変態クライマーが挑んだ 10,000UPチャレンジDay! にあなたも!!
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昨今コアなサイクリストから注目を集めている群馬県の利根沼田エリア。そこに9月下旬、「3日で10,000UPに挑む、変態クライマー求ム!」という呼びかけに応じた、総勢9名のサイクリストが集まった。
「変態」クライマーだけに、関東最北端の地まで、関東南部から「いつものこと!」だと笑顔で「自走」してきたり、なかなか訪れることのない関東のサイクリング環境を楽しみに、遠く関西からの参加者もいた。
そんな彼らは、利根沼田エリアに設定された5コースを3日間で走破することに挑戦。
コースは、百名山に数えられる山々をヒルクライム、麓に広がる田園風景、間もなく彩られる涼やかな渓谷、そして日本有数のダム、いくつもある峠をつなぐアップダウン。
距離合計496km、獲得標高10,000mの走破を目指した!
利根沼田エリアの5コースを、1日で2コース走る!
3日間の行程は次の通りだ。
【1日目】
赤城山upコース 80km
距離:79km 平均勾配:2.5% 獲得標高:1988m
今回走る、利根沼田5つのコースで一番距離が短く、獲得標高は少ない。しかしコース中盤に難易度の高いヒルクライムが待っていて、スタートから飛ばすと、しっぺ返しに合う! 途中にある、東洋のナイアガラと呼ばれる吹割の滝は、是非立ち寄りたいスポットだ。
谷川岳upコース 90km
距離:93.7km 平均勾配:2.2% 獲得標高:2098m
スタート間もなく、日本百名山のひとつ谷川岳を望むみなかみ町にある谷川岳八景の一つがある。その後もビューポイントが点在。後半の望郷ラインという道沿いにあるビューポイントからは、「日本一美しい」と言われる河岸段丘を望める、絶景コースだ。
【2日目】
武尊山upコース 90km
距離:89.5km 平均勾配:2.5% 獲得標高:2262m
スタートからゴールまで繰り返されるアップダウンは、変態クライマーでもキツい。でもアップダウンを繰り返しながら山道から見える眺望が、先に進む気力を後押ししてくれることも間違いない。後半の難所攻略のためにも、ゆとりのあるペース配分が重要だ。
至仏山upコース 110km
距離:108.9km 平均勾配:2.3% 獲得標高:2582m
スタート後25km地点の奈良俣ダムから40km地点まで、標高差900m近くを上り続けるビッグクライムを堪能。利根川源流を含め、湖や渓谷の美しさは随一。しかし11月~5月までは冬期閉鎖される道路を通り、降雪もあるため事前の情報収集はしっかりと!
【3日目】
日光白根山upコース 125km
距離:126.5km 平均勾配:2.1% 獲得標高:2702m
距離、獲得標高ともに、利根沼田5コースで一番。走り出しの2本のヒルクライムは、体力、気力ともに、削られる。しかし後半はアップダウンがあるものの下り基調。交通量の少ない農道を走る展望の丘付近は、スピードも出て開けた景色にワクワクするポイント。
しかしチャレンジ達成は、阻まれた……。
さて、3日で10,000upにチャレンジ。今回集まったサイクリストの面々であれば、待ち構えるビッグクライムも、延々と続くアップダウンも攻略。しっかり達成できるポテンシャルを装備していたのだが、思わぬ難敵が現われた!
台風である。その影響は1日目から出て、曰く「デスライド!」と称するホワイトアウトして見通しも利かない霧や降雨だったが、どうにか完走。しかし2日目は台風の影響がさらに大きくなる予報が出ていたので中止に。
でも、雨が上がると有志メンバーで、約78kmのヒルクライムに行ったそう・・・・・・
そして3日目は、日光白根山upコース 125kmからの武尊山upコース 90kmの2本!合計距離は216km、獲得標高は4867mだった。
武尊山upコースは、設定されたスタート地点とは異なる場所から接続、しかししっかりと一周したために、最後に県立森林公園21世紀の森への約4kmで400mアップ、斜度10%の坂が続き、参加者全員がボロボロに。
それでも「変態クライマー」さんたちは、見事に全員走破。
2日間で、距離388km、獲得標高9,000mを達成した。3日間で10,000UPよりも、むしろ難易度の高いチャレンジといえる。
「景色がサイコーだった」、「このメンバーで走れてよかった」と、みなさん興奮を抑えられない喜びと満足感にあふれた表情が印象的だった。
チャレンジャーと思い出の一枚
安全を守りながらも、ときにタイムトライアル的な走りで楽しんだ10,000UPチャレンジの参加者。それぞれがチャレンジ中に撮影した、思い出の一場面を教えてもらった。
にんにんさん
YouTube『にんにんサイクル』チャンネルの管理人。山が好きなヒルクライマー。最後のヒルクライムで出し切ったため、表情に疲労がにじんでいますが……。
思い出のシーンは、
「3日目は、ようやく快晴。丸沼高原まで本気のTTをしてSTRAVAのランキングにも入ったのですが、一緒に走った筧五郎さんと『お互い頑張ったね〜』と、疲労困憊の中でも充実していた瞬間です」
おーにしさん
いつもはひとりか妻とふたり、多くてもチームの仲間と3人でのライドが中心。だから今回のように大勢で話ながらワチャワチャと高速ロングをできたのは、楽しかったそう。
思い出のシーンは、
「1日目の朝、後輪のスルーアクスルを忘れてしまったことに気が付きました。スタートを諦めかけたとき、チャレンジとは別で沼田付近をライド予定だった妻が悪天でホテルにいて、妻の自転車を借りてスタートできました。
写真は、3日目のチャレンジ中、サイクリングしていた妻と偶然道の駅で出会った際に、サポートカーをバックに撮っていただいたものです。メンバーだけでなく、妻とサポートの方々にはとてもお世話になりました!」
ユウタさん
参加メンバーの強さ、ペースの速さに驚いたと言いつつ、しっかり完走した、ヒルクライム好き。
思い出のシーンは、
「1日目のホワイトアウトした雨のなかをみんなで走り切れたのは、よい経験です。だから、このシーンが一番思い出に残っています!」
鈴なり妖怪 鈴さん
YouTube『あたおかロングライダーズ』で、誰かがやっていないようなあたまおかしい(あたおか)ロングライドを投稿。しかし10,000UP完走の秘訣は、ムリしないことだそう。
思い出のシーンは、
「2日目に、有志で集まってライドに行った時です! 非公式ライドでありながら、有志で山登りに行くあたり、自転車愛を感じました。参加メンバーのうち、2人がいなくて寂しかったので合成してます笑」
みっちゃんさん
兵庫県姫路市から参加。群馬の自然の大きさ、スケール感、山のいろいろな表情に触れ、ツラさを忘れて走れたそう。
思い出のシーンは、
「3日目の朝、片品村へと向かう最初の峠の登りの写真です。この写真の色合いも好きですが、いよいよ最終日をスタートして、最初の上りを走りながら、少しずつみんなの緊張感がほぐれて行くときの感じが、とてもよかったです」
まさとぅ-さん
アドベンチャー要素の濃くて、四方が常に山に囲まれているなかでのライドが最高だったそう。走り切れたのは一緒に上る仲間がいて、達成するぞ! という意思を強く持てたからという。
思い出のシーンは、
「3日目に参加者の一人であるカツアキさんのバイクのシフトワイヤーが切れたトラブルを参加者同士で解決し助け合っているシーンです。
今回のイベントではみな走力としては完走できる人達だと思ったので、トラブルによるリタイヤが出ないよう予備パーツを持ってきたのですが、それが役立ちました。トラブルが起きたときに助け合うことで団結力が生まれ、仲間意識が高まったので、結果としてよかったです」
じゅんちゃんさん
大阪からの参加で、普段は箕面あたりを走っているそう。関東の人たちと走って刺激をもらい、TTしながら走ったのも楽しかったという。
思い出のシーンは、
「全てが思い出深い一瞬一瞬でした。そのなかで特に忘れられないのが、最終日。最後の県立森林公園21世紀の森の長い坂を上りきったときです。みなさんと挑戦を讃え合うよう笑顔が、印象的です」
カツアキさん
これくらいのライドは「しょっちゅうやっている」と余裕。最後のヒルクライムは、文句を言いながらも「よかった!」そう。
思い出のシーンは、
「ベタですがやはりこのシーンになります。全員無事完走直後の記念写真。みんなの達成感と自信が見える表情と一体感が、一番表れていると思います」
以上8名が1日目と3日目を走破した8名。
でも3日目だけ参加したサイクリストもいました。
ジョンさん
鳥人間コンテストの人力飛行機のパイロットもしていて、ヒルクライムとパイロットは、体重は軽く、でもパワーが必要な点でよく似ているそう。
最後はヘバってましたが、他のメンバーに対して「2日目でこれかよ」と、その体力のハンパなさに驚いていました。
そしてもうひとり、
篠さん
舗装も未舗装も走る山好きサイクリストでさまざまなメディアで活躍中。今回は10,000UP公式チャレンジャーとして参加していました。
思い出のシーンは、なんと
じゅんちゃんさんと同じ、県立森林公園21世紀の森の坂を上りきったシーン。
「最後の難関をクリアして、ホッとした表情、様子が印象に残りました」
ここまで読んだら、当然チャレンジ!
今回の3日で10,000UPに挑むチャレンジは、これを読んでいるアナタにも是非挑戦してほしい! しかし3日に限らず、今年11月20日(日)までに日光白根山、至仏山、武尊山、谷川岳、赤城山の5つのコースを走破するキャンペーンも実施中。
その名も「ツール・ド×10,000UP in Gunma」。1つのコースを走破するごとに走破の証となる木製メダル、さらに5コースを走破し、10,000UPを達成した方には、10,000UPマスタートロフィーが贈呈されるそう。
詳しくは、下記を読んでください。
今年はもう日にちがないので、晴れたら、利根沼田を走り出そう!