心拍センサーを直付けできるインナーシャツ 東洋紡・COCOMIの進化をチェック!
目次
東洋紡のCOCOMI®サイクリングアンダーシャツは、心拍センサーを表面に付けて着るだけで心拍数が測れる「スマートセンシングウェア®」。 バンドタイプ独特の締め付けとは無縁でストレスフリーの着心地を実現している。
COCOMI® サイクリングアンダーシャツ(アマゾン販売ページ)
希望小売価格/8690円
サイズ/SS、S、M、L、2L
実測重量/104g(サイズM)
カラー/09Black、01White
*フィルム状導電素材「COCOMI® 」および生体情報計測ウェア「スマートセンシングウェア® 」は東洋紡(株)の登録商標(2016年2月商標登録済)です。
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自転車用アンダーシャツのゲームチェンジャー
着るだけで心拍数をはじめとする生態情報を計測できる――。そんな高機能スマートセンシングウェアの開発を続けてきた東洋紡から、サイクリング用のアンダーシャツが発売された。
スマートセンシングウェアとは、東洋紡が開発したスマート衣料。胸部に同社が開発した伸びるフィルム状導電素材COCOMIを採用しているのが特徴だ。
COCOMIは極薄で柔らかく、肌あたりがよく体への追従性が高いのが特徴。電極と配線の継ぎ目をなくすことができ、肌に直接触れるアンダーシャツに埋め込んでも着心地に影響が出にくいというメリットがある。電気抵抗値が低いという特性も備え、より精度の高いデータの収集も可能にしている。使用前に水などで濡らさなくてもよいドライ電極であるため、使い勝手がよいのも特徴。一般的なアンダーウェアと同じように着用し、胸部にあるスナップに心拍センサーを付けるだけで簡単に心拍データを計測できる。
一方、心拍センサーで一般的なチェストベルトタイプは、走行中にズレないようにきつめにして装着する必要があるため、局所的な圧迫感を覚えやすいだけでなく、汗によるかぶれも懸念される。また、装着前に電極を湿らせる必要があり、手間がかかるうえに冬場は冷たくて不快だ。
つまり、COCOMIを使ったスマートセンシングウェアは、これまでの心拍センサーの多くのデメリットを解消した画期的な製品なのだ。
となると、気になるのはウェアとしての性能だが、そこには長年素材メーカーとして培ってきた東洋紡の強みが存分に生かされている。着心地や速乾・吸収性に優れ、UPF50+のUVカット機能も搭載。ウェアの前面には緩やかな伸縮性を備えたジャージ素材、背面にはより強いフィット感を得られるトリコットを採用することで、優れたフィット感も実現。このことはCOCOMIがライド中の体の動きに追従してフィットすることにもつながっている。それだけに、ジャストサイズで着ることが重要で、サイズチャートを参考に適正サイズを選ぶのがポイントだ。
サイクリストの意見を反映してサイクリングに特化したデザインを採用しているのも特徴。例えば、全体的に着丈は長めで、特に背面の丈を長くすることでライド中に前傾姿勢をとったときに腰が露出しにくくなっている。また、着脱のしやすさや通気性を考慮し、首まわりはVネック、アームホールも大きめに開けるデザインを採用したという。電極が肌に触れるアンダーウェアに付けられているだけに、洗濯などのお手入れが面倒でないかと気になるが、サイクルジャージなどと同様にランドリーネットに入れて普通の洗濯機で洗濯でき、100回以上の洗濯に耐える耐久性も備えているという。
素材メーカーの東洋紡が満を持してリリースした自転車用のスマートセンシングウェア。サイクルウェアの新時代の到来を告げるゲームチェンジャーが現れた。
INTERVIEWEE
東洋紡STC 技術開発部
表 雄一郎さん
入社時から抗菌防臭・消臭・撥水・吸水といった染色加工に携わり、COCOMIプロジェクトに参加。生産技術開発を担当する。
東洋紡STC スマートセンシンググループ
宮本智之さん
COCOMI担当の営業マン。入社後、企画デザイン業務を経験後、アパレルOEM製品の営業企画、上海在住を経て現職。
POINT1 フィルム状導電素材COCOMIを使用
胸部の肌に当たる部分に伸びるフィルム状導電素材COCOMIを使用。電極を肌に密着させやすく、体に負担をかけにくいのが特徴で、着るだけで手軽に心拍データを計測できる。
POINT2 胸部に心拍センサーを直接装着できる
胸部に心拍センサーを取り付けるスナップがある。現在公式にはガーミン、ポラールの心拍センサーに対応(インプレ時に他ブランドのセンサーでも動作することを確認済み)。
POINT3 サイクリストの意見を反映したデザイン
背中側の着丈を長くすることで前傾姿勢で背中が出ないように配慮。首まわりやアームホールのデザインも窮屈になりすぎないよう、サイクリストの意見を取り入れたデザインに。
IMPRESSION 着心地も使い勝手もストレスフリーを実現
心拍センサー使用時のストレスが一切ない。いつものアンダーウェアと同じように着て、胸に心拍センサーを付けたら、ほどなくサイクルコンピュータに心拍数が表示された。電極を水などで湿らす必要もない。深い前傾姿勢でもダンシングでも電極が体に密着し、長時間のハードなライドでも心拍データの欠落もなかった。
アンダーウェアとしても素晴らしい。体にほどよくフィットし、縫い目やセンサー部分の違和感はなく、着心地もよい。通気性や速乾性も良好。3シーズンに渡って長く使えそうだ。
洗濯ネットに入れればジャージと同じように洗濯でき、100回以上の洗濯に耐え、使い勝手の面でもストレスフリー。これはスゴイ!
RIDER
浅野真則
専門誌やウェブで活動する自転車ライター。JBCFエリートツアーをはじめレースにも参戦中で、日々トレーニングに励んでいる。