ミシュランの最新ロード用ハイエンドタイヤ「POWER CUP」登場
目次
MICHELIN(ミシュラン)から最新ロード用ハイエンドタイヤ「POWER CUP」が発表された。 2022年5月発売予定。
POWER CUPについて
AXIAL、PRO、PRO2、PRO3、PRO4、POWER、そしてPOWER ROAD。
ロード用ハイエンドタイヤにおいて、ミシュランの歴代タイヤは常に世界をリードしてきた。ニューモデルをリリースするたびに追いついてきたライバルたちとのアドバンテージを拡げ、このジャンルのベンチマークを高めてきたミシュラン。
そしてPOWER ROAD発表より2年を経た2022年の早春。フランスのクレルモンフェランより最新作が届いた。MICHELIN POWER CUP(ミシュラン・パワーカップ)の誕生だ。
ロード用ハイエンドタイヤは、近年の進化に次ぐ進化により、その基本構造に大きな変化はなく、各部のブラッシュアップがポテンシャルのアップに直結している。むろん、ここに伸びしろの可能性があり、各ブランドが送り出すハイエンドタイヤの性能が左右される。
ミシュランは航空機から自動車やバイク、自転車など幅広いジャンルのタイヤを製造しているが、それぞれが持つテクノロジーを融通しあえることがメリットであり、これがミシュランタイヤが持つひとつの個 性となっている。
ミシュランのロード用ハイエンドタイヤの基本構造は、大まかに言えば、グリップなど基本性能を左右する表層のコンパウンド、乗り味やタイヤの重量を決めるケーシング、そしてパンクを防止するベルト層で構成されている。この3層の順番を入れ替えたり、TT用タイヤではパンク防止層を除く2層構造にして軽量性を追求するなどして、用途、そしてクリンチャー、チューブレスレディ、チューブラーに、それぞれ最適な性能を与えている。
では、最新のPOWER CUPではどこが変わったのだろうか。それは表層のコンパウンドだ。
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クリンチャー、チューブレスレディ、チューブラーともに、ケーシングやパンク防止層については、基本的に前作POWER ROADを踏襲しているが、コンパウンドはGUM-X テクノロジーで統一されている。実はこのコンパウンド、路面状況に左右されない転がり抵抗の軽減と、固い路面でのグリップを最適化するテクノロジーで評価の高い、MTB エンデューロ系ハイエンドタイヤのコンパウンド技術を使ったもの。
GUM-X テクノロジーをコンパウンドに採用することで、POWER CUPはPOWER ROADよりも転がり抵抗が12〜15%向上して堅牢度もアップ。ウエット路面でのグリップ力は POWER ALL SEASONと同レベルになった。
これにより POWER CUPはハイエンドのロードタイヤの中で、転がり抵抗、軽量性、耐久性、ウエットグリップが高次元でバランスされたタイヤとして再び、このジャンルのベンチマークとなるだろう。
それではPOWER CUPはどのようなタイプの自転車と相性が良いのだろうか。
ミシュランはこの最新作を、トップクラスのレースからトレーニング、サイクリングレベルまでカバーするタイヤとしながら、自転車についてはキャリパーやディスクブレーキに限らず、ロードバイク全般としている。しかしながら昨今のロード用タイヤはディスクブレーキを念頭に開発されるものが多く、POWER CUPもディスクとの相性を重視していることも事実。
ミシュランはレースのトップカテゴリーであるUCIワールドチームのTeam Cofidis(チームコフィディス)に機材供給を行っているが、それはPOWER CUPのテストとして最高のフィールドだ。事実、チームコフィディスは2021年のツール・ド・フランスとブエルタ・ア・エスパーニャで、ディスクブレーキのデローザ・メラクにPOWER CUPを装着していた(一見はPOWER COMPETITIONチューブラー)。
ツールの第17ステージで敢闘賞を獲得したアントニー・ペレス選手、第19ステージ 2位のクリストフ・ラポルト選手、そして総合8位を獲得したギヨーム・マルタン選手のリザルトにより、世界最高の舞台でPOWER CUPはその戦闘力を証明した。ミシュランは最終テストの場として最適なレースを選び、満を持して最高のタイヤを送り出したわけだ。
このようにPOWER CUPはハイエンドタイヤでありながら、幅広く使える懐の深いモデル。性能以外の面でも、カラーバリエーションやサイドウォールのロゴデザインなどで商品性を高めてきたミシュランだが、POWER CUPでは新たな試みが注目される。
それはクラシックなカラーの投入。“CLASSIC”の名で、一モデルとして クリンチャー、チューブレスレディ 、 チューブラーの各POWER CUPにラインアップされる。これはロードバイクユーザーの中でもトレンドに敏感な層やグラベルバイクのロードユースユーザーをターゲットにしたもので、サイドウォールのモノトーンロゴが目を惹く。従来にはなかった提案で、敏感に反応する サイクリストも少なくないだろう。
そして最後に、POWER CUPの発売を機に、ミシュラン全製品のパッケージが、カラープリントを減らしたエコタイプに順次切り替わることも話題となるはずだ。
POWER CUP クリンチャー
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クリンチャー(ブラック)
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クリンチャー(クラシック)
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■クリンチャー
ケーシング:3×120TPI
カラー:ブラック
700×23C (205g)、700×25C (215g)、 700×28C (240g)
価格:7590円
カラー:クラシック
700×25C ( 215g)、700×28C (240g)
価格:7700円
POWER CUP チューブレスレディ
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チューブレスレディ(ブラック)
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チューブレスレディ(クラシック)
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■チューブレスレディ
ケーシング:4×120TPI
カラー:ブラック
700×25C (270g)、700×28C (285g)
価格:9240円
カラー:クラシック
700×25C (270g)、700×28C (285g)、700x30C (300g)
価格:9680円
POWER CUP チューブラー
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チューブラー(ブラック)
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チューブラー(クラシック)
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■チューブラー
ケーシング:2×160 TPI
カラー:ブラック
28×23mm (265g)
価格:1万4520円
28×25mm (280g), 28×28mm (320g)
価格:1万4960 円
カラー:クラシック
28×25mm (280g)、28×28mm (320g)
価格:1万6500円
POWER CUPの特徴
◼ コンセプトは 「速く」「安全で」「安心な」タイヤ
・トレッドコンパウンドには、グリップ力と転がり抵抗に優れたGUM-Xテクノロジーを採用。 コーナーリング時のグリップはPOWER ALL SEASONと同レベル 。
・前作POWER ROADから15〜20%の軽量化を実現
・前作で実績のあるケーシングを採用。サイドウォールの耐久性も確保 。
・トレッド下のアラミド繊維製パンク防止ベルト(クリンチャー、チューブラー)
◼ ハイエンドタイヤでトレンドとなっているクラシックカラーを新たに展開。
◼ チューブラーはチームコフィディスが昨年のジロ・デ・イタリア(2021年)から使用。
◼ 環境に配慮した新パッケージ(他のタイヤ&チューブにも順次導入予定)