『オールドマンマウンテン』装着も走行環境も全シチュエーションに対応するキャリヤ
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初めてのキャリヤ選びが最後のキャリヤ選びになるなんて冗談のようだが、それを実現してくれるブランドがあるらしい。
なんとツーリング車からMTBへ移設も可能という摩訶不思議なキャリヤを提供するのは、オレゴン州に拠点を置く「オールドマンマウンテン」だ。
懐が広くて広くて仕方がない万能キャリヤ
昭和のツーリストも、令和のツーリストにとっても長距離旅のマストアイテムとして「キャリヤ」は変わらず選ばれ続けている。旅の持ちものはすぐに思い浮かぶものだけでも、替えの服からテントや寝袋などのキャンプ用品、自炊をするための火器、食器類などなど。さらに旅中の快適性の向上を考えるなら天井知らずだ。もちろん長距離旅をキャリヤレスのバイクパッキングスタイルでこなしてしまう強者もゼロではないが、少ないアイテムでその場をしのいでいく知識や、キャリア(経験)がそれを可能とすることが多く、万人向けとは言い難いだろう。それだけキャリヤは積載量を容易に向上してくれるのだ。
では、なにかしら自転車を持っているから、テキトーなキャリヤを買えばいいのかというと、そんな簡単な話ではないのがまたややこしい。そのキャリヤを取り付けるネジ穴があるのか、タイヤは収まるのか、クイックリリースなのかスルーアクスルなのか、エンド幅はいくつなのかなど、チェック項目は複数あり、ピッタリなキャリヤ探しは、初心者には困難を極める。
今回紹介する「オールドマンマウンテン」のキャリヤは、そんな初心者にも極端な話、とりあえず買ってみれば?とオススメできてしまうほど懐が広いのが特徴だ。
オールドマンマウンテンは熱心なMTBライダーとツーリスト、メッセンジャー上がりのサイクリストたちが作り上げるガレージブランドだ。
そんなオールドマンマウンテンの製品はシンプルに2種のキャリヤに大分される。まさしく鹿の角のような支柱を持つ『エルクホーン』と、よりハードな環境下でもツーリストに安心を与えてくれる『ディバイド』だ。
この2種のキャリヤなんと、フロントでもリヤでも、ロードでもグラベルバイクでもMTBでも装着ができる超万能性能を持つのだ。
バイク問わず付けたくなる鹿の角型キャリヤ
ホイールの中心部からY字状に伸びる支柱が特徴的なエルクホーンは、そのスッキリとした見た目とは裏腹に耐荷重は11kgと堅牢な作りで、1人旅用のキャンプ用品程度であれば十分対応する。もちろんフロント、リヤ共にアダプターを使えば装着ができるため、ツーリングスタイルが確立していない初心者でも安心して購入ができる。フロントキャリヤとして実走経験を経たあとに、ハンドリングの重さが気になるのでリヤ重視の積載に変更、なんてことも可能なのだ。
グラベルバイクのフロント部に取り付けて、前方から見た様子。700×38Cのタイヤが細く見えてしまうほどラックの幅が広く、ラックを原因とした泥詰まりは起きにくい構造。
フォークのネジ穴を使用して装着してみた。本体とフォークを1枚の板でつなぎ、角度を調整できる。板の長さを調整・変更することでロード、グラベル、MTBのジオメトリに幅広く対応する。
天板にはさまざまな用途に使えそうな穴が空いているため、自分の自転車遊び用にカスタムをすることが可能だ。
どんなシチュエーションでもカバーしてくれる質実剛健なキャリヤ
天板とフレームが一体化されパニアレールを備えられるもシンプルな作りや汎用性の高さはエルクホーンと等しく、さらにディバイドは耐荷重が最大31.75kg!(70ポンド)と高められているのが特徴だ。サイズはロードバイクからMTBまで対応するものと、さらに巨大なタイヤ(26×5インチ〜27.5×4.6インチ)を履くファットバイクでも装着できる『ディバイド ファット』の2サイズを展開する。極寒の冬のアイスランドなど、地球上で最も過酷な環境でテストされ、国内外問わずハードなツーリングでもその旅が終わるまで安心して使うことができる。
ディバイドをリヤに装着したものを、後方から見た様子。エルクホーンい比べほんのりハの字状になりパニアバッグを取り付けたときにレールに密着しやすい形状。対応するタイヤ全てでフェンダーの取り付けられるスペースを確保される。
本体とシートステーを繋ぐのはエルクホーン同様、付属の金属の板で接続する。こちらも板の長さを変えることでさまざまなジオメトリのバイクに対応する。
キャリヤ用ネジ穴が備えられている場合はスペーサーを入れることで装着ができる。ネジ穴が無い場合はスルーアクスルやクイックリリースを使いエンド部で固定する。
バイクや前後位置関係なく装着できるワケ
エルクホーン、ディバイド共に高い汎用性の秘訣はこの写真のようなアダプターが19種類もあること。これらアダプターのおかげでフロントでもリヤでも、クイックリリースでもスルーアクスルでも多くのバイクで使用ができる。アダプター選びで困ったらこちらから検索することも可能だ。
積載量(ツーリングスタイル)さえ決めてしまえば、あとは付けたいバイクも位置も問わず装着ができるので、バイクにあわせて何種類ものキャリヤを所有せずに済んでしまうのだ。旅に出たいという気持ちが、旅に出る準備の疲労で冷めてしまわないためにも、キャリヤ選びで困ったらオールドマンマウンテンを一度チェックしてみてはどうだろうか。
クイックリリースの自転車にも付けてみた
なんにでも付けられるとのことなので、試しにエルクホーンを私物の自転車に付けてみた。
先のグラベルバイクとは違い、クイックリリースでネジ穴が付いていないスチールフォークなので、クイックリリース用のフィットキットを用意した。使用したフィットキットには、キャリヤごと締めることのできる長尺のクイックと、取り付けネジを増設できるパーツが同梱されるため、クイックリリースのロードバイクのフロントにオールドマンマウンテンのキャリヤを装着したい人はこのキットを別に購入しよう。
ネジ穴を増設してくれるパーツは、フィットキットに付属するとても頑丈そうな結束バンドでフォークに装着する。傷防止の透明なシールが付属するので、パーツがあたるところに貼り付けておくことをオススメする。
無積載状態で土手のちょっとした砂利道を走行してみたが、ネジ類が緩むこともなく、結束バンドがズレてしまうこともなかった。
次にテントと寝袋とシートを積載してみた。この程度であれば全く問題無く走行ができた。一つ気になった点としては天板がツルツルしているため、テントなどで使われるような化繊生地のものを直接積載するとキャリヤと紐で強く縛っても少しスベってしまった点。すべり止めのシートなどを利用するなど、気になる人はちょっとしたカスタムをすると良いだろう。
その利便性を体感したらほかのキャリヤを選べなくなってしまいそう
オールドマンマウンテンのキャリヤを購入する最初の動機はクロスバイクの通勤用だったとしても、その後グラベルバイクでキャンプ用品をガッツリ積載して旅に出たいと思ったら好きなバイクに好きな位置に載せ替えることができる。公式HPの『欲しくなる最初のラックであり、買うべき最後のラック』のひと言はその唯一無二なキャラクターゆえに言えるのだ。
エルクホーン ラック
価格/2万7500円
耐荷重/11kg
サイズ/160 mm x 266 mm(トップデッキ)
対応タイヤサイズ/27.5 x 2.8または700c x 50C(ショート)、29 x 3.25(トール)
取り付け位置/フロント、リヤ
ディバイド ラック
価格/2万7500円(ディバイドラック)、2万9700円(ディバイド ファット ラック)
耐荷重/25kg(ネジ穴利用時)、32kg(スルーアクスル用フィットキット利用時)
サイズ/100 mm x 266 mm(トップデッキ)
対応タイヤサイズ/29 x 3(ディバイドラック)、26×5インチまたは27.5×4.6(ディバイド ファット ラック)
取り付け位置/フロント、リヤ
フィットキット
価格/1万1000円〜1万4300円
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