カンパニョーロ・シャマルカーボンDB 2ウェイ〜ホイールインプレッション2021 Pick Up！〜

2021.12.15
新製品

text 安井行生／吉本司／小笠原崇裕
photo 佐藤竜太／船生光

カンパニョーロが20万円台前半に投入した新型カーボンホイール。コンセプトは「エンデュランス性に特化したホイール」というもので、グラベルユースまで視野に入れている。アルミリムの名作シャマルの名称を受け継ぐが、カーボンリムにステンレススポークと、その設計はアルミ版とは大きく異なる。ロード用タイヤなら25～30C、グラベル用タイヤなら65Cまで対応。グラベルに対応させたからか重量はアルミシャマルより重い1585g。

カンパニョーロ・シャマルカーボンDB 2ウェイ

ハンドリングとパワー伝達性を両立させるためフロント35mm、リヤ40mmの前後異ハイト設計。リム幅は内幅21mm、外幅28mmでピュアチューブレスに対応する

スポークは丸断面のステンレスで前後とも24本のG3組み。クロス側はベンドスポークを使う

インプレッション

カンパニョーロ・シャマルカーボンDB 2ウェイのスコア。評価基準はこちら

吉本司

とにかく転がり感の強さが半端ない。路面との触感もソフトでありながら、重戦車のようにグングンと転がり、中・高速域の巡航走行がとてつもなく気持ち良い。上りもだるさを感じることはなくスーッと滑らかに進む。G3スポーキング的な脚当たりの良さもあり、走行感やペダリングの気持ち良さが途切れない走りができる。グラベルも視野に入れたエンデュランスライド向けというコンセプトは納得だ。

安井行生

カーボンリムながら1600gに迫る重量級。「グラベルもいけます」のコンセプト。ステンレスの丸スポークで、しかも片側はベンド。誰だって性能に期待なんかしないスペックである。しかしこれが良かった。加速・登坂は軽くはないが、然るべき安定感があり、自転車用ホイールに必要な柔和性があり、トルクをかければドカーンと加速する力強さがある。バランスの良さが光るいいホイールだった。

小笠原崇裕

過去のものになってしまった感のある「重いが慣性で回り続ける」テイストがとても魅力的だ。ドシッとした接地感が特徴的で、パリパリの乾いた軽さとは対極にある乗り味。低重心を感じる強い転がりはちょっとやそっとの風や緩斜面の影響は受けず、突進してスピードを維持してくれる。穏やかな挙動とリムのしなり感を生かし、低いケイデンスでじっくりとペダリングをするようなライダーにマッチするだろう。