ロードバイクのチェーンに最適な新ケミカルをインプレッション
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世界最大の航空機メーカー、ボーイング社が開発した防錆潤滑剤「ボーシールドT-9(BOESHIELD T-9)」の国内販売が開始された。チェーンルブとしての使用はもちろん、さまざまな箇所へ使うことができる。詳しく紹介するとともに、“走れる店長”として信頼の厚いエイジサイクル・岩島啓太さんによるインプレッションをお届けする。
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航空機メーカー・ボーイングが開発した防錆潤滑剤「ボーシールドT-9」
「ボーシールドT-9」の特徴〜潤滑・洗浄・防錆・防汚をオールインワンで実現
ボーシールドT-9は水置換性と金属への浸透性を持ち、きわめて薄い被膜ながら高い防錆潤滑効果を発揮できる防錆潤滑剤だ。自転車だけでなくカヤックやボートエンジンなど、アウトドアスポーツ全般の機材メンテナンスで使用できる。
大きな特徴としては、洗浄・防錆・潤滑・防汚をオールインワンで実現することだ。かつ、プラスチック、ゴムなどを痛めず非伝導性なので、電動コンポーネントを含むバイクのさまざまな箇所へ使用しても安心だ。
成分は、伸びや浸透性に優れるパラフィンワックスに、独自の溶剤を配合している。
「ボーシールドT-9」の使い方(チェーンを例に)
①チェーン洗浄する
②塗布する
液はかなりサラッとしていて、ワックス系の香りがふわっと広がる。
③チェーン全体になじむよう、チェーンを回す
④余分をウエスで拭き取る
⑤半日〜1日乾燥させる
これで完成。この工程で何と最長2年間(!)、雨や泥でも流れ落ちないワックス状の乾燥保護フィルムが出来上がるという。
「ボーシールドT-9」を元最速店長・岩島啓太さんがインプレッション
実業団レース国内最高峰の一つ、ジャパンカップオープンレース優勝や全日本最速店長選手権に2回優勝するなど、走力は折り紙つきのエイジサイクル・岩島店長に使用してもらい、感想を聞いてみた。
「まず第一印象は、非常に軽い潤滑剤だ、ということです。チェーンに塗ってみるとすぐに浸透して行き渡っていく感じがありました。リキッドタイプのボトルは、先端が丸みを帯びているので、チェーンの一コマ一コマに注しやすいと思います」と岩島さん。
「チェーンオイルとして使ってみた印象ですが、“軽い負荷から高い負荷まで違和感なく走れる”というフィーリングでした。
耐久性としては、約200km持つかな、という印象です。それ以上乗ってみてもチェーンがオイル切れをしてシャリシャリということはなさそうですが、約2週間乗って試してみたところ注油タイミングとしては約200kmかなと。かなりサラッとしているタイプの潤滑剤なので、その分野からすると持ちは長い方だと言えます」。
「汚れにくさについては、真っ黒に汚れることはないという印象でした。ただ、全然汚れがつかないというわけではないので、もちろん定期的な洗浄は必要ですね」。
「ポイントだと思ったのは、チェーン以外のディレーラー等の駆動部、果ては工具類にまで使えるということです。ディレーラーの駆動部やキャリパーブレーキのピボット部などに注してみると、実際動きが軽くなりました。また、こうした部分は汚れや腐食から守りたい部分ですから、長期間の防錆・防汚効果のあるこの「ボーシールドT-9」は適していると思います。
こうした部分は入り組んでいるので、浸透性の高さもいい働きをしてくれます。エアゾールタイプは先端が細いので、これはチェーン以外の入り組んだ部分への使用に向いていますね」。
こまめにメンテナンスし、部品をきれいに保ちたい人におすすめ
「チェーンに使うなら持ちとしては約200kmなので、きちんと定期的に注油してきれいに保ちたい人にはおすすめですね。かつ、軽い抵抗もほしいという人に向いています」。
世界の航空機産業が育んだこの防錆潤滑剤。あなたも一度試してみてはいかがだろうか?
BOESHEILD T-9
●容器ラインナップと価格/1オンスリキッドボトル(1200円・税抜)、4オンスリキッドボトル(2500円・税抜)、4オンスエアゾール缶(2900円・税抜)、12オンスエアゾール缶(5000円・税抜)
●成分/パラフィンワックス+独自成分溶剤(テフロン、シリコン、フルオロカーボン、MEK、アセトン不使用)
販売元:NTKインターナショナル