シマノ・WH-R9270-C36〜ホイールインプレッション2021 Pick Up!〜

目次

シマノがR9200系デュラエースと同時に発表した新型ホイール。リムハイトは3種類で、万能に使えるC50の両脇を、ヒルクライム用のC36と高速向けのC60が固める。ディスクブレーキ用はチューブレスとチューブラーが用意されるが、リムブレーキ用はチューブラーのみ。今回試乗するのはディスク用チューブレスモデル3種の中から、ヒルクライム用のWH-R9270-C36。全モデル前後セット23万円強という価格にも注目だ。なお、フリーボディがシマノ12速専用であるため、試乗は新型デュラエースで組まれた試乗車(メリダ・スクルトゥーラディスク)で行っている。

 

WH-R9270-C36

シマノ・WH-R9270-C36

WH-R9270-C36のリヤハブ

リヤハブはローター側ラジアルの2:1

WH-R9270-C36のフロントハブ

C36のフロントハブは1:1の両側クロス

WH-R9270-C36のフリーボディ

軽量化のため、フリーボディはアルミ製に。スプロケットかみ込み防止のため溝が増やされており、当然12速専用となる

 

インプレッション

WH-R9270-C36のスコア

シマノ・WH-R9270-C36のスコア。評価基準はこちら

 

吉本 司

レース用途ではC50の守備範囲が相当に広く、兄弟モデルを食ってしまいそうだが、やはり全体重量の軽さ、ホイール剛性の違いからC36の走りは上りなどで生きてくる。C50より控えめな剛性は、ペダリングの持続性に富み一定ペースを刻みやすく、軽さと滑らかさを持ちながら気持ち良く進んでくれる。脚当たりの良さは、長距離でより脚を残せるので、そんな面からもレース派以外ならC36を選ぶ価値はある。

安井行生

ゼロスタートの一瞬の軽さと、中負荷以下の登坂、ハンドリングの素直さではC36のメリットが生きるが、それ以外ではC50の方がいい。このホイールの本分とされる坂でも、パワーをかけるとトラクションがやや希薄になる。軽さを追求しすぎてリム剛性が低くなったか? シマノは「主役はあくまでC50」と強調しているが、言葉どおりの印象。ただし長距離の登坂やロングライドではC36の特性が合うだろう。

小笠原崇裕

軽量ホイールにありがちなスカスカ感を受けず、しっかりとした踏み応えがあり大きなトルクを掛けてもリムがヨレずに真っすぐ進んでくれる。上りでは前輪加重にしてダンシングをしても、軽い転がりがスポイルすることなく静かに回っていく。乗り心地はレーシングホイールとしては良く、路面からの微振動を素早く収める減衰能力が高いのでヒルクライムだけではなく、上りの多い長距離レースにおいても最適だ。

 

スペック

チューブレス
価格/F:10万7690円、R:12万5840円
スポーク本数/ F:24本、R:24本
リム高/36mm
リム内幅/21mm
対応スプロケット/シマノ(12S専用)
カタログ重量/F:620g、R:730g

 

クラッシュリプレイスメントと仕様変更プログラム

シマノホイールコーナーを常設し、充実したラインナップを取りそろえるシマノプレミアムホイールショップ。そこでは、R9200シリーズのホイールを安心して購入できるよう、クラッシュリプレイスメントと仕様変更という2つのプログラムが行われている。

クラッシュリプレイスメント

シマノプレミアムホイールショップの店頭でR9200シリーズのホイールを購入した人が対象。購入から3年以内に事故により破損した場合、希望小売価格よりもリーズナブルな価格で同ホイールが購入できるプログラム。

購入後50日間の仕様変更

シマノプレミアムホイールショップの店頭でR9200シリーズのホイールを購入した人が対象。購入したホイールから仕様変更(リムハイトの変更、チューブラー⇔チューブレス、リムブレーキ用⇔ディスクブレーキ用)したい場合、購入後50日以内であれば、工賃のみの負担で、希望するホイールに仕様変更できるプログラム。

シマノプレミアムホイールショップの一覧はこちら(シマノのページ)

WH-9270に試乗する小笠原さん