SHOEIがBMXレース用フルフェイスヘルメットを発表 MTBでも使用可能
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モーターサイクル用ヘルメットでは世界ナンバーワンのシェアを持つ日本のSHOEIから、BMXレース用のフルフェイスヘルメット「X-GRID(クロスグリッド)」が登場。軽量で通気性に優れており、自分の頭部形状に合わせてフィッティングが可能だ。MTB用としても使用可能となっている。
X-GRID(クロスグリッド)の主な特徴
本製品はSHOEIがこれまで培ってきたモーターサイクルのオフロード用フルフェイスヘルメット技術を駆使し、BMXレース用として開発された。
軽さ
重量は963gと、BMXレース用としては非常に軽量に仕上がっている。1000gを切るものが最近出てきている最新のカーボン製MTBダウンヒル用フルフェイスヘルメットと比較しても、十分に軽量だと言える。
通気性の高さ
フロント側に7つ、両サイドにそれぞれ1つずつ、リヤ側に4つのベンチレーションホールが設けられ、フルフェイスヘルメットながら高い通気性を発揮する。
高いフィット感
専用の測定機器を使って頭部形状を計測し、ライダーの最適なヘルメットサイズを診断するとともに、専用のサイズ調整パッドを使ってジャストフィットする内装を提供するP.F.S.(パーソナルフィッティングシステム)を購入時に利用できる。
同社のモーターサイクル用ヘルメットでも提供されるサービスで、それがこの製品にも生かされるかたちだ。なお、モーターサイクル用ではアップチャージが必要となるが、クロスグリッドは製品価格にこのサービスが含まれており、うれしいポイントである。
周囲の音を聞き取りやすい構造
シェルの両サイドに設けられたベンチレーションホールは通気性の向上に貢献するだけでなく、周囲の音を聞き取りやすくする効果も発揮する。スタートシグナルをよく聞き取れるようにする必要があったり、周囲のライダーの気配を敏感に感じ取るためにもBMXレースにとって音は重要な要素であり、それに配慮した設計だ。
高い安全性
非常に軽量に仕上がっている一方で、高い安全性も備えている。
ヘルメット内部にはショウエイ独自の衝撃吸収機構「M.E.D.S.」を搭載。MIPSと同様に自転車特有の回転衝撃を低減する。
チンガードについてはモーターサイクル用ヘルメットと同じ衝撃テストをクリアした高い耐衝撃性を備えている。
深い前傾姿勢をとっても視界をさまたげにくいバイザー
最も上に上げた状態をスタンダードポジションとし、ライディング中に深い前傾姿勢をとっても上部の視界をさまたげないように設計されたバイザーを搭載する。
着脱のしやすいチンストラップ
ラチェット機構を採用した「マイクロラチェットチンストラップ」を搭載し、グローブをしたままでも容易にチンストラップを着脱することができる。また、キッズライダーがチンストラップの着脱に四苦八苦する様子が散見されるが、そうしたキッズライダーにとっても着脱しやすいという効果も発揮する。
X-GRID(クロスグリッド)のラインナップ
カラーはホワイト、マットブラック、TC-1(レッド/ブラック)、TC-10(シルバー/グレー)の4種類。
サイズ展開はXXS、XS、S、M、L、XLと驚きの6サイズ展開で、XXSは5歳程度から使用できるサイズだ。
価格は6万8200円で、TC-1(レッド/ブラック)、TC-10(シルバー/グレー)の2カラーについては「X-GRID DOMINATE(クロスグリッド ドミネート)」という商品名となり、7万9200円となる。
購入は「SHOEI Gallery」または公式オンラインストアから
本製品は、全国5か所(東京・横浜・大阪・京都・福岡)にあるショールームの「SHOEI Gallery」か公式オンラインストアから購入できる。
ショウエイでは、しっかりとフィッティングを行ったうえでベストなフィット感を全てのライダーに得てほしいと考えており、購入に当たっては必ずP.E.S.のフィッティングを受ける必要がある。
公式オンラインストアで購入する場合は、SHOEI Galleryまたはイベント等でP.E.S.を受け、そこで発行される診断コードが必要となる。
横浜市内で発表会を開催。契約ライダーが使用感をコメント
2024年9月4日には、横浜市内にある「SHOEI Gallery YOKOHAMA」にて発表会が行われ、クロスグリッドを使用する契約BMXレーサーも登壇した。
選手たちからは、「これまではモトクロス用ヘルメットを使用してきたが、それから比べるととにかく軽量で非常に動きやすいことに驚いた。通気性も高く快適で、内部を風が通っていくのが分かるほど」と、特にその軽さと通気性の高さを評価する声が聞かれた。
SHOEIによると、本製品は機能としてMTB(ダウンヒル、エンデューロ)用とほぼ同じのため、それ用としての使用もまったく問題ないとのこと。
前述のとおり、最新のカーボン製MTBフルフェイスヘルメットと比較しても十分に軽量であるし、ほぼ海外製品しかないうえ選択肢が少なくフィット感に悩むMTBライダーが多いことを考えると、これはMTB用としても非常に期待できるアイテムなのではないかと言える。
キッズでもかぶれるサイズから用意する豊富なサイズ展開も魅力で、かつ専用フィッティングサービス込みで6万8200円〜で購入可能と、最上位のMTB用フルフェイスヘルメットと比較してもコストパフォーマンスは非常に高い。
BMXライダーのみならず、MTBライダーにとっても注目したいアイテムと言えるだろう。