コルナゴ最新バイクで挑んだジオパーク100km「コルナゴライド伊豆半島西伊豆ライド」レポート
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コルナゴがコルナゴファンクラブ向けのイベント「COLNAGO RIDE2019 “伊豆半島 西伊豆ライド”」を9月29日、静岡県の伊豆半島を舞台に開催した。
約100kmのライドで獲得標高は1800m。ユネスコの世界ジオパークにも認定された雄大な自然のなか、参加者たちは最新のコルナゴバイクによる走りを一日たっぷり堪能した。
たっぷり山岳コースでコルナゴの走りを体験
ライドは伊豆市のスルガ銀行サイクルステーション天城湯ヶ島を発着に行われた。コース監修とライド先導は、JCA公認サイクリングガイドでアテネ五輪ロードレース元代表の田代恭崇さん(リンケージサイクリング)が担当。今回走る伊豆半島は、日本列島の南方にあった海底火山がプレートの動きにより北上し、日本列島に衝突して形作られた歴史をもっている。そのため起伏に富み自然が凝縮。走りごたえたっぷりのコースで「上級者向け」として参加者を募った。
- ライドイベントの拠点となったスルガ銀行サイクルステーションは、今回利用した天城のほか御殿場、湯河原にも展開。年間約50回の少人数ライドを実施している
- コース監修・ライド先導を担当した田代恭崇さん。全日本ロード2度優勝、アテネ五輪出場など日本を代表する元プロレーサーで、現在はサイクリングの普及に尽力する
参加者はコルナゴの愛車、もしくは用意されたコルナゴの試乗車で出走。今回は特に、2020年モデルの最新ハイエンドロード「V3RS」の試乗車が多数用意され、田代さんらサポートライダーも含めた参加者の半分以上がV3RSに乗車し、揃いのコルナゴジャージに身を包んで西伊豆を駆け抜けた。
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直前まで降っていた雨も止み、ライドスタート!
当日は朝まで雨が降りコンディションが心配されたが、出発時刻の直前には奇跡的に天気が回復。午前中は路面が一部濡れていたものの、雨にはほぼ降られず参加者の強運がうかがわれた。
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霧がかかる中、船原峠を登っていく。まだまだ元気たっぷり
コースは序盤と終盤に約10kmの長い峠が登場する。スタート直後はまず西へ向かい、船原峠にチャレンジ。平均勾配は5%弱と緩やかだが、長さがあるので無理せずこなす。最後の峠部分で旧道に入ると、直前の台風で落ちた枝が道路上に多く残っていた。
- 参加者の多くが最新のV3RSを使用。カンパニョーロ12速を装備し、戦闘力は文句なし
- 峠を下って海沿いの温泉街に
峠を下ると内陸から海へと出る。駿河湾を望む土肥(とい)で休憩。眺めの良い海沿いに温泉ホテルが立ち並び、天気が良ければ富士山も望めるスポットだが、この日は雲が多く残念。土肥港からは対岸の清水港まで、自転車もそのまま乗せられる駿河湾フェリーが1日に4往復しているそうだ。
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穏やかな駿河湾を望む土肥港
西伊豆を南下、ランチは海の幸たっぷり
ここからは海沿いに南下していく。交通量も多めだが、信号は少なく走りにくくはない。2020年の東京五輪では伊豆で自転車競技が多く行われることもあって、伊豆半島ではサイクルスポーツツーリズムを進める整備も進んでいる。今回走ったコースも全体に、自転車の走行空間を示すブルーの矢羽根が道路標示として設けられていた。
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海沿いの道は目まぐるしく景色が移り変わっていく
- 海を見ながら走ると気分も開放的に
- 小さなトンネルを抜けると、絶景ポイントが
小まめなアップダウンをこなす度に、小さな漁港や温泉街を横目に過ぎていく。西伊豆町へと入り一旦国道からそれて、小さなトンネルを抜けてたどり着いたのは、駿河湾の絶景スポットの一つでもある黄金崎公園。黄褐色の奇岩が並び、海に突き出すその一つは馬の頭に似ていると最近「馬ロック」の愛称で親しまれているという。
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黄金崎の「馬ロック」を背景に。左に突き出た岩が馬の顔!
さらにしばらく南下すると、住所は松崎町に。のどかな漁村の雰囲気の松崎港にある「民芸茶房」で昼食となる。干物が並ぶ横に自転車を停め、お刺身、干物、イカの塩辛、海藻など、絶品の海の幸たっぷりのランチをいただき、ライド後半へと力を蓄えた。
- 昼食ポイントは松崎港
- 自家製の干物がたっぷり
- 海の幸をたっぷりいただきエネルギーチャージ
- 買ったお土産はサポートカーに積み込み、午後のライドスタート
ラストに控えるは「天城越え」
後半は進路を東に取り、再び内陸方面へと進んでいく。緩やかな婆娑羅(ばさら)峠を越えると下田市に。伊豆半島のほぼ南端まで走る伊豆急行の終点が下田なので、だいぶ半島を南側まで走ってきたことが感じられた。下り途中の田んぼに囲まれたおまんじゅう屋さんで休憩。蒸したての「おふくろまんじゅう」をいただいた。
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再び内陸を進む。アップダウンは多めだが勾配は緩めなので順調に進んでいく
- 峠を下ったおまんじゅう屋さんで一休み
- 蒸したての素朴な「おふくろまんじゅう」
今度は進路を北向きに、丘を一つ越えて上河津へ。いよいよ最後のヤマ場・天城峠へと挑む。上り手前で休憩を取り気力・体力を溜めて、登坂距離約10km・平均勾配7%弱へとスタート。上り前半の壮大なループ橋はフォトジェニックだが、次第に山深くなる中で、荒くなる呼吸音との静かな戦いへと移っていく。歌の歌詞にも出てくる「天城隧道」や「浄蓮の滝」などの案内板を横目に走りつつ、ペダルを踏みしめて“天城越え”を果たした。
- 天城峠のループ橋が見えてくる。道路上には自転車の走行位置を示す青の矢羽根表示が
- 2回転ループの壮大な「河津七滝ループ橋」
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ループ橋の上で「C」マークのアピール
峠を越えると約10kmを下ってゴールへ。疲れもピークだが、ディスクブレーキ装備の最新ロードは、減速においてもライントレースにおいても不安を感じさせない。想定より早めに100kmの行程を無事に終えることができた。
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天城峠を制覇!あとは下ればゴール
- V3RSに乗った小澤寛徳さん。「脚が残るバイクでした!」との感想
- 「漢ギヤだけど上るし進む!」とC64に試乗した大渡英敏さん。長距離の試乗で良さがよく分かったそう
走り終えた後、VR3Sなど最新のコルナゴバイクに乗った参加者の皆さんに感想を聞くと、軽さや高い剛性による上りでの反応の良さといった部分もさることながら、長距離でも最後まで疲れないといった意見が目立った。世界のトップレースシーンで使われるレーシングバイクでありながら、一般サイクリストのロングライドにもマッチするという点が、ロードサイクリングの本場イタリアで長年育まれた、コルナゴの伝統の味といえるのではないだろうか。
- 普段はV1Rに乗っているという今泉浩司さんは「剛性が高くて上りでスッスッと進む。(ブエルタの山岳ステージで大活躍した)ポガチャルの気持ちが分かりました!」とV3RSの進化に感動した様子
- 今回唯一自身のバイクで走った山口和哉さんは、エアロロードのコンセプトを、あえての山仕様にしているそう。「ダンシングでよく登るし、思ったより脚にもこないんですよ」
- 堤康二さんはV3RSを「1枚〜2枚重いギヤで走れる。ついつい頑張りすぎちゃいました」と評価
- 佐藤康晴さんは「荒れた道でも疲れにくく快適でした。平坦も速いし万能」とV3RSの意外なロングライド適性を体感