おすすめグラベルロードインプレシリーズ⑧“ベスビー・JGR1.1”編
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スポーツ自転車のジャンルとして確立された感があるグラベル&アドベンチャーバイク。その実態は多様で、モデルごとに独自の世界観を感じさせる。どれが優れているかというよりも、どれが自分の用途にふさわしいかという視点が求められる。ここでは、「グラベルバイクを遊びつくす!」編集長の田村浩と、「サイクルスポーツ」編集部の江里口恭平が、ベスビーのeバイク「JGR1.1」の実走インプレをお届けする。
BESV JGR1.1
ベスビー・JGR1.1
完成車価格/46万8000円
問・ベスビージャパン
ヨーロッパデザインの流麗なシルエットをまとったeグラベルバイク
eバイクのトップブランドとして、小径車タイプからMTBまで多様なモデルをラインナップする「ベスビー」。2021年にはeグラベルバイクであるJG1を発売し、今も好評だ。新たに登場したJGR1.1は、ヨーロッパデザインを採用した流麗なアルミフレームが特徴的なハイグレードモデル。より大容量になったバッテリーは内蔵タイプとなり、フレーム全体の軽量化と剛性アップを実現しつつ、自転車としての美しいフォルムを獲得している。電源のオンオフやアシストモード切り替えをボタンひとつで操作できる新型インターフェイスユニットを採用し、ハンドル周りはシンプル。ワイヤー類をステムからフレーム内に導くことで、スマートなシルエットに仕上がっている。カーボンフォークとシマノ・GRX11スピードを採用しているので、スポーツ自転車としての実力も十分だ。
モーターは250Wのリアハブ内蔵型で、滑らかで力強い加速感が特徴。ベスビーオリジナルのスマートモードを選べば、ペダルトルクに合わせて最適なアシスト力を発揮してくれるので、アップダウンに富んだ林道ツーリングで心強い。走行可能距離は、JG1の最長105kmに対してJGR1.1は最長130kmに延びている。タイヤ幅は38mmから40mmになり、より悪路に強いタフなeバイクに仕上がっている。なお、従来モデルのJG1は、JGR1.1に比べて車重が1.4kgほど軽く、価格も手頃なので、今も有力な選択肢だ。
SPEC
フレーム:アルミニウム
フレームサイズ:S、M
フォーク:カーボン
カラー:メタリックマラカイト
メインコンポーネント:シマノ・GRX
クランクセット:42T
カセット:11-42T
ブレーキ:シマノ・GRX
タイヤ:マキシス・ランブラー 700×40C
アシストモード:2アシストモード&スマートモード
バッテリー:36V10.0Ahリチウムイオンバッテリー
最大走行可能距離:130km
駆動ユニット:ベスビーオリジナル
モーター:250Wリアハブ
試乗車実測重量:17.3kg(ペダルなし)
IMPRESSION
ベスビーらしい洗練されたスタイルが印象的。フツーの自転車にしか見えず、自然と街の双方になじみます。アシスト力は滑らかで、背中をドンと押されるような加速感を好む人には物足りないかもしれませんが、ペダリングの負荷に応じて的確に力を添えてくれます。ポジションはアップライトで視界が広く、安心感があります(田村)。
リアハブ式のパワーユニットらしく、ペダリングに対するパワーユニットの反応が穏やかで自然な印象です。グラベルをガツガツ走るには物足りないシーンがあるかもしれませんが、全体としてアシストの味付けが絶妙で、長い坂も楽しく走り続けることができます。初めてのスポーツバイクとしてもすすめやすいモデルです(江里口)。
「グラベルバイクを遊びつくす!」編集長 田村浩
「グラベルバイクを遊びつくす!」などヤエスメディアムックシリーズの編集・執筆を担当するサイクリスト。スポーツ自転車歴は30年を超えるが、常にツーリングの相棒ととらえており、グラベルライドやキャンプもその一環。現在所有するグラベルバイクはジェイミス・レネゲードC2。近著に「自転車キャンプ大全」(技術評論社)。
サイクルスポーツ編集部 江里口恭平
温泉とグラベルを求めて全国を走り回るサイクルスポーツ編集部員。学生時代は自転車競技部に所属し、レーサー目線であらゆるジャンルの自転車とアイテムを評価することもできる。海外を含むグラベルイベントの実走参加経験も豊富だ。現在所有するグラベルバイクはサーヴェロ・アスペロ。
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