夏の日差し&紫外線に対する強い味方⁉︎ 調光コンタクトレンズを試してみた
目次
コンタクトレンズの色が変わる、調光機能
CM等で見かける世界初の調光機能付きコンタクトレンズ。使っている人もまだあまり多くないようだけど、一体どういうものなのか。実際の使用感等をレポート!
夏の敵は暑さだけではない
近年、日本の夏の気温・湿度の上昇っぷりは異常だ。それとともに、年々日差しがきつくなっているように感じるのはどうも気のせいではないようだ。気象庁の紫外線量調査によると、関東地域での紫外線量は1990年代から増加傾向が見られ、2010年以降は紫外線量が多い年が続いているという報告がある。
サイクリングだけでなく、日常生活でもサングラスを忘れようものなら降り注ぐ紫外線と、路面からの照り返しで目の奥が焼かれるように痛くなってしまう。紫外線や日差しを受けた目から来る疲れは決してあなどれるものではない。
私は、極度の近視であるため普段からコンタクトレンズを着用している。コンタクトレンズもここ数年、次々と新しいものが発売されており、UVカットをうたう商品も多くある。そのような商品を試してみたものの、普通のコンタクトレンズと違いを劇的に感じるようなものはなかった。
そんなときに発売されたのが『世界初、調光機能付きコンタクト。アキュビューオアシストランジションズスマート調光』。CMで見たことがある人も多いのではないだろうか。レンズ素材に組み込まれた調光材が光に反応し、レンズの色が変化することで目に入る光の量を自動で調節してくれるという驚きのコンタクトレンズだ。さっそく使う機会を得たので試してみた。
明らかに違う“ラクな”感覚
レンズは出した状態では、少し紫がかった透明。装着してみた感覚は、まったく通常のコンタクトと変わらない。そんなに変わるもんだろうかと日差しの強い日に外に出た瞬間すぐに「あ、違うな」と実感した。目の奥に入ってくる日差しの痛さを明らかに感じない。なのに見え方はクリアで、日差しの下にいても室内にいても普段とまったく変わらないのだ。
試しに同じ環境下で、調光コンタクトをした状態と外した状態で外に出てみたが、差は明白だった。外した状態だとやはり目につらさを感じるが、調光コンタクトをつけた状態だとそのつらさを感じないのだ。
装着している側の見え方は変わらないが、目に付けた状態での外からの見え方についても撮影してみた。室内ではほぼ透明レンズと同じように気にならない。太陽の下だと、黒目が濃く見え、黒目からはみ出した部分は紫がかって見える。しかし、よっぽど近くでじっくり見ない限り分からないはずだ。これであれば、対面した人に、違和感を与えることもないだろう。
調光スピードについても少し実験をしてみた。装着していると色がどう変化しているのかがまったく認識できないため、外してレンズだけの状態で調光スピードを確認した。ほぼ透明な状態なものを直射日光下に置いてみると、その瞬間から着色する。みるみるうちに色は濃くなり、およそ20秒ほどで写真のように真っ黒(濃い紫)になった。一方で、着色した状態からほぼ透明な状態に戻るまでにかかった時間はおよそ9分だった。(※光の入り具合、温度や湿度など使用環境によりスピードは異なると思われるため参考程度)
戻るまでの方が時間がかかるため、調光サングラスでもよくある明るいところからトンネルに入ったところで暗くて見えにくくなってしまうのではないかと思い、実際にこのシーンも体験してみたが、暗くて前が見えないような印象もまったく受けなかった。
目に有害と言われる紫外線B波もA波も99%カットするとあるが、製品の注意書きにも書いてあるとおり、紫外線吸収サングラスなどの代わりにはならないため、強い日差しの中ではサングラスの併用が推奨されている。実際、この調光コンタクトレンズをつけていても眩しさは普通に感じる。なので私も偏光サングラスと併用して1日外で過ごしてみたが、見え方も何ら問題なく、1日の目から来る疲れは比にならないほど減少し、非常に快適だった。
2ウィーク使い捨てで、1箱6枚入り3500円と一般的なコンタクトレンズよりは少し値は張るが、体感してみる価値は大いにあると思う。夏の強い味方になってくれること間違いなしだ。
アキュビューオアシストランジションズスマート調光
価格:3500円(税抜・1箱)※編集部調べ
タイプ:2週間使い捨て
枚数:1箱6枚入り
度数:-0.50~-12.00、±0.00、+0.50~+5.00
ベースカーブ:8.8mm、8.4mm
直径:14mm
含水率:38%
UVカット:紫外線B波を99.9%以上、A波を98.9%以上カット
材質:シリコーンハイドロゲル素材