レイザーから保護性能と快適性を両立した新技術搭載のヘルメット登場
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ベルギーのヘルメットブランド、レイザー(LAZER)から、回転衝撃への保護性能を持ちつつも通気性や軽さを犠牲にすることのない新技術「キネティコア(KinetiCore)」を搭載した新ヘルメットが登場。発売は2022年6月〜を予定し、4月2日〜3日開催のサイクルモードTOKYO 2022でも展示される予定だ。
回転衝撃への耐性を持ちつつも快適さを犠牲にしない新技術「キネティコア」
もし自転車乗車中に落車し地面や障害物などに頭を打ち付けてしまう場合、直接的な衝撃(線形衝撃)と斜めから加わる衝撃(回転衝撃)の2種類の衝撃が発生しうる。特にこの“回転衝撃”から脳を守ることが重要とされており、それが脳の機能に重大なダメージを与える可能性が高いからである。既存の技術である「ミップス(MIPS)」は、まさにそれに対応するためのものであり、搭載されているヘルメットの種類は近年増えてきている。
しかし、ミップスの場合は回転衝撃へ備えるための構造物を追加しているため、通気性が犠牲となり、重量増にもつながってしまうというデメリットがあった。
そこでレイザーが世界の一流大学との長年の研究により開発したのが、新技術「キネティコア」だ。キネティコアでは、ミップスのように構造物を追加することなく回転衝撃から脳を保護するための機構がヘルメット内側に設けられている。ヘルメット内部の発泡スチロール部分に、クランプルゾーンと呼ばれる溝のような特殊構造が設けられており、これが回転衝撃が加わったときに潰れることによって脳を保護するのだ。もちろん、線形衝撃への保護性能も持っている。
直接発泡スチロール部分にこれが作られているので、新たに構造物を追加しなくても良く、通気性も軽量性も犠牲にしないというわけだ。
キネティコアが搭載された新作ヘルメットは4種類ある。
ロード用エアロヘルメット「Vento KC AF」
キネティコア搭載のロードバイク用エアロヘルメット。AFと名がつくようにアジアンフィットだ。従来のモデルよりも空力性能と通気性に優れており、「Bullet 2.0」に比較し約90gの軽量化を果たし、空力性能は2.3%向上、冷却効果は5.4%向上している。側面にはアイウェアを固定できるパッドが付属。レイザーお得意のロールシス機構の進化版「スクロールシスべルト」を搭載し、片手でヘルメット固定力の調整が可能になるとともに、空力性能の向上に貢献している。
新定番ロード用ヘルメット「Strada KC AF」
キネティコアを搭載したロードバイク用ヘルメット。1万円台前半という手に入れやすい価格から、ロードバイク用ヘルメットの新定番的なアイテムとなりうるか。上位モデルの「Vento KC AF」に同じく、側面にアイウェア固定用パッドが付属。固定力の調整も同じく「スクロールシスベルト」で行うことができる。「Blade+(MIPS)」より約20gの軽量化を果たし、冷却効率も0.9%向上している。こちらのモデルもアジアンフィットだ。
通勤通学に最適なシティモデル「CityZen KC」
丸い落ち着いたデザインから、どんな服装にも合いそうなシティ系ヘルメット。アース系カラーもラインナップする。ヘルメット外側は耐久性に優れたABS製シェルを採用し、頭部側だけでなくシェル側にもキネティコアが設けられた二重構造となっており、さらに安全性能が高められている。固定力の調整はオーソドックスなダイヤルタイプの「ターンシスシステム」を採用。
トレイルライド・エンデューロに最適なハーフMTBヘルメット「Jackal KC」
近年世界中で盛り上がりを見せ、日本国内でもブームとなりつつあるMTBトレイルライドやエンデューロレース向けのハーフMTBヘルメット。バイザーは3段階に可変でき、MTB用ゴーグルとの併用を想定したデザインともなっており、上り坂を自走しているときなどにゴーグルをヘルメットに収納しておくことも可能だ。アイウェアが干渉しにくいデザインにもなっており、通常のアイウェアとの相性も良い。「Jackal(MIPS)」に比較し約50gの軽量化を果たし、通気性も5.2%向上している。他にマグネット式バックルの採用、抗菌・消臭性に優れたポリジン採用のパッドの搭載など、全方位で快適なMTB用ヘルメットとなっている。