日本初!! 高校生によるサイクリングガイドツアーに参加してきた!

目次

サイクリングガイド講習を受けた愛媛県立弓削高校の生徒が企画した、ゆめしま海道おすすめのサイクリングコースをeバイクで巡るツアーに参加してきた。エイドでは地元特産品のグルメも満喫!

開催日時:2022年8月28日
主催:ゆめしま海道サイクリングツアー実行委員会
協力:上島町/愛媛県立弓削高等学校

 

高校生サイクリングガイドツアー

 

「イイ」旅を「e」バイクで!in ゆめしま海道

このイベントのタイトルは弓削高校の生徒が作ったキャッチコピーだ。シンプルで伝わりやすく実に「イイ」感じちゃいます!?
愛媛県内の(希望する)高校では、三年前より、総合学習の時間に自転車のマナー、道路交通法、実際のライド等の授業をしていると昨年実施された「自転車甲子園」を取材したときに聞いていたが、このイベントもその授業から発展して開催されることになったそう。

コース造成、エイドフードの選定、お店との交渉、発注、募集用のチラシ作成、募集告知など、全て生徒たちがやったと聞いて驚いたが、実際、当日の朝、会場の設営段階からのぞかせてもらったが、先生や周りの大人たちはほとんど口を出さずに生徒が自主的にテキパキと段取りをしているのを見て、おっちゃんは早くも記者ではなく、父親の目線になっていた……。

<ツアー行程>
弓削島(ゆげじま)ひだまり公園スタート~弓削大橋~佐島(さしま)~行名橋~行名島(いきなじま)~岩城橋~岩城島(いわぎじま)を一周して、往路とは別のルートで往復する26km、約2時間のライド

 

弓削高校の生徒

今回のサイクリングガイドツアーを企画した弓削高校の有志メンバーの皆さん

 

高校生の堂々としたガイドに感動

ツアーは上村俊之 上島(かみじま)町長の開会挨拶に続き、弓削高校3年の山本悠二実行委員長より「安全で楽しいサイクリングを提供します」と何ともガイドらしい頼もしい宣言で始まった。
スタート前にはブリーフィングを実施。ガイドリーダー“ゆーじん”こと山本さんの堂々として、張りのあるええ声で、ツアーの行程とハンドサインの説明。またスポーツバイクに初めてまたがるという参加者には乗り降り、ブレーキ、変速をレクチャーし、いよいよ出発だ。

ちなみに今回のツアーは定員30名があっという間に集まったそうだが、1回のツアーは10名ごとで、3組に分かれ、各ツアーに高校生2名、サポートガイドとしてJCGA公認ガイドが数名帯同してくれるので、とても安心だ。

走り出してすぐに気づいたが、ハンドサインと同時に「止まりま~す」「左折しま~す」と大きな声を出してくれるので、初めての方でも安心して走れると感じた。いっぱい練習したんだなと想像できる。また、エイドステーションでも参加者一人ひとりに声を掛け、飲み物をついだり、トイレの案内をしているのがとても印象的だった。

 

山本悠二さん

スタート前にハンドサインをレクチャーするガイドリーダーの“ゆーじん”こと山本悠二さん

ケンちゃん

エイドで参加者にドリンクをついでまわるガイドのケンちゃん

 

エイドステーションで飲んだ地元レモンをふんだんに使ったレモンスカッシュ、ゴール後のレモンポーク丼とみかんゼリー(紅まどんな)など、どれもおいしくて、レモンスカッシュは3杯おかわりしたほどだ。

 

nouson808のレモンスカッシュ

岩城島のレモン農家直営のカフェ「nouson808」のレモンスカッシュ。こんな贅沢なレモンスカッシュ見たことないよね~(愛媛県越智郡上島町岩城3910-1)

 

ミスティ亀井のレモンポーク丼

ゴール後に振舞われたミスティ亀井のレモンポーク丼。あっさりとしているがしっかりと豚の甘みを感じることができる絶品だ(愛媛県越智郡上島町岩城1523)

 

参加者の満足度も高く、「将来移住したくなった」「eバイクのおかげで坂も楽に上れて楽しかった」「素敵な景色が見られてよかった」「次回もあれば必ず参加するので、またお願いします」と言った喜びの声があちこちから聞こえていた。

自分の子供より年下の子供たちが見知らぬ大人をガイドするなんて、参加する前はまったく想像できなかったが、なかなか堂々としていておっちゃんは安心して走らせていただきましたよ~。生徒たちは自分たちのホスピタリティで参加した大人たちがどんどん笑顔になっていったのを気づいてくれたかな? 弓削高校の活動は地元の観光や文化発信にもつながると思うし、今後も継続してやっていくそうなのでブラッシュアップされたガイドツアーに再訪したいと思う。

 

弓削高校生の出迎え

弓削高校生の出迎え

スタート&ゴール時の弓削高校生によるあたたかいホスピタリティにただただ癒される

 

eバイクの消毒

ツアー終了ごとに使用したeバイクを丁寧に消毒していました。消毒作業を撮影しようとカメラを向けるとピースサインになったのはご愛嬌(笑)

ゴール後の山本悠二実行委員長

ゴール後の山本悠二実行委員長。これをやろうと思ったきっかけは11月開催の「自転車甲子園」に出たくて、立候補した。コースは7月から一月かけて作り、8月から5、6回試走を繰り返した。自分たちが見てもらいたいと思う地元の絶景を参加者に伝えたい想いと、安全面で路面の状況確認に注視したのが苦労した点。今日は緊張でほとんど覚えてないと言っていたが、なかなか堂々としていましたよ!

イベント終了後の弓削高校生

本イベント終了後の弓削高校生。やりとげた感いっぱいの高校生の笑顔は実に爽やかでキラキラしてるな~

 

信号が一つもない「ゆめしま海道」はまさに夢の島

今回の舞台となった上島町は、しまなみ海道のちょうど東に位置する、島だけで形成される町だ。ゆめしまと聞くと、どこか耳の大きいキャラクターを思い出す人も多いかもしれないが(笑)、上島町には信号やトンネルが一つもなく、交通量も少なく、道路もきれいに整備されているのでサイクリストにとっては、ストレスフリーで走れるまさに夢のような島、それが「ゆめしま海道」だ。2022年3月に岩城橋が完成したことで、3つの橋で4つの島がつながり、約50kmを楽しめるサイクルルートとなった。

時計回りで走ると、常に海を間近に感じることができるし、内陸は歴史を感じさせる細い路地や街並みを望むことができる。さらに上級者には積善山のヒルクライムコースもあるし、何よりすれ違う地元の方が全員挨拶してくれるのに癒されるし、移住者が増えている理由も分かる気がする。また、帰ってきたいと思える町に出会った貴重な体験に感謝したい。

 

漁港の目の前の道

漁港の目の前の道。ガードレールもなく、思わずシャッターを切りたくなる撮影ポイント

高校生サイクリングガイドツアー

時間が止まったような癒される空間が写真から伝わるといいのですが……

参加者

青い海を真横に見ながら走れるルートに、ただただ癒される参加者。ちなみに先頭は上村俊之 上島町長

橋を渡る

3つの橋を往復で6回渡るのだが、橋を通るたびに空を飛んでいるような爽快な感覚を味わえる

上村俊之 上島町長

当イベントに参加した上村俊之 上島町長。「開会式での山本さんの挨拶に大丈夫かな? と思ったが見事なガイドぶりで、とても安心して楽しく走ることができた。イタリアや台湾も走ったが、上島町の常に海を眺めながらのサイクリングは世界に誇れるものだ」と高校生にお話しされていた。

eMTB試乗体験

会場ではeMTB試乗体験も同時開催され、初めて乗るeMTBのパワーにびっくりしていた