韓国発 サイクルコンピュータ「トリム」って知ってる? 実機をチェック
目次
高機能化が進むサイクルコンピュータ。その市場に、韓国メーカーの「トリム」が、軽さ、シンプルさがウリのモデルを発表した。同社の製品は、2022年にクラウドファンディングサイトで「ローリン」というモデルが掲載されたのが、日本向け製品の第一弾だった。当時は575万円以上を集める結果となるほど注目を集めていた。
![トリム・ツー](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-7.jpg)
韓国メーカー「トリム」の、最上位機種「ツー」
紹介するのは、ラインナップの最上位機種「ツー」。今年のユーロバイクで情報解禁されたモデルだ。アルミケースに守られた本体は、IP67クラスの耐水性能、3.2インチディスプレイを備える。ディスプレイはキズにつよいゴリラグラスを採用。アルミケースは2本のボルトで固定されているので、フレームの色に合わせて着せ替えできる。ケースはシルバー、チタン、レッド、ブラックの4色展開。本体の厚みが9.6mm(マウント部除く)とスマホ並みに薄いので、装着時の見た目がすっきりとしているのも魅力だ。
![付属するスピードセンサーとケイデンスセンサー](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-6.jpg)
付属するスピードセンサーとケイデンスセンサー。他にもハンドルマウント、落下防止のストラップ、Type-C充電ケーブル
![トリム・ツーのアルミケース](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-1.jpg)
本体外側のアルミケースは交換可能で、バイクの色に合わせてコーディネートできる
トリム・ツーはスマートな見た目と軽さが魅力
トリム・ツー本体だけでもGPSアンテナを内蔵しているので、サイクルコンピュータとして機能するが、スマートフォンのアプリを頭脳としたミラーリングディスプレイとしても使うことができる。
機能を割り切っている分、3.2インチモノクロディスプレイ搭載の本体重量は74gと軽量でランタイムも最長で34時間となっている。ちなみにガーミンのハイエンド機「エッジ1050」のスペックを見てみると3.5インチ液晶、161g、可動時間は最長60時間。
ツー本体の操作は、ディスプレイの下にある3つのハードキーで行う。電源のオンオフと、ページ切り替え、ライドログのスタートストップが操作できる。それ以上の機能の操作はスマホのアプリで行う。
日中のサイクリングが中心で、軽くて、データ項目はシンプルで十分。ハンドルまわりを煩雑にしたくないが、ナビは欲しいというユーザーの選択肢になるアイテムだ。
![トリム・ツー](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-8.jpg)
ナビゲーション中は、地図のほかターンバイターンの指示も出る。スマホのアプリと連携していれば音声案内も利用できる
![トリム・ツー標高プロフィールマップ](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-9.jpg)
上り区間に入ったら、プロフィールマップ画面に切り替えた。この先の勾配変化を知ることができる
![トリム・ツー。スマホと連携せずに使用可能](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-4.jpg)
スマートフォンアプリと連携せずとも使用できるが、アプリと常時接続することを前提としている仕様に思える
データ項目は?
表示できるデータ項目はスピード、距離、高度、ケイデンス、心拍数、パワー、ギヤ、カロリー、時間、ラップ、ナビと一通り網羅している。開封直後のデフォルトで登録されているデーター画面は、これらのデータが組み合わされたデータフィールドが潤沢に用意されているので、必要なものを整理してから使おう。
![トリム・ツーメニュー画面](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-16.jpg)
本体に表示させる項目の設定画面。データ項目は必要十分
![トリム・ツー](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-17.jpg)
どのデータ項目を組み合わせるかもカスタムできる
ナビ機能は、スマホアプリで設定
サイクリングで道に迷う不安からは誰しも解放されたい(時にそれは魅力だけど)。トリムのコース設定は、スマホの専用アプリで行う。地図と検索フォームはGoogleを使っているので、スマホで経路を調べるのと同じ感覚でルートを設定することができる。
「スマホのアプリでも事足りるのでは?」と思うかもしれないが、汗や衝撃でスマホにダメージを与えてしまうリスクがある。そんなユーザーが、本格的なサイクルコンピュータデビューするならトリムはおすすめだ。
![トリム・ツー](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-15.jpg)
検索エンジンはGoogleなので、普段webで検索するように目的地を探すことが可能
![トリム・ツー](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-12.jpg)
スマホアプリのルート検索画面
![トリム・ツー](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-13.jpg)
スタート地点と目的地を入力すると、サイクリングに適したルートを示す。途中の勾配変化もわかる
![トリム・ツー](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-14.jpg)
幹線道路を外す、独自のアルゴリズムでルートを決めているようだ
画面にある「出発地」、「経由地」、「目的地」をタップした後、場所を検索して指定する。
![トリム・ツー](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-23.jpg)
ロードバイクバージョン
![トリム・ツー](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-22.jpg)
コミューターバイクバージョン
![トリム・ツー](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-24.jpg)
MTBバージョン
また、マップ右上にある自転車アイコンをタップすると、3つのモードが用意されている。 アップダウンが少ない舗装された道を案内するコミューターバイクバージョン、多少のアップダウンがあり、舗装された道を案内するロードバイクバージョン、アップダウンや舗装/未舗装関係なくルートを案内するMTBバージョンと右上の自転車アイコンで選択可能。 同じ目的地でも、選択によって多少ルートが変わってくる。
![トリム・ツー](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-19.jpg)
スマホと接続せずに使用する場合は、地図データをダウンロードする必要がある。一番範囲を広くした場合は200km四方程度か
![トリム・ツー](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-18.jpg)
走行データをアップロードできる外部サービスの一覧
大阪「勝尾寺」までサイクリング
実際にアプリからコースを作成して、サイクリングしてみた。場所は大阪。東京に住む筆者としては土地勘がないエリアなので、まさにサイコン頼み。都心の大阪城周辺からスタートして、目指すは「勝尾寺」。大阪北部にある、サイクリストに人気の目的地である。26kmちょっとの行程だ。
![トリム・ツー勝尾寺だるま](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-11.jpg)
だるまさんがたくさん
![トリム・ツー](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-20.jpg)
大阪都心から勝尾寺までのルート
![トリム・ツー](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-21.jpg)
幹線道路をよけたルートだ
大阪中心部から淀川を渡って北上する。車なら御堂筋を一気に北上するルートを案内されるところだが、そこは自転車用ナビらしく、都心は大通りを外したルートを案内してくれた。初見の私には迷わずに走るのは難しいルートだったが、編集部の大阪出身者に見せたところ「ははあ、なるほど」と、納得の様子だった。ただ「都心は大川沿いを通ったほうがいい」との指摘もあったが、土地勘のない私自身は満足できるルートだった。
![トリム・ツー](https://cdn-img.cyclesports.jp/wp-content/uploads/2024/08/2024trimm-10.jpg)
大阪箕面の定番サイクリングスポット勝尾寺に無事到着
スマホのアプリと接続した状態でナビ機能を使うと、アプリから音声案内(ちょっと日本語が変だけど)も流れるので、骨伝導フォンを使えば、より聞き取りやすいはず。
将来的にはより可動時間を伸ばしたいユーザー向けに、外付けのソーラー充電システムもリリースされる予定。
販売予定価格/4万3780円
重量/74g
サイズ/55.6×100×12.6mm(マウント含む)
発売予定/2024年10月頃