マグラの新型MTB用ディスクブレーキ「グスタフプロ」が発売
MAGURA(マグラ)が2024年6月に発表していたMTB用新型ディスクブレーキ「Gustav Pro(グスタフプロ)」が、日本国内でも正式に発売された。
マグラが初めて発売した自転車用ディスクブレーキの名称であり、創業者の名前でもあるグスタフの名を冠し、新しい機構を多数採用。eMTB用での使用を前提とした高性能ブレーキとして開発された。重量の大きなeMTBでの本格的なハードライディングにおいても、余裕をもって安定したブレーキ性能を発揮する。また、製品自体は軽量なので、eMTBだけではなくグラビティ系のペダリングバイクにおいてもその性能を活用できる。
eMTBにおいても、ペダリングバイクのときと同様の性能を安定して発揮させるために、マグラの従来製品(MTディスクブレーキ)に比して以下のような各部の強化が行われている。
- ピストン径の拡大(マスターピストン径12mm・キャリパーピストン径19mm)。→作動時の油圧をより低くし各部品への負担を減らす。オイル量を増やす事によりブレーキ熱による影響を少なくする。
- リザーバータンク容量拡大によるオイル量の増加。→熱による影響を低くし、エア噛みによるトラブルを減らす。
- ディスクローター厚拡大(2mm→2.5mm)による熱容量の増加。→熱によるローターのゆがみを減らし、高いブレーキ負荷下での性能低下を防ぐ。
- ブレーキパッド厚みの拡大による性能安定化と交換サイクルの長期化。→本体側への熱の影響を減らすと同時に交換サイクルを2倍にして摩耗によるブレーキ性能低下の機会を少なくする。
なお、専用のディスクローターとして、2.5mm厚のMDR-Sローター(8690円、180mmまたは203mm、6穴ボルト付)が同時発売となる。
また、取り付け時とメンテナンス時の作業を少なくするため。以下の新機構が採用されている。
- EASY LINK(イージーリンク)オイルライン接続
マスターとオイルライン(ホース)の接続に従来のトップピースとオリーブを使用せず、サークリップを取り外すだけでホースを脱着できる新機構。新品セットはマスターとホースが外れた状態で供給され、ホース側をマスターに差し込んでレバーを1度引くことで初めてオイルの開通が行われる。これにより内装タイプのフレームに取り付けを行う際もオイルの飛散がなく、従来に比べて短い時間で作業を終えることができる。またオリーブをカシメる必要がないので、作業者の締結トルクの違いによる性能差が発生せず、誰が作業を行っても所定の同じ性能を発揮させることができる。ホースをカットして短くする場合は、セットに添付されるネジ止めタイプのフィッティングに変更する必要があるが、接続後のエア抜き作業は必要ない。 - キャリパー側のブリードバルブ新設
キャリパー側のエア抜き穴には、新設計のブリードバルブ式のボルトが採用されている。キットの注射器の先端を直接差し込んでエア抜き作業をすることが可能なので、従来のエア抜きアダプタは必要ない。
なお、製品の入荷は2024年12月から2025年1月頃になる予定だ。
Gustav Pro
価格:4万8400円(片側分、ディスクローター/キャリパーアダプタ別売)
カラー:黒、グレー(ツートーンカラー)
重量:348g(片側・ローター含まず)
用途:eMTB、ダウンヒル、エンデューロ
・カーボテクチャー製マスターボディ
・12mm径マスターピストン
・プロアルミレバーブレード
・ツールレスリーチアジャスト
・シフトミックス統合タイプクランプ
・イージーリンクオイルライン接続(マスター側)
・鍛造モノブロックアルミ4ピストンキャリパー(ピストン径19mm)
・マグネティックスチェンジマグネット付キャリパーピストン
・ローテータブルバンジョーフィッティング(キャリパー側)
・専用「13.S」各ピストン独立式4枚パッド付属
・オイル漏れ5年保証