを備えたハイエンドモデルが登場した。ワイヤ式での弱点とされた折り畳みに伴うブレーキ&シフトワイヤの伸びが解消され、常に最高の状態が維持されるようになったのがうれしい。気になる重量増も僅かだ。
NEWアイテム-シマノ・アルテグラパワーメーターからタイヤレバーまで多彩
デュラエースのパワーメーターに備わる正確性と機能を、より手頃な価格で提供。独自のひずみゲージで算出されたデータは、ANT+またはブルートゥースLEの両通信規格によって正確かつ迅速に送られる。また、温度変化に伴う数値の変動がパワーメーターの課題とされるが、これをソフトウェアが自動で補正。ゼロオフセット校正もトランスミッターのスイッチで簡単にできる。充電式リチウムイオン電池が統合された一体型デザインも◎。
IRC・アスピーテプロがモデルチェンジ
発売当時に世界最軽量を誇った「アスピーテプロ」に、コーナリングフォース(CF)に着目した改良が施された。緩やかなアールとなった断面形状は傾きに応じて、角度を2つに分けたトレッドパターンは車体を倒し始めた際、それぞれ安定的にCFが増大するよう設計された。耐パンクXガードを重ねたRBCCと一層の軽さを追求したSライトがあり、クリンチャーを使い続けるサイクリストの要望に応えるタイヤとなった。フックレスリムに対応。
記事はコチラ→“アスピーテプロ”がチューブレスに迫る性能のクリンチャーに進化(https://www.cyclesports.jp/topics/66502/)
ワフー用オプション インサイドライド・Eフレックス
ワフーの固定式スマートローラーに後付けすれば、前後のスライドと左右のチルトによって実走感が向上するというアイテム。コンパクトかつ安価である点が同種の製品より秀でており、導入するにあたってのハードルは低い。なお、現行のモデルは「キッカー」とその廉価版である「同コア」のどちらかに対応したものが別個に存在するが、両機種に対応した新製品が開発中とのことで、日本国内ではこちらが販売される予定となっている。
新興ホイールメーカー「オーディン」
競技用に絞ってホイールの開発を始めたオーディンは、市場に投入した2017年にタイ代表チームが導入して世界選手権にも出場。2020年には福島晋一氏が立ち上げたボンシャンスACAと連携し、昨年は寺田吉騎が全日本選手権U23で3位入賞を果たした。ハンドメイドで生産されるホイールは40〜88mmのリム高をそろえており、MTBやトライアスロン・TT用もラインナップに加わる。直進安定性が高く、コーナーで粘ってくれるのが高剛性の証だ。
タイヤグライダー・タイヤレバーエボリューション
25年のブランク後に自転車に戻ったK・ベイカー氏は、タイヤの交換ができず往生した。そんな彼がマグロの缶を開ける際に浮かんだアイデアに基づき開発したもので、〝グライダー″の名のとおりリムに沿ってスライドさせるとタイヤが外れたりはまったりする。力のない女性や慣れない初心者にとって救世主となる製品だ。
キャットアイ・OHR-31
腕に巻く光学式心拍センサーは着脱が容易で、冬場も肌寒い思いをせずに済む。呼吸で位置がずれることもないこの便利アイテムが、キャットアイから登場。ANT+とブルートゥースLEの両通信規格に対応するため同社製品以外でも使用可能で、防水機能により急な悪天候でも安心だ。心拍計測が途切れると、電源は自動でオフとなる。
オークリー・スートロライト
80年代ファッションを取り入れたアーバンモデル「スートロ」が選手にも好評だったことを背景に、その輪郭をカットしつつ天地幅を最大とすることで、前傾姿勢でも十分な視野を確保した。さらにアジアンフィット化することでレンズの角度がほぼ垂直となり、顔に当たることもない。全天候下で高い視認性を誇るレンズも要注目だ。
カブト・122
搭載する耐油性の撥水防曇ミラー調光レンズは、調光性能が落ちる高温下でも、ミラーコーティング層が一定の遮光性を確保。レンズの内面は防曇のシートをレンズと一体成型としており、コーティングのように使っているうちに剥がれてしまうことがないうえ、湿気が飽和してしまった場合もレンズが白濁化することはない。