佐渡ロングライド210 3年ぶりに開催
国内の代表的なロングライドイベントの一つに数えられる佐渡ロングライド。2006年に第1回大会が開催されから、毎年開催されてきたが、直近2年は新型コロナ禍によって中止となっていたため、今回が3年ぶり、第15回大会となった。
5月15日(日)、朝5時半に佐渡島の佐和田海水浴場前の道路から1251人のライダーがスタートした。当日は薄日が差す曇り空から、時より太陽がみえる天候。今年の目玉コースは、新設されたSコースだ。これまでも、佐渡ロングライドは、同様のイベントのなかでも走りごたえのあるイベントとして知られていた。佐渡島を1周する210kmのAコースは、その距離はもちろん、海岸線のこまかいアップダウンが参加者の前に立ちはだかっていたのだ。
新設されたSコースはそれを上回る難易度をもつ。距離こそ約180kmと、Aコースよりも短いが、島北部を石名和木線で横断、さらに両津港を過ぎたところから赤玉両津港線で南東部を横断する2つの山岳ルートが取り入れられ、獲得標高は2558mにもなる。おまけに、15時までにフィニッシュしなければならない(210kmコースは18時まで)厳しい時間制限も設けられた、「S」の名に恥じないコースなのである。
ただ残念ながら(幸いにも?)、冬季閉鎖の解除が間に合わなかったので赤玉両津港線の上りは走れず、島の海岸線を迂回するルートで実施された。その分、走行距離が伸びたのだけど。
このSコースには40人が参加。その中には乗鞍ヒルクライムで優勝経験のある森本誠さん、牧瀬翼さんの姿もあった。
序盤の石名和木線の登坂区間では、ロングライドイベントとしては珍しく、タイム計測が行われた。計測区間は8.3km、標高差約750m、平均勾配9%の激坂が参加者を待っていた。トップタイムは地元佐渡の鰕名 徹さん。タイムは35分56秒だった。
この勾配を駆け抜けても、まだフィニッシュまでは約130kmもある。しかもこの日は西南西の風が吹いていた。つまり、コースの中盤である島の南側の海岸線を走る区間では、ずっと海からの風を受けて走ることになった。ヒルクライムのあとは、厳しい関門の制限時間との戦いが待っていたのだ。
とはいえ、これはサイクリングイベント、海岸線からの眺めや、島の漁村の雰囲気などを時間いっぱい楽しみながら走りたい。島最南部にある宿根木集落などは必見であった。
最終的にSコースは33人が完走。完走率は82.5%だった。佐渡ロングライド全体は1166人が完走。完走率は93.2%となった。