カンパニョーロ・ボーラWTOウルトラ33〜ホイールインプレッション2021 Pick Up!〜

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2018年に登場したボーラの新シリーズ。リムブレーキ時代にはワンとウルトラという2グレード体制だったが、ディスクブレーキ用は今までウルトラが設定されていなかった。2021年、WTOについにウルトラグレードが登場する。ベアリングと受けがCULTになり、フロントハブがカーボン化。それだけでなく、WTOのウルトラはリムも違う。形状は同じだが、繊維と樹脂を変更して軽量化。ニップルを内蔵して空力性能をさらに高めた。33mm、45mm、60mmというラインナップは従来どおりだが、ウルトラはディスクブレーキ仕様のみとなる。今回試乗するのはボーラWTOウルトラ33。

ボーラWTOウルトラ33

カンパニョーロ・ボーラWTOウルトラ33

ボーラWTOウルトラシリーズのフロントハブ

リヤハブはアルミのままだが、フロントハブがカーボン化された(ローター側フランジのみアルミ)。ベアリングはCULTに。スポークパターンはもちろんG3

ボーラWTOウルトラ60のリム

リム内幅は、45と60が19mm、33のみ21mm。空力と剛性のバランスを考慮してとのこと

ボーラWTOウルトラ33のリム

高級感あるグラフィックと表面仕上げも魅力の一つ

 

インプレッション

ボーラWTOウルトラ33のスコア

カンパニョーロ・ボーラWTOウルトラ33のスコア。評価基準はこちら

 

吉本 司

リムが肉薄になったのか“WTO”にあるコツコツとした乗り味が抑えられ、よりフラット感の高い走りになった。タイヤと路面の間に潤滑剤があるかのような滑らかさと軽さで進む。ホイール剛性は高いが、ボーラ的なタメは僅かに残っていてトルクをかけやすく、上りはスカッと進み、平地はスルスルと転がる。性能のバランスは相変わらず素晴らしい。ただWTOとの価格差で考えると、この性能差でウルトラへの食指は動きにくい。

安井行生

昨年はノーマルWTO33を絶賛したのだが、ウルトラの33はなぜか剛性が上がったように感じ、ノーマルにあった「ボーラらしさ」が薄くなった。しかし登坂用ホイールとしての性能は一級だ。軽くて硬いというハッキリとしたホイールでキビキビ上りたいならお勧めできる。試乗後スペックを眺めていたら、ウルトラはノーマルよりリム幅が太くなっていた(C19→C21)。これが原因か?

小笠原崇裕

リムハイトからイメージできる以上の全体の高い剛性があり、ダンシングで雑に踏み付けてもリムのヨレを感じさせず、高いトルクを受け止めてくれる。このリムハイトにキレを感じたことが新鮮である一方で、ボーラという「味」が随分と薄まっている感じも受けた。ホイール全体でのしなりがしっとりした軽い加速につながっていたボーラの味。ホイールとしての性能は確実に上がっており、意思に忠実な動きを見せる。

 

スペック

チューブレス
価格/ペア:48万1800円(カンパニョーロ)、46万7500円(シマノ、スラム)
スポーク本数/F:24本、R:24本
リム高/33mm
リム内幅/21mm
対応スプロケット/シマノ 11S、カンパニョーロ、スラムXDR
カタログ重量/ペア:1385g