スラム・メイブン新型4ポッドディスクブレーキ

2024.02.26
新製品

スラムがMTBのダウンヒル向けの新型ディスクブレーキキャリパー「MAVEN（メイブン）」を発表した。スラムには「コード」というダウンヒルをターゲットにしたモデルが存在するが、メイブンはレバー動作への応答性やコントロール性も確保しつつ、コードと比較して制動力が50%もアップしている。

メイブンは、スラムが作ってきた中で最もパワフルなブレーキだという。また、コードよりも制動力が50%高いだけでなく、コードと同じ制動力を発生させるのにレバーへの入力が32％軽くなっているので、疲労を軽減しコントロール性を高める。キャリパーには19.5mm＋18mm径のピストンを搭載し、パッドに対してより大きな力を与え、より少ない労力でより大きな摩擦を生み出す。レバー内のピストンサイズは、このキャリパーピストンの大きさに合わせて比率が最適化されている。さらに、ローターのサイズやパッドの材質の組み合わせを変更すれば、天候やコースに合わせた幅広いチューニングができる。

ローターサイズを20mm大きくすると制動力が14％上がるという

熱はブレーキの大敵だというのは誤解であり、必要不可欠なものだとスラムは言う。ブレーキがパワフルで安定したものであるためには、システム内に十分な熱を保持しなければならないが、温度の急激な変動は避けなければならない。メイブンのピストンシールには、極端な制動熱や低い大気温度に関係なく気密性を維持する特性を持つ独自の材料を使用している。キャリパーは、最適な作動温度を長時間維持することで、より高いパフォーマンスの一貫性を提供する。熱質量が大きくなるように設計されているため、加熱に時間がかかり、余分な熱を抑えながら、最適な熱を保持し、急速に冷えすぎることがない。また、キャリパーボディには2本の目立たないヒートダクトが設けられており、ブレーキ面の熱を逃がす。長時間のハードなブレーキングの際に、さらにパワーをフルに発揮する場面で極限状態になったときの温度を均一化する。

キャリパーを固定する4本のボルトは、キャリパーのパワーロスを防ぎ、安定したブレーキフィーリングをもたらす

制動力を発揮するのに必要な剛性を実現するため、ブレーキパッドは下から荷重が掛かる

ラインナップは、チタンキャリパーの「アルティメイト」、ブラックアルマイトで仕上げられたステンレスの「シルバー」、ダークポーラーアルマイト仕上げの「ブロンズ」の3つのグレード。レッドスプラッシュアルマイト仕上げのブレーキキャリパー、HS2ローター、ブレーキパッド等をセットにした、遠征にも便利なローターキャリングケースが付属する限定キットも発売される。