「アジリスト ファスト TLR」“パナレーサー試乗最速タイヤ”を試乗してみた

目次

Presented by Panaracer

日本が誇るタイヤブランド、パナレーサーが「速さとは何か?」を突き詰め、世に送り出した最高峰のプレミアムロードバイクタイヤに、チューブレスレディ仕様が新登場。その名も「AGILEST FAST TLR / アジリスト ファスト TLR」。その性能を試す。

パナレーサー・アジリスト ファスト TLR試乗インプレッション

 

「アジリスト ファスト TLR」の特徴

パナレーサーのロードバイク用タイヤ最上級モデルとして2022年に登場した「アジリスト」。それをさらに昇華させ、パナレーサー史上最小の転がり抵抗を実現するとともに高いグリップ力も両立させるという、“ロード、最速解”というテーマのもと誕生したプレミアムモデルが「アジリスト ファスト」だ。2023年の発表だった。そのときはチューブド、いわゆるクリンチャー仕様のみだったが、今作で待望のチューブレスレディ仕様が加わったのだ。

このモデル専用に開発した素材「Fマテリアル」を用いることによって、既存モデルでチューブレスレディ仕様の「アジリストTLR」よりも転がり抵抗は10%も削減されており、さらにグリップ力も向上させている。また、耐久性能も約18%向上していて、まさに全方位での進化。“単に転がり抵抗を減らすだけでなく、トータルバランスの高さも実現する”という、アジリスト ファストのコンセプトを見事にチューブレスレディ仕様でも実現しているというわけだ。さらに、リムへのはめやすさ、ビードの上がりやすさも十分に考慮された作りとのこと。

 

構造

アジリスト ファスト TLRに搭載されたテクノロジー

●アジャイル-F レイヤー
タイヤの両サイドに配されるレイヤーで、しなやかな乗り心地と空気保持性能の高さを両立させる。タイヤのセンター部分は結果的に積層が減り、転がり抵抗削減にも貢献する。

●アジャイル-F ケーシング
ケーシングは柔軟性に富み軽量な極細のコードを高密度で織り込んだもの。これにより耐久性を損なうことなく軽量化を達成。なお、アジャイルとは「機敏である」という意味。

●ZSGアジャイル-FX コンパウンド
きわめて低い転がり抵抗を実現する、チューブレスレディ用に新たに調整したコンパウンド。一方でトレッドへの異物付着も大きく軽減し、かつウェット時のグリップ改善にも貢献。

●ビードロック
リムへ簡単に装着でき、フロアポンプだけで容易にビードが上がる独自のチューブレスレディ用ビードテクノロジー。リム面によくフィットするため、空気が逃げにくい仕組み。

 

トレッド面

アジリスト ファスト TLRのトレッド面

トレッド面には溝などが設けられず、全体的に均一に見受けられるヤスリ面状のパターンが配されている。パナレーサーといえばこれ、と言えるパターンで、ここは変わらず。

 

ラインナップ

アジリスト ファスト TLRのラインナップと適合表

アジリスト ファスト TLRのラインナップと適合表。赤字の部分が設計基準となるリム内幅との組み合わせで、装着時にサイズ表記どおりのタイヤ幅となる。×印はメーカー非推奨の組み合わせで、【!】マークは危険を伴う組み合わせを示す。

アジリスト ファスト TLRのパッケージ

パッケージの様子。シリーズを象徴する「E」の文字を表現した3本のラインが、見る角度によって色や輝きを変える「ブラックレインボー」カラーとなっている。タイヤのロゴも同様の色彩を放つ

 

「アジリスト ファスト TLR」インプレッション

インプレッションライダー/平塚吉光

インプレッションライダー/平塚吉光。元プロロードレーサーで、現在はサイクリングガイドや自転車トレーナーとして活躍している。身長162㎝/体重62㎏と小柄ながら、その走りから“小さな巨人”の異名を取る

テストしたサイズと空気圧

今回テストしたサイズと空気圧の設定。全サイズを同一のホイールに装着してテスト走行した。リム内幅は近年のスタンダードと言える21㎜幅だ。全サイズとも接地面が山を描くような形状になるのが特徴的である

 

サッサッサッとキレ良くきれいに“路面からタイヤが離れる感覚”が得られ、それが気持ち良い。これによって高い転がりの軽さがもたらされている印象だ。

アジリスト ファスト TLRをインプレッション

一方で、コーナリングでバイクを倒したとたん、ねちょっとした感覚で強力にグリップが働く。急ブレーキに近い動きをしてもタイヤが滑りにくい。これは数あるタイヤの中でも相当なレベルだと思う。

アジリスト ファスト TLRをインプレッション

さらに、ダンシングや加速をするときにも強力にタイヤが地面に“かかる”感覚があり、グリップの高さがキレのある加速や力のかかる場面でプラスに働いてもいる。

淡々と直進しているときにはサーッと転がり、必要なときには強力なグリップ力が働く。その切り替えがものすごい。転がりの軽さとグリップ力の両立という、そのうたい文句はまさに真実だと言える。

25Cは上りや初速の軽さが際立ち、28Cは軽さと乗り心地の良さのベストバランス、30Cは初速と上りでの重さがやや出るものの、この幅としてはかなり走りが軽いレベルにあり、一度速度に乗せれば高い巡行能力を発揮するうえ、乗り心地は最も高い。ブルべのような長距離ライド向きで、平地オンリーのレースならこれが一番良さそう。個人的にもこれが一番好みだった。

アジリスト ファスト TLRをインプレッション

また、30Cは上の写真程度の砂利道であれば、結構スイスイと走れてしまい、万能でもある。

 

感動的なビードの上がりやすさ!

アジリスト ファスト TLRは抜群にビードが上がりやすい

フロアポンプだけでいとも簡単に上がる。入れた空気がこれはチューブドか!? と思うほど漏れていかないのだ。間違いなく世界最高レベル。ビードがリム面にぴったりくっつく構造なのがいい仕事をしているようだ。