カデックス「65ディスクチューブレス」〜ディスクブレーキホイールインプレッション2020 Pick Up!〜

目次

ジャイアントが2019年に立ち上げたパーツブランド、カデックスのロードホイール。最大の特徴はカーボンスポークを採用していること。目的は快適性&動力伝達性の向上と軽量化。カーボンスポークの欠点は、扁平形状にしにくく空気抵抗が大きくなってしまうことだが、カデックスのカーボンスポークはしっかりエアロ形状に。リム高が45㎜と60㎜の2種類あり、それぞれにチューブレスとチューブラーが用意される。チューブレスモデルはフックレスリムを採用しており、軽量性と空力性能を追求。ここで試乗するのはチューブレスモデルの2本。

カデックス・65ディスクチューブレス

フックレスリムを採用。繊維が途切れないので軽量ながら耐久性は高いという

ハブは専用品で、前後共2:1スポークパターンを採用し、フロントの反ローター側はラジアル。駆動力がかかったときに各スポークのテンションが均一になるDBLで組まれている

使用タイヤに制限がある(カデックス・レースとジャイアント・ガヴィアのみ)

インプレッション

スコア

吉本 司

ハイハイトのエアロホイールならではの〝面〞が際立ち、ディスクホイールのような転がりの強さを持ちつつも、カーボンスポークの効果なのかペダリングフィールは快適性が高く、路面からの突き上げも抑えられている。直進性がやや強いことを除いてはエアロホイールのメリットを得やすい。45もそうだが、カデックスホイールの高性能は、組み合わせる純正タイヤも、その一つの要因となっているに違いない。

安井行生

快適性・ハンドリ ング・加速性・登坂性の低下を最小限に抑えながら65㎜にしたあたりはさすがジャイアント。ペダリングのしやすさも犠牲になっておらず、剛性感の煮詰めに手間をかけている印象だ。リム高が高くなったことに見合うほどの性能向上がないディスクブレーキ用ディープリムが多い中で、これはエアロホイールらしい高速巡航性を持っている。フックレス化が効いているのかもしれない。

小笠原崇裕

42と比べると若干マイルドな踏み心地で、ダッシュなどの高負荷の加速ではワンテンポ遅れてホイールが回ってくる感じを受ける。この剛性コントロールのおかげか高速巡航では落ち着いてジワッとペダリングができ、リムの風抜けの良さと相まってスピードの維持が楽に行える。上りでは重量を感じてしまうもののシッティングで丁寧に回すことによって65mmハイトと認識しないような軽い転がりがある。

スペック

価格:F 14万円、R 20万円(税抜)
実測重量/F=688g、R=820g
スポーク本数/ F=21本、R=24本
リム高/ F=65mm、R=65mm
リム内幅/ F=22.4mm、R=22.4mm
対応カセットスプロケット/シマノ、スラムXDR