マジィ・CXGRスプレモ 伝統と革新が共存するスチールモデル

目次

ウエア協力:ウエイブワン、ダイアテック

マジィ・CXGR

マジィ・CXGRスプレモ

ドロッパーシートポストが心強い

90年近い歴史を誇るイタリアの老舗ブランドがマジィ。ファウスト・コッピやエディ・メルクスといったロードレースの歴史を彩る偉人たちがマジィを駆って勇名を馳せたが、近年のマジィはアドベンチャーバイクにも力を入れ、ブランドの主力になりつつある。「スプレモ」はその代表作だ。

ロードレーサー譲りのオーソドックスなスチールフレームを採用しているが、上下異径のインテグラルヘッドとカーボンフォーク、スルーアクスルの採用など各部の仕様はどこまでも現代的。特に三角断面でボリュームあるフォークが特徴的だ。パーツアッセンブルはシマノ・105+機械式ディスクブレーキで、GRXを採用したライバルに比べると物足りなさも感じるが、ドロッパーポストを標準で装備しているのは珍しい。

49cmサイズと筆者にはやや小さめの試乗車に乗った影響もあろうが、思った以上にカッチリしたフレームであり、あえて言えばレーシーな印象すらある。硬質で男らしい。幅40mmと太めのタイヤが標準でセットされているので振動吸収性も十分に高いレベルにあり、多くの人に好まれる乗り味だろう。

そしてドロッパーポスト。ワンプッシュで足着きが良くなるからダート初心者も怖がるシーンが減り、上級者ならハードなトレイルで役立つ。どちらにしてもうれしい装備だ。

マジィ・CXGR

一見するとシンプルなストレートフォークだが、断面が台形でボリュームがある。テーパード形状のインテグラルヘッドと相まって、フレーム全体の剛性感を底上げする。

マジィ・CXGR

ドロッパーポストのリモートケーブルこそシートチューブから中通しされるが、それ以外はほぼ外装となる取りまわし。見ためはややうるさいがメンテナンス性に優れるのは間違いない。

マジィ・CXGR

スチールフレームらしく、エンドにはキャリアとフェンダーの同時取り付けに対応できるアイレットを完備。対応タイヤ幅は標準装備の700×40mmで目一杯に見える。

マジィ・CXGR

ハンドル側のレバー操作でサドルを上下できるので、荷重移動しやすい低めのサドル高さと、ペダリングの効率がよいサドル高さを即座に使い分けることができる。

インプレッション

オフロード:男気を感じさせる硬質感

マジィ・CXGR

振動吸収性はタイヤに任せる、という意思が感じられる硬いフレーム。スチールらしく路面の当たりはそれなりに和らげてくれるが、おせっかいはやかない性格だ。ドロッパーポストによってガレた路面の下りで腰を後ろへ引きやすくなり、足着きも良くなるので、安心感は格段に高められる。

オンロード:レーシー感も潜む本格派

マジィ・CXGR

40㎜幅のタイヤを履いているとは思えないほど軽快に進むことに驚く。フロントフォークの高い剛性感と、スチールのメインフレームによるほどよい弾性がマッチしていると感じる。やや重いので上りが得意とは言えないが、小さいチェーンリングがセットされているので、速ささえ欲張らなければ問題ない。

SPEC

シマノ・105完成車価格:21万9000円(税抜)
フレームコロンブス・ダブルバテッドクロモリ
フレームサイズ:49、51、53、56cm
フォーク:ダートチューンドMC7カーボン
カラー:ブルークローム
メインコンポーネント:シマノ・105
クランクセット:プラクシスワークス・オルバM30 48/32T
カセットシマノ・HG-700 11-34T
ブレーキ:TRP・スパイアC機械式ディスク160mmローター
ホイール:ブレーブ・23mmインターナル チューブレスレディ
タイヤケンダ・フリントリッジ 700×40C
ハンドルブレーブ・コンパクトアドベンチャーベンド
ステム:ブレーブ・3D鍛造
サドル:マジィ・コルサコンプ
シートポスト:カインドショック・E-TEN 272リモート 65mmトラベル
試乗車実測重量:10.9kg(ペダルなし)