BMCの最新TTバイク「スピードマシン」発表
目次
BMCのトライアスロン/TTバイクが、カテゴリー誕生から20年目という節目の年にTimemachine(タイムマシン)シリーズからSpeedmachine(スピードマシン)シリーズへと進化した。
F1マシンなど他のスピード競技で活躍しているRed Bull Advanced Technologiesとの共同開発を試み、ライダー、バイク、そして走行環境のインテグレーション化を図り、風洞実験や一流ライダーによるライドなど可能な限りのテストを繰り返し、3代目を凌駕する今まで以上の空力と重量、コントロール性能の最速バイクへと更なる発展を遂げた。
どんな状況でも、どんなコースでもロードバイクと同じ感覚でエアロポジションが取れる最強バイク、それが「Speedmachine」。日本国内では、Speedmachine 01 Twoとフレームセットの2モデルを発売予定。
レッドブル・アドバンスト・テクノロジーズとの共同開発
Red Bull Advanced Technologiesとの共同開発は、トライアスロン/TTバイク設計を根本的に見直すことからスタートした。
BMC Impec Lab開発チームは、業界をリードするであろうベースとなる新しいアイデアを持ち込み、レッドブルのハイスペックな研究開発能力を最大限に活用し、データ検証を行った。 平均速度時速250km近くで戦うF1の世界のテクノロジーや質量シミュレーション、数値流体力学解析、風洞検証などの研究能力は可能性の限界を押しあげ、イノベーションに対して妥協のない新バイクの開発アプローチが共同開発によって実現した。
アスリートからのフィードバック
TTレースやトライアスロン、様々なコースや地形で戦うアスリートにとっては、バイクへの信頼性とコントロール性は最も重要なファクター。言葉では表現しにくい「Xファクター」とでも言うべきものが見つかった際、自分の限界を突破できるステップへとつながる。
F1ライダーたちは、「マシンと相性がいいと、曲がりたいときにマシンが先に曲がり始める」と表現する。BMCもそんなライダーとバイクが一体化するようなマシーンを求めた。
Speedmachineは、究極の安定性と確実性を実現するために徹底的に最適化されている。下りやコーナー、ちょっとした段差ごとにベースバーへの持ち直しをしていたら、フレームのエアロ効果を高めても意味がない。あらゆる場面でも、エアロポジションをキープし、次のために体力温存できるよう再設計し、天候、地形、ホイールの選択に関係なくライダーを次へとつなげるスピードを生み出す。
安定性やハンドリングの向上
基本的にトライアスロン/TTバイクは、乗り心地の安定性や快適性を犠牲にした窮屈なポジションからスピードを生み出すものが一般的であった。しかしImpec Lab のエンジニアは、その考えを破り捨てた。
Speedmachineに採用された新しいステアリングジオメトリーは、DHバーの重量配分を最適化することで、エアロポジションをより長く維持し、より速く走行でき、そして翌日のレース/トランジションエリアまで体力を温存しながら、到着することを可能にした。
▪️革新的なステアリングジオメトリーにより、エアロポジション時の安定性とコントロール性が向上。
▪️最適化された重量配分により、ライダーはハイスピード中でも自然により真っ直ぐできれいなラインを保つことができる。
▪️再設計されたチューブの形状により、より多様な条件におけるコントロール性が向上。
デザイン/重量/剛性
Speedmachineは先代のTimemachineの優れた剛性を引き継ぎながらも、エアロダイナミックスの向上や軽量化を進めなければならなかった。そんな困難なチャレンジを、BMC Impec LabとRed Bullは試行錯誤しながら進めていった。
空力効率を最適化するバイクを設計する際には、気流の制御が重要。そのため、あらゆるチューブ形状と幅広いフォークスタンスが、あらゆるヨー角での空気抵抗の低減に貢献する。F1カーからインスピレーションを得た革新的なSharkFinフロントフォークスポイラーから、フレーム周囲の空気を浄化する最先端のデザインのチューブ形状まで、Speedmachineの空力哲学はスピードと安定性の完璧な調和。
もちろん、重量や剛性も重要。Timemachineよりも0.5kg軽く、同じ剛性を達成するのは簡単ではなかったが、Speedmachineを次のレベルに引き上げるには必要であった。勾配や距離に関係なく、ライダーの努力を瞬時に前進する勢いに変換する。
▪️フォークスポイラーは、前輪によって発生する乱気流を一掃し、空気抵抗を最適化する。
▪️フォーククリアランスの増加により、より幅広のタイヤとリムが可能になる。
▪️最適化されたディスクブレーキ専用設計。
▪️T47 ボトムブラケットは、前方エリアの面積を抑えながら比類のないパワー伝達を実現。
▪️エアロ効果を最大限に高めるために設計されたスルーアクスルフェアリングキャップ。
新しいシェープのシャークフィン
新しいシェープの幅広な翼型フォークとシャークフィンが連携してバイクをより速く、より効率的にする。シャークフィンはF1マシンからインスピレーションを得たもので、より速く走るための重要なピース。乱れた気流をダウンチューブから遠ざけ、空気抵抗を減らすことでエアロダイナミクスが向上し、より速く走れるようになった。
Impec Lab チームはRed Bull Advanced Technologiesと緊密に連携して、スピードを追求するバイクを開発した結果は、一見すると小さくて目に見えないかもしれないが、そこには世界最速のバイクを作るというBMCの情熱と魂が込められている。
各部のインテグレーション化
Speedmachineの設計には、より多くの収納スペースの確保とそれらのインテグレーション化にも十分に気を配った。もちろん、使いやすさもアップしている。
▪️The Speedmachine Fueltank 1200は、マックス1.2Lの水分を確保し、簡単に補充や洗浄ができ、そしてフレーム下部へシームレスに収めた。そのことで、重心をさらに下へ下げ、ハンドリングやバランスを安定させた。
▪️給水ストローをフレームに内蔵し、空気抵抗を減らしながらもエアロポジション中でも容易に給水できるようになっている。
▪️Speedmachine Rear Storage 260はレース当日に必要なスペアパーツ類を収納でき、簡単に出し入れができる。また、エアロダイナミックスを損なわないようなロケーションとなっている。
▪️BMC Rear Light 20 StVOは、RearStorage260と一体化するデザインで空気抵抗を抑える。20ルーメンの強力LED は視認性を高め、ライダーの安全を守る。
▪️トップチューブにもマウントを搭載。補給食など取りやすい位置にボルトオン式のトップチューブバッグが付けられる。
スピードマシン2モデル
Speedmachine 01 TWO
予定価格:191万4000円
SRAM Force eTap AXS
DT Swiss ARC 1650
Speedmachine 01 Module
予定フレームセット価格:122万6500円
※入荷時期:2024年夏頃(予定)