「シュワルベ・クリックバルブ」登場!これが新世代の空気入れバルブだ
2024年のユーロバイクで発表され、同ショーのアワードを獲得した革新的プロダクツが「シュワルベ クリックバルブ(SCHWALBE CLIK VALVE、以下SCV)」だ。
シュワルベといえば1922年にドイツで設立されたタイヤ・チューブブランドであり、優れた耐久性を持つタイヤの「マラソン」シリーズでもお馴染みの、世界的タイヤブランド。
そんな同社から、使いやすさを追求したバルブシステムとして発表された「SCV」は、ただバルブにポンプの口を差し込むだけでクリックするような感触でロックされ、そのままタイヤに空気を入れることができるというバルブシステムだ。
従来の仏式バルブのように、先端のボルトを開放、または固定するための操作を必要せず、ポンプ側のレバーでのロックも不要と、片手でも簡単に操作でき、誰でも使いやすい。これは同社のキャッチコピーを借りれば「100年以上続いた問題を解決する」ものとなる。
SCVは、バルブコアが交換できるチューブにはそのままインストールすることができ、そしてチューブレスシステムにもバルブキットが用意される。同社発表によると、チューブレスの場合、従来よりもエア流量が50%増加するとのことだ。
また、空気入れ側においては、SCV専用のポンプヘッドを使用した場合は、ヘッド側のクリック機構が作動して簡単にロックが可能。
そのうえで従来の仏式のポンプヘッドのエアポンプであっても、バルブをヘッド奥までしっかりと差し込むことで空気を注入することができる。その場合はクリック感は発生しない。
また、専用ヘッドを使用した場合は、ポンプヘッドのパッキンの摩耗を減らすこととなり、より長くヘッドを使うことができてエコだ。
仏式からSCVへ変換できる専用ヘッドアダプターも、販売キットには用意される。
さて、筆者エリグチも、10月上旬に開催された展示会で同システムを実際に触ってみた。
先述のとおり、片手でポンプの先端に「カチッ」と固定して、そのままいつも通り空気を入れるだけ。入れすぎてしまって空気を抜く際は、バルブ内中央の芯部分を爪で押さえれば、プシューっと空気が抜けていく。
思えばスポーツバイクに乗り始めてから10年以上、もはや当たり前のように空気入れの度、仏式バルブ先端を回して開けては閉めてを繰り返していた。
だけどこの一手間で、指先が痛くなったり、冬場に手がかじかんで上手く開け閉めできなかったり、出先でのパンク修理時にミニポンプで力を掛けて空気を入れているとコアが曲がって折れてしまったり……そういえばこれまでけっこう悩まされてきた、そんな仏式バルブが旧世代のものになると想像すれば、これは小さいながらとても大きな革新ではないだろうか?
本製品は2025年春頃から国内でも発売予定。ぜひそのクリック感を実際に確かめてみて欲しい。
クリックバルブ
仏式交換用キット
価格/3,300円
内容物/SCV用ポンプヘッドアダプター、バルブ本体×2、ダストキャップ×2、バルブキー×1
クリックバルブ
チューブレスバルブキット
価格/5,280円(40mm)、6,160円(60mm)、7,260円(80mm)
内容物/バルブ本体×2