韓国発 サイクルコンピュータ「トリム」って知ってる? 実機をチェック
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高機能化が進むサイクルコンピュータ。その市場に、韓国メーカーの「トリム」が、軽さ、シンプルさがウリのモデルを発表した。同社の製品は、2022年にクラウドファンディングサイトで「ローリン」というモデルが掲載されたのが、日本向け製品の第一弾だった。当時は575万円以上を集める結果となるほど注目を集めていた。
紹介するのは、ラインナップの最上位機種「ツー」。今年のユーロバイクで情報解禁されたモデルだ。アルミケースに守られた本体は、IP67クラスの耐水性能、3.2インチディスプレイを備える。ディスプレイはキズにつよいゴリラグラスを採用。アルミケースは2本のボルトで固定されているので、フレームの色に合わせて着せ替えできる。ケースはシルバー、チタン、レッド、ブラックの4色展開。本体の厚みが9.6mm(マウント部除く)とスマホ並みに薄いので、装着時の見た目がすっきりとしているのも魅力だ。
トリム・ツーはスマートな見た目と軽さが魅力
トリム・ツー本体だけでもGPSアンテナを内蔵しているので、サイクルコンピュータとして機能するが、スマートフォンのアプリを頭脳としたミラーリングディスプレイとしても使うことができる。
機能を割り切っている分、3.2インチモノクロディスプレイ搭載の本体重量は74gと軽量でランタイムも最長で34時間となっている。ちなみにガーミンのハイエンド機「エッジ1050」のスペックを見てみると3.5インチ液晶、161g、可動時間は最長60時間。
ツー本体の操作は、ディスプレイの下にある3つのハードキーで行う。電源のオンオフと、ページ切り替え、ライドログのスタートストップが操作できる。それ以上の機能の操作はスマホのアプリで行う。
日中のサイクリングが中心で、軽くて、データ項目はシンプルで十分。ハンドルまわりを煩雑にしたくないが、ナビは欲しいというユーザーの選択肢になるアイテムだ。
データ項目は?
表示できるデータ項目はスピード、距離、高度、ケイデンス、心拍数、パワー、ギヤ、カロリー、時間、ラップ、ナビと一通り網羅している。開封直後のデフォルトで登録されているデーター画面は、これらのデータが組み合わされたデータフィールドが潤沢に用意されているので、必要なものを整理してから使おう。
ナビ機能は、スマホアプリで設定
サイクリングで道に迷う不安からは誰しも解放されたい(時にそれは魅力だけど)。トリムのコース設定は、スマホの専用アプリで行う。地図と検索フォームはGoogleを使っているので、スマホで経路を調べるのと同じ感覚でルートを設定することができる。
「スマホのアプリでも事足りるのでは?」と思うかもしれないが、汗や衝撃でスマホにダメージを与えてしまうリスクがある。そんなユーザーが、本格的なサイクルコンピュータデビューするならトリムはおすすめだ。
画面にある「出発地」、「経由地」、「目的地」をタップした後、場所を検索して指定する。
また、マップ右上にある自転車アイコンをタップすると、3つのモードが用意されている。 アップダウンが少ない舗装された道を案内するコミューターバイクバージョン、多少のアップダウンがあり、舗装された道を案内するロードバイクバージョン、アップダウンや舗装/未舗装関係なくルートを案内するMTBバージョンと右上の自転車アイコンで選択可能。 同じ目的地でも、選択によって多少ルートが変わってくる。
大阪「勝尾寺」までサイクリング
実際にアプリからコースを作成して、サイクリングしてみた。場所は大阪。東京に住む筆者としては土地勘がないエリアなので、まさにサイコン頼み。都心の大阪城周辺からスタートして、目指すは「勝尾寺」。大阪北部にある、サイクリストに人気の目的地である。26kmちょっとの行程だ。
大阪中心部から淀川を渡って北上する。車なら御堂筋を一気に北上するルートを案内されるところだが、そこは自転車用ナビらしく、都心は大通りを外したルートを案内してくれた。初見の私には迷わずに走るのは難しいルートだったが、編集部の大阪出身者に見せたところ「ははあ、なるほど」と、納得の様子だった。ただ「都心は大川沿いを通ったほうがいい」との指摘もあったが、土地勘のない私自身は満足できるルートだった。
スマホのアプリと接続した状態でナビ機能を使うと、アプリから音声案内(ちょっと日本語が変だけど)も流れるので、骨伝導フォンを使えば、より聞き取りやすいはず。
将来的にはより可動時間を伸ばしたいユーザー向けに、外付けのソーラー充電システムもリリースされる予定。
販売予定価格/4万3780円
重量/74g
サイズ/55.6×100×12.6mm(マウント含む)
発売予定/2024年10月頃