ファクター新型O2ヴァム デュラエース組みで6.2kg
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ファクターの軽量オールラウンダー、O2が第4世代へのフルモデルチェンジを、ツール・ド・フランスの休息日に発表した。54サイズのフレームにシマノ・デュラエースDi2、ブラックインクがこのO2に合わせて開発した新作ホイール「28//33」を組み合わせた重量は6.2kgになるという。
軽さに加えて、空力性能と剛性を強化した新型O2ヴァム
O2は、山岳やアップダウンの多い地形を、より速く上りたいサイクリストに向けたモデルだ。そして上りがあれば下りがある。ダウンヒルでの安定性、平地でもストレスなく巡航できることにもフォーカスしている。快適性についても、トップチューブおよびシートチューブの設計で演出することを忘れていない。
ファクターはこの新型を開発するに当たって、イスラエル・プルミエテックチームのライダーにO2に何を望むのかを聞いたところ「平地や下りでの空力性能」、「オストロ(同社のエアロロード)並の剛性」ということだった。それでいて軽いバイクであるO2のキャラクターを受け継ぐバイクとして開発されたのだ。
チームの選手、ダリル・インピーは「ライダーは皆、速くて軽いバイクを求めています。空気抵抗が小さいことはもちろん、やはり軽量であることは大切です。この新作O2はとてもエキサイティングです」と語る。
ファクターは、UCIのルールが変更になり、従来とは違うチューブ形状が使えるようになったことや、オストロヴァムやオストログラベルで培った空力性能をベースに、新型O2を開発した。その結果、剛性はオストロヴァムと同じに。空気抵抗は、前作O2ヴァムより12w削減された(風洞実験内の数値。時速48km走行で、風向きがプラスマイナス15度の平均値)。これは旧O2ヴァムとオストロヴァムとの差の半分。そして、風向きの角度が0~5度のとき新型O2ヴァムとオストロヴァムの差は5wにまで縮まった。
快適性は、インテグレーテッドシートチューブをカバーするタイプのシートポストと、極薄のトップチューブによって確保されている。トップチューブの薄さは一番薄い部分でなんと10mmだ。
フレームサイズは全部で7種類。フォークは4種類用意されているので、全サイズでトレール値が57mmとなり、どのサイズでもハンドリング性能が確保されている。また、ジオメトリは、顧客であるライダーのデータをふまえて、スタックが前作より10mm高くなっている。タイヤは最大32mmまで対応。最適なサイズは28mmに設定されている。
軽量バイクにおいて軽さと共に空力性能と剛性が必要なのは、プロ選手の要望というのはもちろんだが、多くのサイクリストが走るコースにおいては、上りの距離よりもそれ以外の距離が長いからだ。その区間でも速さを追求するために必要な性能だとファクターは考えた。またプロの世界に目を向ければ、彼らは8%の上りでも空力性能が問われるほどの速度で上っていくというのもまた理由である。
開発には、有限要素解析 (FEA) と数値流体力学 (CFD) が用いられた。さまざまなチューブ形状のオプションから空力、剛性、軽さの最適なバランスを持つ形状が特定され、このO2ヴァムができあがっている。
ブラックインク・28//33は1146g
新型O2ヴァムの性能を補うべく、同時に開発されたのがブラックインクの新作ホイール「22//33」だ。チューブレスとクリンチャータイヤに対応。重量は、1146gと非常に軽量である。
リムハイトは、フロント28mm、リヤ33 mm。内幅は23mm、外幅は28 mmとワイド。カーボンスポークを使用している。
ジオメトリ&カラーバリエーション
ファクター・O2ヴァム価格
フレームセット:88万5500円
フレームセット(Black incホイール付き):125万5100円
スラム・レッドeTap AXS完成車/シマノ・デュラエースDi2完成車:179万8500円
スラム・レッドeTap AXS (パワーメーター付き)完成車:186万5600円
スラム・フォース eTap AXS完成車/シマノ・アルテグラDi2:151万3600円
スラム・フォース eTap AXS (パワーメーター付き)完成車:154万5500円