フルクラム「レーシング ゼロ カーボン DB」〜ディスクブレーキホイールインプレッション2020 Pick Up!〜

目次

リム高30mm、リム内幅19mmのローハイトカーボンリムにアルミスポークを組み合わせたレーシングゼロカーボンのディスク版。ディスクブレーキ特有の高負荷に対応させるため、リムのスポーク部はクロスのプリプレグで補強される。リムのタイヤ側にスポーク穴が開かないため、シーラントなしでも運用できるピュアチューブレス仕様で、ハブベアリングはUSB。CULTを使った上位モデル、コンペティツォーネもある。

フルクラム・レーシング ゼロ カーボン DB

スポークの根本のみ積層が厚い。スポーク数は前後21本で、フルクラムお得意の2to1スポークパターンを採用

リヤホイールはリムブレーキ版と同様の右側クロス/左側ラジアルだが、フロントは右側ラジアル/左側クロスとなる

インプレッション

スコア

吉本 司

ホイール外周部が軽く、ペダルに乗せた足がスッと軽く落ちてゆく感覚があり、少ない力で進ませることができ、この走りの軽さは上りで大きな武器になる。普段リムブレーキ版に乗っているのだが、それよりもしなやかさが増したことで荒れた路面で弾かれにくくなり、下りの安定感も向上している。ディスク化されて魅力がアップした。山岳派のホビーサイクリストならこれ一本で十分満足できるだろう。

安井行生

リムブレーキ用の旧型レーゼロカーボンほどぶっ飛んではいないが、ディスクブレーキ用ホイールとして性能はトップレベルだ。加速と登坂ではアルミスポークらしいキレがある。快適性はそれなりだが、2:1スポークパターンにもかかわらず左右差はほとんど感じられない。WTO45より踏みやすく、扱いやすさと性能のバランスがいい。レーシングホイールとして欠点が少なく、これ一本でなんでもできる。

小笠原崇裕

ディスクになってスポークテンションを若干落としたのか硬質でパリっとした走行感は希薄になったものの、ダンシングやスプリントなどの高トルクに対してリムがヨレずに耐えてくれるのでトータルバランスは上がり、より多くのシーンや走り方にマッチするようになった。衝撃に対して振動の減衰が速く、挙動の変化が表れにくいので狙ったラインをトレースしやすく気持ちが良い自然なコーナリングを楽しめる。

スペック

前後セット価格:27万4000円(税抜)、27万5000円(XDR仕様・税抜)
実測重量/F=695g、R=818g
スポーク本数/F=21本、R=21本
リム高/F=30mm、R=30mm
リム内幅/F=19mm、R=19mm
対応カセットスプロケット/シマノ、カンパニョーロ、XDR

 

フルクラムホイール試乗会のお知らせ

11/20〜12/7まで愛知県のサイクルショップ、カミハギサイクル小牧本店にて開催。
試乗機種はSPEED40C/SPEED 40DB 2WAY/Racing ZERO CARBON WO/Racing ZERO CARBON DBの4種