魅力詰まる阿蘇の大地で開催 阿蘇くじゅうサイクルフェス2022
目次
大分県と熊本県にまたがる阿蘇くじゅう国立公園を舞台に阿蘇くじゅうサイクルフェスが開催された。
大分県に拠点を置く地域密着型チーム『スパークルおおいた』が旗振り役となり、地元地銀や支援者、ガイドなどを営むメンバーが支えるアットホームなイベントの模様をお伝えする。
阿蘇くじゅうを走り尽くす2日間
やまなみハイウェイ沿いに広がる瀬の本レストハウスは、飲食店、キャンプ場、土産物店、ガソリンスタンドなどが揃う地域の拠点の一つ。
阿蘇が誇る牧野ライドの出発点の1つでもある施設が今回のメイン会場だ。
瀬の本を発着点とし1日目はフリーライド、2日目はグループライドが行われた。
フリーライドではトレジャーハントと銘打ち、事前に設定されたポイントをめぐるスタンプラリー方式が取られた。
限られた時間内でより多くポイントの獲得ができるよう参加者は各々ルート選びも楽しみの1つ。
基本的には1か所1ポイントではあるが、シークレット倍点箇所が用意されたことが参加者には事前に伝えられどこが倍点なのかを予想しながらのルート設定がさらに盛り上がりをつくったように思える。
またポイントに設定された場所は、景色が良い場所やオススメ施設などがありそれは阿蘇の大地が育むまさに宝のような存在。
天空の道、やまなみハイウェイやミルクロードでの走行環境も含めまさにトレジャーハントであった。
立ち寄り施設において、ワインやチーズなどを購入し自宅などに送る参加者の姿も見られた。
獲得ポイント上位者には応じて賞品授与が送られたが、ほとんどの参加者に行き渡る充実っぷり。
走力に左右されず、どの層にも行き届く心遣いが嬉しい。
2日目は味付けを完全に変えたグループライド形式。
走る舞台は同じだが先導がいるためルートなど気にする必要がなく、絶景をより楽しみながらライドができる。
各グループでリーダーを務めるのは、イベントの中心でもあるスパークルおおいたの現役選手と地元でガイドを営むメンバー。
ゲストガイドも参加し、手厚いサポート体制で安心ライドが提供された。
グループリーダーは当日までわからない為、そのドキドキもたまらない。
どのグループでもそれぞれ盛り上がりを見せ、濃密な時間が過ごせたのはオフシーズンのイベントならではである。
推し選手先導のグループに入れたファンは特に最高な時間を過ごせただろう。
2日とも初心者から上級者まで楽しめるコースが設定されており、eバイクをレンタルして走行することも可能だ。
本当のメインは食!?
参加者の中には去年食べたパエリアが食べたくて……と参加理由を話す方もちらほら。
メイン会場の瀬の本レストハウスには、グランピングテントが設置され参加者が迎え入れられた。
1日目のライド後には会場において、豪華な食事が振る舞われるのがこのイベントの特徴だ。
地元食材を中心とした料理達が癒しとなる。
食後にはスパークルの選手が淹れるコーヒーも振る舞われ、至れり尽くせり。
その食事の魅力は大きく、スパークルのライバルチームの一つ『レバンテフジ静岡』が参加者を募りツアーを実施するほど。
阿蘇くじゅうサイクルフェスの“食事パート”のみ参加の、全く別の企画は静岡空港と熊本空港を結ぶFDAフジドリームエアラインを活用し1泊2日、会場滞在2時間の弾丸ツアー。
食事と走行環境で満足度の高いツアーを成功させたようだ。
新しいことに挑戦し続けたい
イベントの旗振り役、スパークルおおいた。
自転車チームの仕事はレースを走ること、それに向けたトレーニングがメインだ。
それはもちろん重要だが、地域でのアピールも欠かせない。
まだまだ発展途中の国内自転車競技では、ファンを増やすことや自転車に興味を持つ人を増やすことも、選手やチームにとって大きな仕事である。
今イベントにおいては、スパークルおおいたへの応援がきっかけで自転車に興味を持った参加者が多数見られた。
初めてスポーツバイクに乗る人も多く、自転車普及活動の1つとして地域密着型チームが果たす役割も大きいと感じた。
チーム(地域)の垣根を越えイベントを企画することで、スポーツと観光のつながりも強くなる。
さらに選手がイベントを企画から運営までするスタイルはなかなか珍しい。
『新しいことをしていきたい』と常に言うのはスパークルの黒枝美樹監督。
選手のセカンドキャリアのことも考え選手主導で動けるチームはなかなかない。
阿蘇くじゅうというフィールドと人を楽しませたいという思いが最高の天気を呼び込んだ
サイクルイベント、今から来年の開催も楽しみだ。
九州の屋根 やまなみハイウェイ
大分県別府と熊本県阿蘇をつなぐ、『やまなみハイウェイ』。阿蘇くじゅう連山を中心としたルートは湯布院などの観光地やGEOサイト、雄大な自然環境など飽きないコース設定だ。最寄りの大分空港や熊本空港を利用することで関東から日帰りでも楽しむこともできる。おすすめは2泊3日で温泉や食、お酒などライド以外の楽しみが待っている。
地域:九州
距離:125km
標高差:2500m
最大標高:1300m
アクセス:JR別府駅・熊本空港