ツール・ド・フランス2024 熱戦を支えたバイク

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手に汗を握るような熱い戦いが毎日繰り広げられた2024年のツール・ド・フランスが7月21日に幕を閉じた。
ツールの場面と共に注目機材を振り返る。

CERVELO(サーヴェロ)

ツール2024サーヴェロ

現在のプロトンの中で、最も研究熱心で、真新しい技術や機材をいち早くロードレースに導入するチームと言えばヴィスマ・リースアバイクだろう。細かいアドバンテージの積み重ねが実際にヨナス・ヴィンゲゴーによる22年と23年のツール連覇をもたらしてきた。そんなチームが採用するのがサーヴェロのS5とR5。コース特性に合わせて両バイクを乗り分けたヴィンゲゴーは、惜しくも3連覇を逃したが、大怪我から僅か3か月足らずで復活を遂げ、総合2位に入っている。
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ORBEA(オルベア)

ツール2024オルベア

逃げに乗ってステージ優勝を狙いたい選手が矢継ぎ早にアタックを仕掛けるのが大会終盤の中級山岳ステージ。まさに逃げ向きの第18ステージでロット・デスティニーのヴィクトール・カンペナールツが「逃げ屋」としての真価を発揮した。平均スピードが平気で時速50kmを超え、ステージ全体の中で最も高強度とも言われるアタック合戦では当然バイクのエアロ性能がものをいう。特徴的なブラケットの角度やビッグチェーンリングを試すなど、機材選びに人一倍こだわりがあることで有名なカンペナールツはオルベアのオルカエアロを駆って逃げグループへのチケットを掴み、三つ巴のスプリントで涙のツールステージ初優勝を手にした。
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PINARELLO(ピナレロ)

ツール2024ピナレロバイク

ツールに合わせるように、大会の開幕1週間前に正式ローンチされたピナレロのドグマF。ピナレロはバイクカテゴリーを細分化することなくレーシングバイク一モデル体制を貫いており、勝つためのバランスを追求したバイクを生み出してきた。バイク開発にも携わったイネオス グレナディアズの中で総合エースを担ったカルロス・ロドリゲスはこの新型ドグマFを駆って総合7位。23歳のオールラウンダーは2年連続総合上位フィニッシュを果たしている。18年にツールの総合優勝を果たしたゲラント・トーマスは、チームキャプテンとしてロドリゲスら若手を支えながら、自身も逃げに乗ってステージ優勝を果敢に狙った。
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