ヴィジョン・メトロン45SL ディスク〜ホイールインプレッション2021 Pick Up!〜

目次

EFエデュケーション・NIPPOとバーレーン・ヴィクトリアスが2021年のツール・ド・フランスに投入したことで話題を呼んだ新型ホイール。リム高は45mmと60mmの2種類となり、チューブラーとクリンチャー/チューブレスレディの計4種類。リム幅は、メトロン45SLディスクは31.1mm、メトロン60SLディスクは33mmまで拡張され、空力性能がさらに高められているという。クリンチャー/チューブレスレディのリム内幅は21mmで、28Cタイヤに最適化。今回試乗するのは45SLのクリンチャー/チューブレスレディ。

メトロン45SLディスク

ヴィジョン・メトロン45SL ディスク

メトロンシリーズのフロントハブ

スポークはフロント21本、リヤ24本で、前後とも2:1

メトロンシリーズのリヤハブ

リヤハブも一新され、フリーはPRS(パワーラチェットシステム)という新機構に。駆動力が掛かった瞬間にラチェットがかみ合う

 

インプレッション

メトロン45SL ディスクのスコア

ヴィジョン・メトロン45SL ディスクのスコア。評価基準はこちら

 

吉本 司

硬質で肉薄なリムと高いホイール剛性によってリニアな反応と高い軽快感を得ている。パワーのあるライダーなら平地から上りまでアグレッシブな走りをサポートするものの、脚がなくなるとその剛性の高さゆえに失速しやすい面もある。特に上りはケイデンスを高めに保ち、踏みすぎない方が走りの軽さを生かせる。全体的なタッチは硬めなので、タイヤの選択や空気圧で乗り味を調整して長所を生かしたい。

安井行生

分かりやすい速さを持ったホイール。45mmにしては空力が良く、高い剛性によって動力伝達性も優れている。空力的にはやはりワイドリムにした方が有利なのか? ファントムリムになった直後のイーストン・EC90を彷彿とさせる高性能だ。ただしガチガチで踏み切れないレベルにはなっておらず、レースユース前提ならいいバランス。とにかくスピードを、というレーサーなら選択肢に加えるべきだろう。

小笠原崇裕

前後で剛性感が異なるような印象を受け、特に前輪は沈み込むような動きを感じた。マッチョな見た目とは異なって全体剛性や路面からの突き上げは意外なほどにマイルドで、足に硬く響いてくるような雑味がない部分が好印象。性能としてはきれいに平均的に収まっている中でも、平坦基調のレイアウトでのスピード維持が得意。ホイールから走らせ方や挙動を主張してくることがなくバイクを選ばない点も長所だ。

 

スペック

チューブレスレディ
スポーク本数/F:21本、R:24本
リム高/45mm
リム内幅/21mm
対応スプロケット/シマノ、スラム
カタログ重量/ペア:1329g