ビアンキのタイムトライアルバイク「アクイラRC」発表

2025.02.18
新製品

ビアンキのタイムトライアルバイク『AQUILA RC（アクイラ・アールシー）』が発表された。

最先端のイノベーションとアスリートのパフォーマンスが融合した「アクイラRC」は、20カ月間に渡る研究開発の成果。精密に作られたタイムトライアル専用モデルで、速度の概念を再定義することを目的としている。

ビアンキ・アクイラRC

「アクイラRC」は、2025年2月9日（日）にフランスのEtoile des Bessegesで開催された個人タイムトライアルでデビュー。ケヴィン・ヴォクラン（アルケア・B&Bホテルズ）が10.06kmを15分07秒で駆け抜け、2位以下に18秒もの差をつけ優勝した。

世界最速のタイムトライアルバイクを目指すために、ビアンキのレーシング部門であるビアンキ・レパルト・コルセはライダーの動きと自転車のダイナミクスを統一されたシステムとして捉えるというデザイン哲学を再確認し、完璧なバランスを追求した。このアプローチは、革命的なエアロバイク=オルトレRCの開発に使用され、このプロジェクトにおいて、タイムトライアル専用の究極の形で表現された。

“アクイラ”は、力、速さ、優雅さを象徴するビアンキのエンブレムの一部として長い歴史を持っている。新しい「アクイラRC」は、この伝統を受け継ぎ、タイムトライアルのパフォーマンスの限界を押し広げる。

UCIワールドチーム「アルケア・B&Bホテルズ」ケヴィン・ヴォクラン選手によるテスト

長年にわたり蓄積された知識と経験と20カ月の開発期間を経て、ビアンキは世界トップレベルのタイムトライアル専門家と協力。UCIワールドチーム「アルケア・B&Bホテルズ」のケヴィン・ヴォクラン（ツール・ド・フランス2024 第2ステージ優勝者で2024年パリオリンピック出場選手）とも連携した。

「アクイラRC」は、CAD分析、高度なシミュレーション、プロトタイプ、風洞実験、路上テスト、さまざまなエアロフォイルプロファイルの実験といったデザインプロセスを繰り返した結果、生まれた。このすべてが、最速たるマシンを作り上げるという目的のために行われた。

詳細なデータ分析、ワールドツアーのタイムトライアル専門家の助言を得てシートチューブの角度を77.5°に設定し、リーチを増加させた。この結果、より速く、攻撃的なライディングポジションが実現した。

チューブ形状は、横方向の力を前方推進力に変換するセーリング効果を活用するよう設計されている。

シートチューブ角度は77.5°

タイムトライアルフレームの設計では、UCI規則と物理的な法則によって調整可能な変数が非常に限られている。そのため、ビアンキ・レパルト・コルセはアクイラの最も影響力のあるコンポーネント、ハンドルバー、シートポスト、ボトムブラケットの最適化に注力した。

形状と位置を微調整することで、フレームの戦略的な部分での圧力ドラッグを最小限に抑えている。

ハンドルバー、シートポスト、ボトムブラケットが重要

フレームのテストは風洞実験にとどまらず、無数の走行時間をかけて人間の動きが自転車の空力に与える影響を理解するために行われた。人工的な脚で動きを再現する革新的なツールの開発により、バイクとアスリートの相互作用の最適化がさらに進んだ。

「アクイラRC」はさまざまな構成でテストされた。

自転車のみ、静止した脚をつけた状態、動いている脚をつけた状態、そして異なる形状のフォークを使用した状態。

人口脚による開発テスト

その結果、以前のモデルと比較して、50km/hで16.1ワットの節約が達成された。40.7kmのコースで、平均速度が50.4km/hから51.1km/hの間で、「アクイラRC」は前モデルよりも37秒も速く走行した。このタイム差は、レースの結果を大きく変える可能性がある。

「アクイラRC」は、現時点でベストと思われる競合モデルに勝り、±20°のヨー角においても優れた性能を発揮する。コックピットは、レース用コンポーネント設計の世界的リーダーであるVision、FSAとの協力によって生まれた。その結果、高性能で印象的な範囲と簡単な調整が可能な、空力的に統合されたコックピットが完成した。

「アクイラRC」はフレームセットのみで販売され、フレーム（Mサイズ）は1.3kg、フォークは400g。サイズはS、M、Lの３種類、最大28mm幅のタイヤを適用可能。カラーリングは、グロスブラックとメタリックチェレステで、ロゴやグラフィックにはチェレステCK16が使用されている。

ビアンキ・アクイラRC