自転車ロードレース レガシーサイクリング

大國魂神社に参拝する

大國魂神社に参拝する

 

東京五輪で自転車ロードレースが開催されてからちょうど1年。女子ロードのコース114.6kmを使い30人のサイクリストがライドを敢行した。名付けて「レガシーサイクリング」。五輪のレガシーを残したいという熱い思いが、昨年の興奮を蘇らせた。

昨年開催された東京オリンピックのレガシーを残したいと、オリンピック組織委員会会長を務めた橋本聖子参議院議員が「言い出しっぺ」となり、五輪の自転車競技スポーツマネージャーを務めた片山右京氏が賛同。都議会議員の白戸太朗氏らの協力も得て、短期間に企画されたのがこのライドイベントだ。

 

橋本聖子参議院議員

橋本聖子参議院議員

 

一切の交通規制を行わず、サイクリングとして走るために1グループ6人編成の30人に声がかけられた。橋本聖子氏、片山右京氏らの他に東京五輪を実際に走った宇都宮ブリッツェンの増田成幸選手も手弁当で駆けつけた。スタッフはなんと五輪本番のメンバーがボランティアで協力し、スタート地点やフィニッシュ地点を担当。4カ所のエイドステーションは地元自治体がすべて村長レベルで出迎えてくれた。

 

増田成幸選手

増田成幸選手

 

ライド当日、7月30日は快晴に恵まれ、東京・府中市の武蔵野の森公園を8時にスタートする頃には気温は30度を超えていた。交通ルール遵守で走り出し、本番では例外的に走り抜けた大國魂神社は自転車を押し、歩いて参拝。一都三県にまたがる長いサイクリングがスタートした。

 

大國魂神社に参拝する弱虫ペダルの渡辺航先生ら

大國魂神社に参拝する弱虫ペダルの渡辺航先生ら

 

最初のエイドステーションは稲城中央公園、ここでは水分補給のほか稲城市のキャラクター、稲城なしのすけ君の周りで記念撮影が行われ、増田選手や弱虫ペダルの渡辺航先生らがサイン攻めに。都内から神奈川県に入るまでの行程は土曜日ということもあって自動車が多く、信号でのストップ&ゴーに体力も削られていく。つい最近新調された小倉橋の横断幕で記念撮影に収まり、ようやく信号が少なくなって次のエイドステーションは相模原市の串川地域センターだ。

 

稲城中央公園

稲城中央公園

小倉橋

小倉橋

 

ここで参加者はステージに上がって紹介を受け、エアコンの効いた室内でクールダウン。隣の青山神社の境内ではさがみはらサイクルフェスティバルが開催され、トークショーを終えたばかりのオリンピアン、小田島梨絵さんらがキッズにMTBを楽しんでもらうお手伝いをしていた。

 

さがみはらサイクルフェスティバル

さがみはらサイクルフェスティバル

 

道志みちのアップダウン区間に入ると、ワインディングを楽しむオートバイやクルマと共存するサイクリングはちょっと苦戦する。次のエイドまでの30kmほどは水分補給もできず、ライダーたちは口々に「干からびた〜!」と言って道の駅どうしに到着した。気温は35度。用意されていた水と麦茶、スポーツドリンクは30人の胃袋とボトルにどんどん入っていく。ここではちまきも提供され、元警視総監の樋口建史さんも喜んでパクついていた。

 

元警視総監の樋口建史さん

元警視総監の樋口建史さん

 

山伏峠を越えて山中湖に出る。今日も富士山は雲の中。2019年のテストイベント、そして2021年の本番もこの場にいた関係者たちは一様に「今日くらい出てきてくれれば」とため息。それでも都内から走ってきて初めて味わうリゾート感に、ライダー達はホッとした表情になった。

 

富士山は雲の中

富士山は今日も雲の中だ

 

最後の上りである篭坂峠をこなし、無事に富士スピードウェイに戻ってきた。母国開催の五輪を一過性のもので終わらせたくない、という橋本氏の思いを形にする、その第一歩としてのこのイベントが無事に終了した喜びを片山氏は「こうしてみんなが力を合わせてイベントをキックオフさせて、将来的にはチャリティーをしたり、いろんなスポーツが力を合わせて社会貢献をしたり、そういう道筋を僕たちが作っていきたいと思っています。西にはしまなみ海道などの素晴らしいサイクリングイベントがありますが、東にも五輪のロードコースがあって、それをルールを守って走ることで、自転車は楽しくて健康的だ! としっかり訴えたい。レインボーライドなどの新しいイベントと、残したいイベント、両方とも楽しみです。10年後にどんなイベントに育つか、見ていて下さい」と語ってくれた。

 

レガシーサイクリング

片山右京氏

片山右京氏

レガシーサイクリング