スペシャライズド・ターボクレオSLエキスパートエボ 圧倒的なパワーと驚くべき軽さを両立したグラベル仕様のeバイク
目次
新時代の幕開けを告げる革命児
スペシャライズドのグラベルバイクは「ディヴァージュ」が定番だが、ここでは新たな選択肢としてグラベル仕様のeバイク「ターボクレオSLエボ」を紹介する。
MTBを中心に広がりつつあるスポーツEバイクだが、遊びのフィールドが専用コースに限られがちで、サイクリングというより一種のアトラクションに近い。それはそれで楽しいが、eバイクのプラットフォームをグラベル仕様とした本モデルなら、上りを多く含むロングコースを自走して、お目当ての林道に入ってグラベルを楽しむ、という従来は脚力を要したプランニングが気軽に実践できる。
まず驚くのは軽さである。実測13.3kgしかないから輪行も現実的であり、アシストをオフにした状態でも自然に進んでくれる。バッテリーとモーターがダウンチューブとBB周りに内蔵されていることもあって、見た目もスマート。言われなければeバイクとわからないほどだ。
そしてアシストをオンにすると、思わず笑顔がこぼれるほど加速がスムーズだ。3段階のモードを最強に切り替えると、まさに背中を押されるようで、どんな坂も苦にならない。ダートでも思った以上に速度が乗るが、ハンドルコラム内蔵の「フューチャーショック」のおかげで上体への衝撃は少ない。eバイクをそうでない自転車と同列に語ることは難しいが、味わえる開放感は格別だ。
インプレッション
オフロード:心地よいアシスト力と秀逸なフューチャーショック
路面抵抗が増えるダートで、アシスト力の恩恵は絶大だ。パワーは240Wと標準的だが、持ち前の軽さと適度な前傾姿勢がもっとパワフルに感じさせる。ケイデンスに応じたアシスト力も自然な印象で、ライン取りに集中できる。フューチャーショックの減衰力ともマッチして、実力以上の速度でダートを走破できる。
オンロード:アシストオフでも十分に快走できる
ワイドなギヤと相まってどんな坂も苦にせず上ることができるが、特筆すべきはアシストをオフにしてもかなり軽快に走れることだろう。電池が切れた途端に絶望感を味わうようなことがなく、本当の意味で自走することも苦にならない。だからバッテリー残量をシビアに確認しなくて済み、心まで軽くなる。
SPEC
シマノ・アルテグラDi2完成車価格:90万円(税抜)
フレーム:カーボン
フレームサイズ:XS、S、M、L
フォーク:カーボン
カラー:ブラックグラナイト/グリーンブルーカメレオン
メインコンポーネント:シマノ・アルテグラR8070 Di2
クランクセット:プラキシス 46Tシングル
カセット:シマノ・XT 11速 11-42t
ブレーキ:シマノ・アルテグラR8070ハイドローリックディスク
ホイール:ロヴァール・C38ディスク
タイヤ:スペシャライズド・パスファインダープロ2ブリスレディ 700×38C
ハンドル:スペシャライズド・アドベンチャーギアホバー
ステム:スペシャライズド・フューチャーステムプロ
サドル:スペシャライズド・ボディジオメトリパワーエキスパート
シートポスト:Xフュージョン・マジックドロッパーシートポスト 50mmトラベル
試乗車実測重量:13.3kg(ペダル無し)