“自転車先進県”愛媛で初開催!! 第1回自転車甲子園
目次
高校生による「〇〇甲子園」はいろいろあるが、まさか「自転車甲子園」ができる日が来るとは…。栄えある第1回の模様をお届けしよう。
開催日:2021年11月14日(日)
主催者:愛媛県教育委員会
協力:株式会社ジャイアント、本州四国連絡高速道路株式会社、株式会社オージーケーカブト、株式会社ウエイブワン
開催地:南海放送1階テルスターホール、松山城山公園 管理広場
門田プロから突然の電話
10月某日、携帯の着信に門田プロの文字が……。彼からの電話はいつも急ではあるが、自転車業界にとって、とても熱量の高いものが多い。ドキドキしながら話を聞くと、何やら愛媛県で「自転車甲子園」なるものを企画していると聞く。“甲子園”の三文字にとことん弱い、元高校球児の筆者としては、興味津々だ。企画書を読んだところ、どうやら「自転車」をテーマにした高校生のイベントのようだ。高校生による「〇〇甲子園」はいろいろあるが、まさか「自転車甲子園」ができる日が来るとは……。日本初の試みなんで、これは取材せねば!と話を聞くと、愛媛県内の(希望する)高校では、3年前より、門田さんが総合学習の時間に自転車のマナー、道路交通法、実際のライド等の授業をしていたそうだ。その活動を通じて、高校生に何とか発表の場を作れないかと、教育委員会に掛け合い、このイベント開催が計画されたということだ。
イベントの目的とは?
このイベントを通して、愛媛県の高校生がサイクリングに関する正しい知識や技術を身に付けると共に、地域の自然環境や文化社会問題への理解を深め、サイクリングを通じて、地域の魅力を発見・発信できる人材として活躍すること。また、地域課題に向き合う活動により、生徒・学校が社会的に影響の高い活動をしていることをお互いに認識しあい、県内外へ発信していくことを目的としている。
コロナ禍を機に都心部でも自転車通勤、通学が増えている昨今、同時に自転車事故も増加傾向にあると聞く。たしかに東京でも自転車利用が一気に増え、逆走、信号無視を目にしない日がないほどだ。こういった状況のなか、ヘルメット着用率日本一の愛媛県がこのようなイベントを実施することに大変大きな意味があるし、全国にも広がっていってほしいと願う。なぜならば、道路交通法を学ぶのは自動車免許を取得するときだけで、しかもそれはドライバー目線のものであり、サイクリスト目線のものではないからだ。
全国に広まっていってほしいと感じたイベント
最も驚いたのは、高校生たちにやらされている感がなく、自主的に、それも楽しそうにやっていたことだ。実際に話を聞くと、先生に背中を押されて出場したのではなく、自ら手を挙げてきたと聞き、本当に驚いた。道路交通法クイズでは、恥ずかしい話、筆者も半分くらいしか分からなかったが、松山西中等教育学校はたった1問しか間違えなかった。実技では8の字スラロームを見事にクリアする女子高生も。スピーチでは、安全対策や地域の課題、魅力を自転車に乗ることで見つけ、プレゼンしていた。参加した高校生は自転車を通じて、自分たちで「安全を選択する力」を学び、「地域の魅力を再発見し、伝える力」を学ぶ非常に貴重な体験をしたと思う。
愛媛県では2022年以降も、他県からの参加を募り、いずれは全国大会にしたい目標があるそうだ。筆者自身、取材とはいえ、栄えある第1回大会の現場にいさせてもらったことに感謝したい。
競技種目
1 道路交通法やマナーに関するクイズ
2 実技4種目
3 地域の活動や取り組みに関するスピーチ
4 上位4校による討論バトル
栄えある第1回大会の参加校(18校)
新居浜東高等学校、今治西高等学校伯方分校、新居浜南高等学校、今治西高等学校、新居浜商業高等学校、今治北高等学校大三島分校、松山北高等学校中島分校、東温高等学校、松山北高等学校、松山中央高等学校、松山西中等教育学校、伊予高等学校、川之石高等学校、南宇和高等学校、八幡浜高等学校、宇和島東高等学校津島分校、八幡浜工業高等学校、北宇和高等学校(順不同)
最優秀賞!! 松山北高等学校
大会委員長 愛媛県副知事 八矢拓氏のコメント
皆さんのプレゼンが面白く、審査は非常に難しかったが、討論バトルでの松山北高校の準備力を感じた。また、全体を通して自分たちが当事者として、それぞれの地域で自転車の活用を進めていくんだという姿勢があってよかった。さらにサイクリングの楽しい写真が多く、皆さんが日頃から自転車で楽しんでいるんだなと感じた。
愛媛県自転車新文化スーパーバイザー 門田基志氏のコメント
授業で教えたときよりも高校生がきちんと準備していた。今まで高校生に教えてたつもりが、今日は教えられることも多く、生徒の成長を感じた。また、大人では思いつかない発想を聞けてよかった。これからの自転車の安全活用への答えを出すいいヒントをもらえた。これを実現につなげていくのが、僕たち大人の仕事ですね。